第3章 分野別に見た外交


(1)国際的なルールづくり

 地球温暖化やオゾン層の破壊、生物種の絶滅等の地球環境問題は、依然として深刻である。日本はこれらを人類の生存に対する脅威と位置付け、「地球規模の共有(グローバル・シェアリング)」という考え方を提唱し、国際社会が連帯して取り組むことを呼びかけてきた。地球環境に関する国際的なルールづくりでは、既に枠組み構築から実効性確保の段階に移行しつつある。日本は多国間環境条約における実効性の確保を追求するとともに、各条約間で相互に情報を共有し無駄な作業を省く「相乗効果(シナジー)」の議論に積極的に関与し、効率化に向けて努力を重ねている。また、特定の価値観に偏ることなくバランスのとれた国際的ルール形成を主張し、科学的な根拠に基づき資源の保全と利用を両立させる「持続可能な利用」の重要性等を国際社会に訴えてきている。




<< 前の項目に戻る 次の項目に進む >>