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TICAD〔ティカッド〕とは?


 近年、日本はアフリカの抱える問題への取組を強めており、その中核となっているのがTICAD〔ティカッド〕(Tokyo International Conference on African Development、日本語では「アフリカ開発会議」)のプロセスです。TICADでは、日本政府の提唱・主導によりアフリカ開発に関する包括的な議論が行われ、国際社会の世論形成に大きな役割を果たしています。

 TICADプロセスが開始された1990年代初め、援助疲れや冷戦の終焉〔しゅうえん〕により、国際社会のアフリカへの関心は相対的に低下し、アフリカは世界から取り残されようとしていました。このような中で、日本は、グローバル化する国際社会においてアフリカの開発は依然として重要な課題であると考え、1993年TICADIを、1998年TICADIIを開催しました。両会議は成功裏に終わり、日本は、世界の関心を再びアフリカへ向けることに成功したのです。

 TICADプロセスを通じて、日本は、アフリカ開発にはアフリカ諸国の自助努力(オーナーシップ)と国際社会のパートナーシップが重要であると提唱してきました。こうした考え方は次第にアフリカを含む国際社会に広く浸透するようになり、アフリカ自身の手になる包括的な開発構想である「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」の策定にも大きな影響を与えたと考えています。また、日本は、TICADの取組を通じてアフリカ開発にはアジア諸国の開発経験が有益であると考え、アジア・アフリカ間の協力の枠組みを推進してきました。アジアの開発経験をアフリカ諸国と分かち合うことは、アフリカ諸国の開発に様々な良い影響を与えています。さらに、TICADは、日本とアフリカ各国のみならず、主要ドナー国、アジア諸国、国際機関、さらには、市民社会や民間企業などアフリカの開発にかかわるパートナーの裾野を広げる場となっています。

 現在、2003年9月末に開催予定であるTICADIII(第3回アフリカ開発会議)を見据え、こうしたTICADの特徴を十分にいかし、TICADプロセスの意義を更に深めるアフリカ開発を推進するための取組が進められています。



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