第2章 地域別に見た外交 

【スリランカ情勢と日本を含む国際社会の対応】
 スリランカにおいては、2002年9月から2003年3月までに政府とLTTEとの和平交渉が計6回開催された。しかしながら、4月にLTTEは、政府の和平プロセスへの対応を不満として和平交渉の一時中断を表明した。その後7月に、スリランカ政府は和平交渉再開に当たっての懸案となっていた北・東部の暫定行政機構案をLTTE側に提示し、LTTE側も10月に対案を政府側に提示するなど、和平プロセスは再び動き出すかに見えた。しかし、11月にクマーラトゥンガ大統領が国防大臣を含む主要3閣僚の解任及び国会の2週間停会を突如発表し、クマーラトゥンガ大統領とウィクラマシンハ首相の対立が再び顕在化した。この影響で和平交渉再開が実現しない状況が現在も継続している。
 日本は、「平和の定着」に貢献するとの観点から、明石政府代表や川口外務大臣、矢野外務副大臣による訪問等を通じてスリランカの和平プロセスを積極的に後押ししており、2003年3月に箱根で第6回和平交渉を開催したほか、6月には約70の国と機関が参加する「スリランカ復興開発に関する東京会議」を開催した。この東京会議では、和平プロセス促進に対する国際社会の力強い一致した決意が示され、国際社会全体で今後4年間で約45億ドルを超える支援が表明された。日本は、今後とも東京宣言の諸原則を踏まえた復興開発支援の実施等を通じて、スリランカにおける「平和の定着」に貢献していく考えである。

 
スリランカの民族問題

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