(1) |
核テロ防止対策
尾身大臣は、一般演説に加え、二国間会談においても核テロ防止に係る日本の基本的立場並びに取り組み状況を明らかにした。総会においては、加盟国に対し核セキュリティの強化と核テロの防止に向けた支援の継続及び核テロ基金への政治的・財政的支援を要請する決議がコンセンサスで採択された。
|
(2) |
保障措置強化
2001年同様、エジプト等アラブ諸国とイスラエル、インド、パキスタン等NPT非加盟国との対立のため決議採択協議は難航したが、最終的には、決議はコンセンサスで採択された。また、日本が行ってきた包括的保障措置の強化及び追加議定書の普遍化への一連の財政的・人的貢献が評価され、2002年12月に予定される東京国際会議への期待が決議で言及された。
|
(3) |
放射性物質輸送問題
日本は輸送実施国として、英、仏等と協力し、非公式協議に当たった結果、最終的には輸送実施国及び沿岸国を含む45ヶ国が共同提案国となるバランスのとれた決議案が作成され、総会においてコンセンサスで採択された。
|
(4) |
北朝鮮による保障措置協定の履行
北朝鮮が保障措置協定を履行していない状況が続いていることに懸念を表明するとともに、最近の北東アジア地域における政治情勢の進展に留意し、北朝鮮が保障措置協定の完全かつ早急な履行に応じることを強く求める決議を採択。
|
(5) |
技術協力
日本の提唱により、2003年の技術協力基金目標額を決定するに当たり、被援助国による義務的経費未払いの解消を強く要請する旨の記述が関連決議に盛り込まれた。これは、従来見過ごされがちであった被援助国による義務の不履行という状態の是正、ひいてはIAEAの財政状況の改善に寄与するものとして特記される。
|