第3章 分野別に見た外交


(4)人権理事会

 国連人権委員会は1946年の設立以来、人権の普遍的な尊重及び遵守において重要な役割を果たしてきた。しかしながら、生命や基本的自由にかかわる深刻な人権侵害は、依然として世界各地で跡を絶たない状況にある。

 2004年12月の「ハイレベル委員会」の報告や、2005年3月のアナン国連事務総長の報告を受け、これまで経済社会理事会の下に設置されていた人権委員会を「人権理事会」に格上げ・強化し、人権を国連の重要な柱の一つと位置付けることが、9月の「成果文書」で合意された。そして、2006年3月15日には、「人権理事会」決議が国連総会で採択され、国連総会の下部機関として人権理事会をジュネーブに設置することが決まった。日本は、1982年以来一貫して人権委員会のメンバー国を務めている経験をいかし、新設の人権理事会の下、人権分野における国際貢献をより一層強化していく考えである。




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