第1章 概 観


(中南米地域)

 中南米地域は、世界的な資源需要の増大等を背景に順調な経済成長を続けるとともに、新自由主義的政策によりマクロ経済の安定を達成した一方、貧富の格差の拡大を背景に、ボリビアやエクアドルでは、社会問題の改善を求めて大衆運動が高まり、政権交代が行われた。

 日・中南米関係では、2004年に発表した「日・中南米 新パートナーシップ構想」を着実に実行するとの観点から、4月に日・メキシコ経済連携協定が発効し、11月には中米展が開催されたほか、2006年2月にチリと経済連携協定交渉を開始するなど、多角的な経済関係強化に向けた取組を行った。

 8月には、日本と中米の外交関係樹立70周年を記念する「日・中米交流年2005」の一環として、中米7か国の首脳等が訪日し、日本・中米首脳会談が開催された。また、11月、ペルー国内の政治情勢の混乱により日本に滞在していたフジモリ元大統領がチリに入国した。チリ政府は、ペルー政府からの要請を踏まえ、同元大統領を仮拘禁し、その後司法手続きが進められている。




<< 前の項目に戻る 次の項目に進む >>