第1章 概 観


(米  国)

 米国は日本にとって唯一の同盟国であり、日米関係は日本外交の要である。2月にワシントンで開かれた日米安全保障協議委員会(「2+2」会合)では、日米間の共通の戦略目標を確認した。また、米国は、より機動性の高い態勢を実現することを目的として世界規模での軍事態勢の見直しを行っているが、日本における兵力態勢の再編については、10月にワシントンで開かれた「2+2」会合において、普天間飛行場の移設・返還の加速化や沖縄の海兵隊削減を含む共同文書が発表された。11月のブッシュ大統領訪日に際して行われた首脳会談では、二国間関係にとどまらない幅広い国際問題について議論され、「世界の中の日米同盟」を推進していくことが両首脳の間で確認された。他方、米国との間で懸案となっていた牛海綿状脳症(BSE)問題については、消費者の食の安全の確保を前提に、食品安全委員会における科学的な審議が尽くされ、これに基づき12月、双方向の牛肉貿易が再開された。しかし2006年1月になって、輸入の認められない特定危険部位の脊柱が含まれた牛肉が日本に到着したことが明らかになり、日本はすべての米国産牛肉の輸入手続きを再停止した。




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