ヨハネスブルグ・サミットでは、各国政府や国際機関のみならず、NGOや民間企業等様々な団体が、持続可能な開発に向けた取組について紹介したのが特徴でした。NGOの会場となったナズレック展示会場と並び、その中心となったのがウブントゥ村の展示会場でした。
日本は、政府・企業・NGO・国際機関が協力して、主催国の南アフリカを除けば唯一単独のパビリオンを設置し、環境問題に関する過去の経験とともに、日本が誇る知恵や知識、さらに新しい技術について多くの展示やセミナーを行いました。
日本が行った展示の中で訪問者の目を引いたのは、企業が用意した実物の展示でした。燃料電池ハイブリッド車等2台のエコ・カーや化学薬品を使わない水浄化装置には特に大きな反響がありました。また、不要になったバナナの茎から手すき紙を作るというバナナ・ペーパーも、サミットの特集新聞の1面に取り上げられました。
また、同じ日本パビリオンにおいては、連日、川口外務大臣、大木環境大臣、海部元総理大臣、橋本元総理大臣、さらに、ジンワラ南アフリカ下院議長、エシー・アフリカ連合(AU)暫定事務局長、ジェフリー・サックス教授等多彩な話者を迎え、持続可能な開発についての日本の経験と人づくりの重要性等を取り上げたセミナーが連日開催されました。
これらの展示とセミナーを通じ、日本は、自らの公害体験について各国と共有し、より良い地球をつくっていきたいという日本の中心的メッセージを伝えるとともに、持続可能な開発を具体的に実現しようとする日本の姿勢を官民一体となって示すことができました。