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軍縮・不拡散


行動計画に関するナショナル・レポート


1.国内法令の整備状況(第二章第2項、第3項)

 日本においては、小型武器を含めた銃の製造、保有、移転に関して厳しい法制度を有している。また、日本は、平和国家としての立場から、武器輸出を行っていない。なお、一般市民の銃保有は40万程度で、人口比も0.5%以下であり、銃器を用いた殺人事件は、年間50件程度である。その意味で、日本は、銃社会ではない。

(1) 法令

(イ) 銃砲刀剣類所持等取締法(Firearms and Swords Control Law)

概要:「銃砲刀剣類所持等取締法」(1958年/昭和33年3月10日制定。法律6号)は、銃砲、刀剣類について、原則としてその所持を禁止し、銃砲のうちけん銃、小銃、機関銃または砲については輸入も原則として禁止している。

条文解説:この法律において「銃砲」とは、「けん銃、小銃、機関銃、砲、猟銃その他金属性弾丸を発射する機能を有する装薬砲銃及び空気銃」(第2条1)をいう。また、第3条の4に反して輸入を行ったものは、3年以上の有期懲役、営利目的の場合には、無期もしくは5年以上の有期懲役又は無期もしくは5年以上の有期懲役および1000万円以下の罰金等に処せられる(第31条の2)。

(ロ) 武器等製造法(Ordnance Manufacturing Law)

概要:「武器等製造法」(1953年/昭和28年8月1日制定。法律145号)は公共の安全を確保するために、武器および猟銃等の製造、販売その他の取り扱いを規制する。武器の製造事業は許可制とされている。

条文解説:この法律において「武器」とは、「銃砲」、「銃砲弾」、「爆発物」、「爆発物を投下し、または発射する機械器具」、またそれらの部品である。製造に関しては、経済産業大臣の許可が必要で(第3、4条)、それに違反したものは、3年以上の有期懲役、営利目的の場合には無期もしくは5年以上の有期懲役又は無期もしくは5年以上の有期懲役及びおよび500万円以下の罰金等に処せられる(第31条)。

(ハ) 火薬類取締法(Explosives Control Law)

概要:「火薬類取締法」(1950年/昭和25年5月4日制定。法律149号)は、火薬類の製造、販売、貯蔵、運搬、消費その他の取扱いを規制することにより、火薬類による災害を防止し、公共の安全を確保することを目的とする。

条文解説:この法律において「火薬類」とは、「火薬」、「爆薬」および「火工品」をいう(第2条1)。製造に関しては、経済産業大臣の許可が必要で(第3、4条)、それに違反したものは、3年以下懲役又は100万円以下の罰金に処せられる(第58条)。

(ニ) 外国為替および外国貿易法(Foreign Exchange and Foreign Trade Law)

概要:「外国為替及び外国貿易法」(1949年/昭和24年12月1日制定。法律228号)は、対外取引に対し必要最小限の管理または調整を行うことにより、対外取引の正常な発展、国際収支均衡、通貨安定などを図ることを目的とする対外取引の基本法。

条文解説:日本の武器の輸出は、「外国為替および外国貿易法」(48条第1項)と「輸出貿易管理令」(1949年/昭和24年12月1日政令第378号)に基づき経済産業大臣の許可を要することになっている。それに違反し許可を得ないで輸出を行ったものは、5年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(ただし、当該違反行為の目的物の価格の5倍が200万円を越えるときは、罰金は当該価格目的物の5倍以下とされる)(第69条の6)。

(ホ) 関税定率法/関税法(Customs Tariff Law/Customs Law)

概要:「関税定率法」(1910年/明治43年4月15日制定。法律54号)は、「関税法」(1954年/昭和29年4月2日制定。法律61号)とともに日本の関税制度の基本となる法律。「関税法」は、関税の確定、納付、徴収などに関する実体および手続き規定、貨物の輸出入規制などを規定しているのに対して、「関税定率法」は、関税の税率などを規定。

