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JETプログラムでの経験


 JETプログラムは15年間の歴史の中で、日本を国際交流の豊かな国にしてきました。私が参加した3年間でも、生徒の英語能力、外国人との交流の面で町がいろいろと変わってきました。でも、その効果は私がいた町だけではなく、日本全国にわたり、都会から地方まで豊かな成果を上げています。
 ほとんどのJET参加者は外国語指導助手という仕事をしています。中学生、高校生の英会話能力を向上させるため、日本中のほとんどの学校に英語指導助手が訪問しています。授業では外国人の発音を聞きながら外国語の勉強ができるようになりました。また、授業以外の時間も大切です。生徒たちは自分が習った英語を使ってコミュニケーションをとるようになり、徐々に英語に対する態度が変わってきています。生徒たちは実際上手に英語を使っています。やる気を出して、楽しく勉強をしています。JETプログラムによって町内留学ができる時代になりました。
 JETプログラムの影響は学校だけではなく、一般生活にまで及んでいます。私は当時、国際交流イベントや私の国に関する研修会、英会話教室などを行っていました。外国のことを教えたり、自分の経験したことを話して、町内の人々は今まで知りえなかったいろいろな事を知るようになりました。さらに、JETプログラムのすばらしい点は、私の前任者が違う国から来ており、また経験も違うことから、町の人々はいろいろな事を聞けました。JETプログラムによって、ほとんどの町にJET参加者がいます。JETは世界一の国際交流プログラムだと思います。東京から地方に至るまで、日本人全員が外国人と話す機会があり、日常生活の中で交流ができます。外国人が同じ町に住んで、同じスーパーで買い物をして、同じレストランで食事をすることによって、外国人を同じ人間として見るようになってきます。言葉、文化の違いがあっても、共通の部分が見えてきたら、本当の草の根の交流ができると思います。
 JET青年が母国に帰国しても引き続き交流は続いています。世界中のJET経験者により作られている同窓会組織JETAAのメンバーの数は、もうじき約1万5000人になります。彼らは、母国にいても日本との繋がりを続けています。日本での経験を友達、家族、知り合いに語っています。そして、ほとんどの青年は帰国しても日本と関係があることをしています。日本に関わる仕事、勉強、イベント参加など日本での経験はその後の私たちの生活に強い影響を与えています。オリンピックやワールドカップの時などは、その1万5000人は、第二母国である日本を応援することでしょう。

執筆:JETAA(同窓会組織)西日本支部代表
クリストファー・アンセス


クリストファー・アンセス氏と教え子たち


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