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軍縮・不拡散


米国の原子力事情(9月分米国紙とりまとめ)

平成13年10月

  1. 疑問視される米露核不拡散計画
     冷戦後の90年代初頭、ロシアから核兵器と核物質の拡散や原子力科学者の国外流失を阻止するための米露の核不拡散計画が開始された。米露に50億ドル以上の負担を与えているこの計画の結果、ロシアの科学者や技術者が民生部門での雇用機会を提供されたり、核兵器級の高濃縮ウランが原子炉用燃料に転換されるなど、幾つかの計画は成功した。しかし連邦政府筋によると、米露の30ほどの核不拡散計画は、両国間における信頼の損失や協力の不備のために失敗してしまったと言うことである。
     その背景には、昨年プーチン大統領が政権に就き、治安活動が再び活発化されたため、原子力事業所への出入りがさらに厳重になったことや、現在のロシアが右計画を実行することにより得られる資金を差し迫って必要としていないという事情がある。一方の米国ブッシュ現政権には、クリントン政権によって提案されたこの計画の効果を疑問視する声があり、この計画のための予算は100万ドル削減されている。
     しかし、現在のロシアは、依然として兵器級プルトニウムの製造を続けている原子炉やウラン濃縮施設の大きなネットワークを有している。前ロスアラモス国立研究所長ヘッカー氏は、米露の核不拡散計画はほぼ行き詰まりの状態に至っており、その推進のために必要なことは、一貫性があり、包括的で統合された戦略であると述べている。
    (9月11日付ワシントン・ポスト)

  2. 原子力発電所の安全性
     9月11日に発生した航空機による同時多発テロ事件の後、米国にある103の原子力発電所の安全性をレビューしていると、原子力事業者と連邦政府当局者が述べた。この発言の背景には、テロリストが原子炉容器を破壊し、大量の放射能漏れを引き起こす炉心溶融が発生した場合の原子力発電所の脆弱性や一般市民への脅威といったものがある。
     このような状況下、原子力規制委員会(NRC)は、原子力発電所に対する少人数による襲撃を想定した訓練を行うが、NRCの委員長であるメザーブ氏は、この訓練によって改善されるべき問題点が明らかになると同時に、原子力発電所が、襲撃しやすい攻撃目標と考えることは誤りであると分かるだろうと述べた。
     しかし、民間団体・核管理研究所長であるポール・レーベンソール氏は、原子炉技師が自ら原子力発電所の警護のためにより多くの責任を負うことになる、試験的なこの計画を中止するようにNRCに要望した。これに対し、メザーブは、全ての計画が再評価される必要あり、右計画もまた検討中であると述べた由。
    (9月26日付ワシントン・ポスト)


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