第2章 地域別に見た外交


第6節 中東と北アフリカ

【総  論】

 世界の主要なエネルギーの供給地域であり、日本が原油輸入の約9割を依存する中東地域の平和と安定確保は、国際社会全体の平和と繁栄に直結する重要な問題である。イラクやアフガニスタンの復興は、中東地域全体の不安定化を回避する上で極めて重要であり、日本は国際社会と連携しつつ引き続き積極的に支援していく考えである。また、中東和平プロセスの進展なくして、同地域の平和と安定は達成し得ない。和平プロセス進展に向けて、引き続きイスラエル・パレスチナ両当事者の和平努力を積極的に支援していく必要がある。

 地政学的に重要な国であるトルコには、2006年1月に小泉総理大臣が現役の総理大臣として15年ぶりに訪問し、1世紀以上にわたる日本・トルコ関係の強化と、中東地域の平和と安定を含む国際社会における諸問題への協力の拡大で一致した。


2005年には、要人等の往来が活発に行われ、中東諸国との関係がより幅広く、深みのあるものとなった。アッバース・パレスチナ自治政府大統領(5月)、ハマド・カタール首長(6月)、ガンヌーシ・チュニジア首相(6月)、サーレハ・イエメン大統領(11月)、モハメッド6世・モロッコ国王(11月)、ジャアファリー・イラク首相(12月)、アブドッラー・ヨルダン国王(12月)等が訪日し、活発な首脳外交が展開された。1月に「第3回日・アラブ対話フォーラム」がサウジアラビアで、2006年1月に「第4回イスラム世界との文明間対話セミナー」がチュニジアで、それぞれ開催されたほか、9月に「第3回中東文化交流・対話ミッション」をサウジアラビア、トルコ、チュニジアに派遣した。また、3月にアルジェリアで開催されたアラブ首脳会議には前年に続き日本が招待された。



▲「トルコ・日本基金文化センター」を訪れ、折り紙教室を視察する小泉総理大臣(2006年1月11日、トルコ・アンカラ 写真提供:内閣広報室)



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