対人地雷禁止条約(オタワ条約)第3回締約国会議
(概要と評価)
平成13年9月
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1.締約国会議の概要
(1)開催日時・場所等
9月18日~21日、マナグア(ニカラグアの首都)において開催され、71の締約国及び22のオブザーバーが出席した。ニカラグア等の中米諸国からは外相等が出席したが、多くの国はジュネーブ駐在の外交団等による対応であった。また、米国のテロ事件の影響で出席を取り止めた国もあった。なお、日本からは、黒河内久美外務省参与(元軍縮会議日本代表部大使)が代表団長として出席した。
(注:締約国会議は、地雷被害国とジュネーブで交互に開催される慣例となっている。前々回の第1回は、モザンビークの首都マプトにて開催。)
(2)議論の概要
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(イ)開会セレモニー、一般討論演説に続いて、「条約の対象とする地雷の種類拡大の是非」、「締約国が保有している地雷の廃棄」、「埋設されている地雷の除去」、「地雷犠牲者への支援」等に関する協議が行われた。
(ロ)日本は、一般討論演説において、未締約国に対して条約への参加を働きかける努力を強化することを表明した。また、日本は今次会議の副議長を、地雷犠牲者への支援等に関するセッションでは共同議長を務めた。
(ハ)最終日には、対人地雷問題解決のための主要な論点を網羅した「マナグア宣言」が採択された。
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2.評価
(1)ホスト国ニカラグアをはじめとする中米諸国、特に深刻な地雷埋設国である国々の関心が高く、対人地雷問題に対する熱意が伝わってくると共に、会議全体として盛り上がりが感じられた。
(2)「マナグア宣言」の採択により、対人地雷問題解決に向けた締約国の強い政治的意思が改めて確認された。
(3)日本の各種支援に対して各方面から謝意が表明され、日本の貢献は正当な評価を得ていると言える。
(4)「締約国が保有している地雷の廃棄」、「埋設されている地雷の除去」、「地雷犠牲者への支援策」等について活発な議論が行われたが、多くの案件は継続協議となった。日本としては、引き続きこうした議論に積極的に参画していく必要がある。
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(参考)ニカラグア政府主催「貯蔵地雷爆破セレモニー」
締約国会議開会前日にニカラグア政府主催のセレモニーが行われ、日本を含む支援国等に対して感謝盾が授与された。また、日本ODAの「見返り資金」で同国が調達した日本製の地雷除去機材のデモンストレーションも行われた。これらは現地メディアにも大きく取り上げられ、日本の貢献を十分に印象付けた。
(注:見返り資金とは、日本食糧援助、食糧増産援助及びノンプロジェクト無償資金協力において被援助国政府に義務付けられた積立金制度。被援助国政府が日本の援助資金(外貨)及びその利子を利用して調達した物資の相当額(FOB価格)を現地通貨建て銀行口座に積み立てたもの。被援助国はその使途について日本と協議の上、経済・社会開発に資する事業や物資の調達等に使用する。)
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