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(5)日・シンガポール新時代経済連携協定


 アジア太平洋地域における重層的な地域協力の推進に向けた取組に加え、二国間での貿易・投資の自由化・円滑化の進展や経済連携の強化に向けて、2001年1月から、シンガポールとの間で新時代経済連携協定の締結交渉が開始された。1月から10月にかけて4度にわたり政府間協議の本交渉が実施されるなど、シンガポールとの間で精力的な交渉が行われた結果、10月の第4回本交渉において交渉が成功裡に終了し、2002年1月に小泉総理大臣がシンガポールを訪問した際に、「新たな時代における経済上の連携に関する日本国とシンガポール共和国との間の協定」が両国首脳間で署名された。
 この協定は、二国間での貿易・投資の自由化・円滑化のみならず、金融、情報通信技術、科学技術、人材養成、貿易投資促進、中小企業、放送、観光といった幅広い分野での経済連携の強化に向けた協力を含む新しい時代にふさわしい内容となっている。また、この協定は、日本にとって最初の地域貿易協定であるとともに、アジアにおいても最初の経済連携協定であることから、シンガポールとの関係のみならず、日本とアジア諸国等との経済関係を強化する方途の一例となるものと言える。
 今後、この協定により、日本・シンガポール両国の経済関係が一層緊密化するとともに、両国の経済が更に活性化され、両国の経済構造改革に刺激が与えられることが期待される。

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