第2章 地域別に見た外交


(2)パキスタン

 パキスタンは、アフガニスタン国境地域におけるアル・カーイダ掃討作戦、インド洋における「不朽の自由作戦」に基づく海上阻止活動(OEF‐MIO)への参加等を通じて、「テロとの闘い」に取り組んでおり、日本の自衛隊艦船はパキスタン艦船に対する給油・給水活動を実施している。また、経済面は引き続き好調で、2004年度には8.4%の成長率を達成した。日本としても、同国の改革努力を評価し、「穏健かつ近代的なイスラム国家」としての同国の安定的発展を支援している。

 4月に小泉総理大臣がパキスタンを訪問した際、両国関係の重要性及び今後の方向性を確認する「日本・パキスタン共同宣言」が出され、同国に対する新規円借款供与の再開が表明された。また、麻生外務大臣が2006年1月にパキスタンを訪問し、人材育成、テロ対策や軍縮・不拡散等の分野で関係強化を図っていくことで合意した。

 パキスタンは、10月8日に発生した大地震によりカシミール地方と北方地域を中心に7万3,000人以上が死亡、300万人以上が住居を失うという大きな被害を受けた。日本は、地震発生直後から自衛隊部隊を含む国際緊急援助隊の派遣、緊急援助物資の供与、無償資金協力及び円借款による支援、非政府組織(NGO)を通じた支援等官民一体となった協力を続けており、計約2億ドルの支援を行っている。




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