4.国 連
【総 論】
国際連合(国連)は、総会や安全保障理事会(安保理)をはじめとする諸機関において、平和と安全、開発、人権、女性、児童、感染症、環境、国際組織犯罪、難民、文化等の諸問題を世界各国が討議し、規範(世界的なルール)を形成する重要な場である。
今日の国際社会では冷戦の終焉、グローバリゼーションの進展といった構造的変化に加えて、テロ、大量破壊兵器の拡散、貧困、感染症等、個別の国家・地域のみでは対応困難な課題が増えており、これに伴い、国連の役割がますます増大している。日本は外交の主要な柱の一つとして国際協調を重視し、国連に対する人的、財政的貢献を行っている。

▲安保理で議長を務める大島国連大使とアナン国連事務総長(8月11日、ニューヨークの国連本部 UNPhoto/Eskinder Debebe)
日本は2005年1月から、安保理の非常任理事国として2年間の任期を務めている。今回の任期は7年ぶりで、ブラジルと並んで加盟国中最多の9回目となる。日本は安保理PKO作業部会の議長に就任し、個々のPKOの効果的運用や、エチオピア・エリトリア問題に取り組み、またアフガニスタン問題やレバノン元首相暗殺事件等、国際の平和と安全に関する議論において建設的な役割を果たしている。また、アジアを代表する非常任理事国として、アジアにおけるテロ事件への対応や東ティモールへの国連の関与の在り方等を決定する際にイニシアティブを発揮してきた。これらの貢献は、安保理改革が議論される中で、日本が常任理事国として国際の平和と安全の維持のため、より大きな役割を果たすにふさわしい存在であることを示すものとなった。
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