第2章 地域別に見た外交 

ネパールバングラデシュ及びブータンと日本外交】
 ネパールでは、1996年以降、極左組織であるマオイストが人民闘争と称して政府施設等の襲撃を行ってきた。1月にマオイストは武装闘争を停止し、ネパール政府と3回の和平交渉を行ったが、8月にマオイストは停戦破棄と和平交渉の一時中断を発表し、武装闘争を再開した。
 日本は、マオイストが和平交渉再開に応じること等を呼びかけるとともに、マオイストが武装闘争を行う要因のひとつと考えられる貧困問題を緩和する観点から、社会経済開発支援を行っている。
 バングラデシュとの関係では、4月にカーン外務大臣が訪日したほか、6月のアジア協力対話(ACD)の際にも外相会談を行った。
 ブータンにおいてはインドからの分離独立を目指す過激派組織が、印治安部隊の圧力から逃れるため、同国南部に侵入、キャンプを設置し拠点としてきた。ブータン政府は、これまで交渉による解決に努めてきたものの、交渉は決裂し、12月に過激派組織の掃討のために同国南部における軍事行動を開始した。現在では軍事行動は実質的に終了している。

 

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