【在日外国人問題等】
現在、在日外国人は約192万人を数え、日本の人口の1.5%にのぼり、また、その数は今後も着実に増加していくものと予測される。このような状況の中で、本邦に比較的長期に滞在する外国人の中でも、一部地域に集住する日系人をはじめとする在日外国人が直面する問題が顕在化している。具体的には、雇用の不安定、雇用条件の不平等、社会保険の未加入問題、義務教育年限の外国人の子どもの不就学問題、青少年犯罪を含む犯罪の頻発等が指摘されている。このような実態を受けて政府関係当局も様々な対策をとってきているが、政府部内の様々な省庁にまたがるため、政府としては一層深い戦略に根ざした省庁横断的な対策をとることが重要である。これらの問題は、放置したり対応を誤れば二国間関係や日本の対外イメージにも悪影響を及ぼす可能性もあるので、在日外国人の人々を社会の一員として位置付けて、これらの問題に対し日本社会が一体となり積極的に対応していく必要がある。
在日外国人の中では在日韓国・朝鮮人が依然として最も大きな割合を占めているが、その数は漸減している。その一方、それに次ぐ中国人、ブラジル人、フィリピン人、ペルー人などはほぼ一貫して増加している。在日韓国・朝鮮人に関わる問題についても議論を継続していく必要があるが、海外交流審議会(275ページ参照)では、中国人、ブラジル人、フィリピン人、ペルー人などが直面している問題(雇用問題、社会保険の未加入問題、教育問題等)が深刻な状況にあり、喫緊の問題として対策が必要であることから、これらに焦点を当てて議論を行った
(注2)。海外交流審議会は、その答申の外国人問題部分において、「在日外国人問題」、「外国人労働者受入問題」、「人的交流拡大と犯罪・テロ・治安対策」への取組、及び「外国人問題を省庁横断的に扱う政府の体制整備」を提言している。