(5)ASEM
アジア欧州会合(ASEM)は、アジアと欧州の関係を強化することを目的として1996年に開始された。2004年10月の拡大後、アジア側から日本、中国、韓国及びASEAN10か国、欧州側からEU25か国及び欧州委員会の合計38か国と1機関が参加しており、参加国全体で世界の人口の約4割、GDPの約5割、貿易量の約6割を占めている。政治、経済、社会・文化等を3つの柱に、首脳会合や各種閣僚会合等を通じて、アジアと欧州の対話と協力を深めている。今日の国際社会が直面するグローバルな課題に対処する上で、アジアと欧州がASEMを通じて対話と協力を進展させることは、ますます重要となっており、日本は、積極的役割を果たしてきている。
日本は5月に、京都迎賓館を国際会議で初めて使ってASEM拡大後初の閣僚会合となる第7回外相会合(FMM7)を主催した。同会合では、町村外務大臣が議長を務め、多国間主義の強化と安全保障上の脅威への対応、主要な地域情勢、人間中心の持続可能な開発の推進、文化と文明の対話の促進等、グローバルな課題に関する議論を主導した。また、拡大したASEMの活動を効果的・効率的に行う方法についても方向性を示した。これらの議論に基づき、2006年の第6回ASEM首脳会議に向け、「グローバルな課題に対処するためのアジア・欧州パートナーシップ」の下、対話と具体的な協力を進めていくことになった。
FMM7の機会にはまた、日中韓外相三者委員会、ASEAN+3非公式外相会議のほか、多くの二国間外相会談が行われた。
▲ASEM外相会合で開会式に臨む議長の町村外務大臣ほか各国外相(5月6日、京都迎賓館)
▼アジア太平洋における国際的枠組み
|