第5章 海外の日本人・日本企業に対する支援 

第1節 海外邦人安全対策・領事移住業務

【総論】
 今日、海外においては、一般犯罪のみならず、重大事故、テロ、感染症といった様々な脅威が国境を越えて存在している。日本人の海外渡航者や在留邦人の数が増加している中で、海外において日本人が脅威に遭遇する可能性は高まってきており、海外における国民との直接の接点である領事業務がますます重要になってきている。
 外務省は、海外における日本国民の安全確保を最重要課題の一つとして、各種安全対策や被害者・家族に対する支援をはじめとする事件・事故への対応の一層の強化を図るとともに、領事サービスの向上に努めている。
 領事分野における改革については、2002年8月に発表した外務省改革「行動計画」に基づき実施してきている。例えば、在外公館における24時間電話応対サービスやインターネットを通じた在留届の提出受付システムの開始などを実施してきている。また、主に在留邦人からの各種相談への対応を行う「領事シニアボランティア」制度を新たに導入し、12月には現地事情に通じ実務経験に富んだ10名のボランティアが在外公館に配属された。また、2003年6月には、外務大臣の諮問機関である海外交流審議会より、「領事改革に関する第一次とりまとめ」が発表され、〔1〕領事サービスの改善・強化、〔2〕海外邦人安全対策の推進と危機管理能力強化、〔3〕領事の専門性の向上、研修の強化と適材適所の人的配置・育成、〔4〕在日外国人の問題への対応について提言がなされた。こうした領事業務の重要性の高まりを踏まえ、2004年の機構改革において領事移住部を領事局に改編する予定である。

 

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