第2章 地域別に見た外交 |
第5節 ロシア、中央アジア及びコーカサス
【総論】
プーチン・ロシア大統領は、2004年3月にフラトコフ新首相を任命し政府の再編に着手し、その後、同月の大統領選挙で70%以上の高い得票率を得て再選を果たした。また、8~9月にロシア国内で相次いで発生したテロ事件を受け、国家の一体性の強化を目的として一連の政治社会制度の改革を発表するなど、更なる中央集権化を図っている。
日露間では、2004年も、首脳会談及び外相会談等の機会(注1)を通じて、平和条約締結問題のほか、幅広い分野における日露協力について緊密な話し合いが行われた。両国の有識者が大所高所から日露関係発展の展望を議論する日露賢人会議(注2)をはじめ、様々なレベルでの対話も活発に行われた。
中央アジア及びコーカサス諸国(注3)は、独立後13年が経過し、各国の政治・経済面における多様化が進行している。日本は、これら諸国の安定と発展は東アジアを含むユーラシア全体の安定にとり極めて重要であるとの観点から、その国づくりの努力を積極的に支援してきた。特に、中央アジアについては、日本とこの地域全体の対話も強化していくとの観点から、8月に川口順子外務大臣(当時)が中央アジア4か国を歴訪した際に、日本と中央アジア全体との対話の枠組みとして「中央アジア+日本」対話を立ち上げ、その初の外相会合を行った。
前の項目に戻る ![]() ![]() |
![]() ![]() |