第3章 分野別に見た外交


(1)G8サミット

 7月6日から8日に行われたG8グレンイーグルズ・サミットでは、「アフリカ」「気候変動」の主要議題に加え、世界経済、地域情勢等について意見交換が行われた。小泉総理大臣は、「アフリカ」については日本の支援がアジアで成功した経験、「気候変動」については高度経済成長期における公害の克服や省エネ、エネルギー効率向上の経験をそれぞれ踏まえ、積極的に議論に貢献した。世界経済については、構造改革、エネルギー効率の向上、石油市場の透明性の向上等に取り組むことで合意し、日本の提起で知的財産権についてもとりあげられた。中東和平、北朝鮮、国連改革等についても議論され、イラク、スーダン、不拡散、テロ、拡大中東構想を含め計12本の個別文書が出された。サミット期間中の7月7日、ロンドンで連続爆破テロ事件が起きたが、G8首脳はテロに屈しない姿勢を保ち予定どおり議論を進めるとともに、声明を急遽発出し、一致してテロに立ち向かうとの断固たる姿勢を示した。

 なお、それぞれの主要議題でアフリカ諸国、新興経済諸国の首脳が招待され、非G8諸国との対話 (注16) が行われた。

▲G8グレンイーグルズ・サミット参加のG8首脳 (7月8日、英国・グレンイーグルズ 写真提供:内閣広報室)




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