条文解説:「関税定率法」では、「けん銃、小銃、機関銃及び砲ならびにこれらの銃砲弾並びにけん銃部品」を輸入してはならないと規定する(「関税定率法」第21条1の2)。それに違反し、禁制品を輸入した者は、5年以下の懲役若しくは3000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する(「関税法」第109条1)。

(ヘ) 自衛隊法/国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律

概要:自衛隊員や国際平和協力業務に従事する国際平和協力隊員は、法律によってその職務の遂行のために武器の保有が認められている。

条文解説:「自衛隊法」(1954年6月9日制定。法律165号)では、第87条で自衛隊の武器保有を認め、同様に「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律:国際平和協力法」(1992年6月19日制定。法律79号)では、第22条、23条において武器の保有を認めている。

(2) その他の措置 武器輸出三原則

(イ) 武器輸出三原則:前述のとおり、武器の輸出は「外国為替および外国貿易法」と「輸出貿易管理令」に基づき経済産業大臣の許可を要することになっている。これら法令の運用方針として1967年4月、佐藤内閣により表明されたのが、「武器輸出三原則」である。これは、(a)共産圏諸国、(b)国連決議により輸出禁止されている国、(c)国際紛争の当事国またはその恐れのある国、には武器輸出を認めないというものである(猟銃、スポーツ銃は武器に該当しない)。

(ロ) 武器輸出に関する政府統一見解:1976年2月にはこの「三原則」に関連して「武器輸出に関する政府統一見解」が三木内閣により示された。それによると、わが国は平和国家としての立場から国際紛争を助長することを回避するため、(a)「三原則」対象地域については、「武器」の輸出を認めない、(b)「三原則」対象地域以外の地域については、「憲法」および「外国為替および外国貿易法」の精神にのっとり、「武器」の輸出を慎むものとする、(c)武器製造関連設備の輸出については、「武器」に準じて取り扱う、としている。

(3) 銃器議定書(前文第20項)

銃器議定書の交渉過程に積極的に貢献するとともに、2002年12月に署名した。


2.調整機関とコンタクト・ポイント(第二章第4項、5項)

 コンタクト・ポイントは、外務省通常兵器室


3.刻印制度(第二章第7項、第8項)

 慣行上、原則として、製造時においては、製造業者、シリアル番号を示す刻印は行われている。他方、刻印された小型武器であっても原則として輸出は認められていない(外国為替および貿易法)。


4.記録保管とトレーシング(第二章第9項、第10項)

 国防上の小型武器および警察用の銃器は、記録保管されている。更に、許可により一般市民が保有している銃器に関しても、記録保管されている(猟銃、スポーツ銃は武器に該当しない)。従って、前述の刻印制度と組み合わせ、トレーシング制度に資するものとなっている。


5.輸出許可制度およびエンバーゴ遵守(第二章第11~13項および第15項)

 日本は、上記1.の法令および措置により、武器を輸出していない(猟銃、スポーツ銃は武器に該当しない)。また、国連のエンバーゴがかかっている地域への輸出は、外国貿易および為替法により、禁止されている。


6.ブローカリング(第二章第14項)

 外国為替法および貿易法により、違法なブローカリングは規制されている。武器の仲介貿易についても規制(第25条第1項の2)。許可を受けずに取引をした者に対しては、五年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金又は併科される。ただし、当該違反行為の目的物の価格の5倍が200万円を越えるときは、罰金は当該価格目的物の5倍以下とされる(第69条の6)。


7.小型武器の厳格な保管と廃棄(第二章第16~20項)

(1) 国防上必要な小型武器は、厳格な施錠の上、毎日、数、種類等を点検している。

(2) 警察官保有の銃に関しては、保管庫からの出し入れの際に、出し入れ簿に記載され、記録されることになっている。

(3) 銃の保有を許可された市民(猟銃、スポーツ銃)は、法律に基づき、年に1回警察に保管されている銃を持参し、銃の検査を受ける。また、銃の保管は、銃刀法および規則により、施錠が可能なgun lockerに保管されるべきとされている。なお、保管については、市民の武器については、県単位および国単位の2つのレベルにて記録が保持され(県単位は、書類、国単位は、データ)ている。


