(2)ニュージーランド
6月にクラーク首相が訪日し、小泉総理大臣との会談後、共同声明を出した。声明では、両国が共通の価値観を有する地域のパートナーであること、科学技術、人的交流、教育、観光、林業、貿易投資といった重点分野での協力の継続を確認し、科学技術協力促進のための覚書が作成されたことを歓迎するとともに、経済関係を新たな視点から更に強化していくとした。同声明にはまた、アジア太平洋地域の繁栄のための協力の重要性、東アジアにおける共同体形成に向けた過程への積極的な参加、軍縮・不拡散分野での協力、北朝鮮の核計画全廃への要請、両国間の様々なレベルでの対話の強化等を盛り込んだ。12月にマレーシアで行われたEASの際に、小泉総理大臣とクラーク首相、また、麻生外務大臣とピーターズ外相がそれぞれ会談を行い、6月の共同声明にうたわれた協力の継続を確認した。
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会談を前に握手する小泉総理大臣とクラーク・ニュージーランド首相(6月2日、総理大臣官邸 写真提供:内閣広報室)
内政では、9月の総選挙で野党第一党の国民党が減税策を訴え、議席を大幅に伸ばしたが、与党労働党は少数政党の協力を得て第3次クラーク政権を発足させた。国内経済は、1980年代からの改革の効果が継続しており、3%台の失業率と成長率、政府債務残高がGDPの4分の1以下という健全な数値を示している。また、経済構造を知識産業型へ変革する必要性を掲げ(イノベーション政策)、教育、研究開発を促進し、バイオ、情報通信産業や映画制作といった創造的産業等の振興に力を入れている。
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