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安全保障理事会改革 ~なぜ改革が求められているのか~


 国連加盟国数は、創設時(1945年)の51か国から今日の191か国(2003年3月現在)にまで増加しました。これに対して、安保理の構成は、1965年に非常任理事議席が6議席から10議席に拡大したものの、それ以来変わっていません。そのため、加盟国数の増加を踏まえて安保理の議席を拡大することが必要です。

 また、冷戦後、安保理は、PKO等の活動を通じて、停戦監視を中心とした伝統的な活動のみならず、社会と経済の復興と発展、民主化のための支援といった幅広い活動を展開するようになってきています。今日の安保理には、経済・社会の分野でも幅広く貢献できる国の参加が求められています。

 安保理が国際社会の諸課題により有効に対処するためには、このような状況の変化を反映させる形で安保理の正統性と実効性を向上させることを通じて、安保理の機能を高めることが必要です。最近の国際テロやイラク問題といった国際問題への対応にも示されているように、今日、安保理は国際の平和と安全の分野においてますます重要な役割を果たしています。また、安保理に対する国際社会からの期待も高まっています。安保理改革の早期実現は、国際社会全体にとって重要な課題であるといえるでしょう。

 日本は、このような認識の下で、改革の実現に向けて積極的に取り組んでいます。日本としては、安保理改革が実現する暁には、平和の定着や国造り、軍縮や不拡散、開発といった様々な分野での能力と経験をいかし、常任理事国として一層の責任を果たしたいと考えています。


(*1) 安保理は、国連の主要機関の一つであり、国際の平和及び安全の維持について主要な責任を負っている。安保理は、常任理事国5か国(米英仏露中)と非常任理事国10か国(アジア2か国、アフリカ3か国、ラテンアメリカ2か国、西欧その他2か国、東欧1か国が国連総会における選挙で選出される。任期は2年)の合計15か国で構成されている。


(*2) 安保理改革の手続

安保理の構成、議決方法などを改革するには、国連憲章の改正が必要となる。憲章の改正は、総会の構成国の3分の2の多数で採択され、かつ、安保理のすべての常任理事国を含む国連加盟国の3分の2の国により批准されたときに、効力が生ずる(国連憲章第108条)。



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