8.DDRプログラム(第二章第21項、22項、30項、34項、第三章第16項)

 小型武器被害国の支援の一環としてのDDR事業として、アフガニスタン(3500万ドル)、シエラ・レオーネ(246万ドル)において実施している。


9.法執行機関の地域協力・国際協力(第二章第27項、37項、第三章第7項、第9項)

(1) 日本は、犯罪捜査に関しては、各国の法執行/司法機関およびインターポール等の国際機関と情報交換等を通じて、協力体制を築いている。

(2) 日本警察の有する警察運営、交番制度、捜査手法、犯罪鑑識等の技術、ノウハウに対しては、世界各国から高い関心が寄せられているところであり、各国からこれらの分野での技術協力が求められている。日本は、これらの要望に応えるため、各種の分野においてセミナーを開催している。更に、技術協力にあたっては、相手国の担当者を日本に招いて指導するだけでなく、現地において協力することも重要であるとの観点から、アジアをはじめ中南米地域に専門家を派遣して、技術指導を行ってきている。


10.テロ防止関連条約への加入(第二章第38項)

 日本は、テロ防止関連条約(12条約)の全てに加盟している。

(1) 航空機内で行われた犯罪その他ある種の行為に関する条約(航空機内の犯罪防止条約(東京条約))

(2) 航空機の不法な奪取の防止に関する条約(航空機不法奪取防止条約(ヘーグ条約))

(3) 民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約(民間航空不法行為防止条約 (モントリオール条約))

(4) 国際的に保護される者(外交官を含む)に対する犯罪の防止及び処罰に関する条約(国家代表等犯罪防止処罰条約)

(5) 人質をとる行為に関する国際条約(人質行為防止条約)

(6) 核物質の防護に関する条約(核物質防護条約)

(7) 1971年9月23日にモントリオールで作成された民間航空の安全に対する不法な行為の防止に関する条約を補足する国際民間航空に使用される空港における不法な暴力行為の防止に関する議定書(空港不法行為防止議定書)

(8) 海洋航行の安全に対する不法な行為の防止に関する条約(海洋航行不法行為防止条約)

(9) 大陸棚に所在する固定プラットフォームの安全に対する不法な行為の防止に関する議定書(大陸棚プラットフォーム不法行為防止議定書)

(10) 可塑性爆薬の探知のための識別措置に関する条約(プラスチック爆弾探知条約)

(11) テロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約(爆弾テロ防止条約)

(12) テロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約(テロ資金供与防止条約)


11.「行動計画」実施のための国際協力(第三章第3項)

(1) 日本は、「行動計画」採択のための国際会議開催に初期の段階から尽力してきたが、行動計画採択後も引き続き、積極的に取り組んできている。具体的には、2002年1月には、東京において、「東京フォローアップ会合」、2003年1月には、東京において「太平洋諸国小型武器セミナー」、2003年2月には、国連軍縮局、インドネシア政府と協力して「インドネシア小型武器セミナー」を開催した。

(2) 国連軍縮局と協力して、スリランカおよびブーゲンビルに調査ミッションを派遣するとともに、スリランカにおいては、同国のコンタクト・ポイントの設置のための支援を行った。また、国連軍縮局や国連軍縮研究所の活動を支援し、小型武器関連事業を実施している(約335万ドル)。

(3) カンボディアにおいては、地域開発を対価とした小型武器回収、公開による武器破壊式典、武器登録制への支援、市民への啓蒙活動を柱とした小型武器回収プロジェクトを実施している(約368万ドル)。


12.キャパシティー・ビルディング(第三章第6項)

 前述の通り、日本は、キャパシティー・ビルディングに関する要請に応えてきており、具体的には、上記8.のDDR事業や上記9.(2)の警察関連の技術協力および上記11.(2)、(3)小型武器関連プロジェクトを通じて、小型武器被害国におけるキャパシティー・ビルディングを支援している。


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