第8回日米軍備管理・
軍縮・不拡散・検証委員会(概要)
平成16年7月27日
1.概要
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7月23日午前10時から約2時間半にわたって第8回日米軍備管理・軍縮・不拡散・検証委員会を開催した。米国側からはボルトン米軍備管理・国際安全保障担当国務次官他が、日本側からは天野軍科審他が出席した。本協議は、軍縮・不拡散に関する国際的枠組みについて日米間で政策協議を行うために定期的に行われているものである。前回の同協議は2004年2月18日に開催された。
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今回の日米委は、6月に行われたシーアイランド・サミット後の初めての開催となるため、シーアイランド・サミットで提起された課題のフォローアップや軍縮・不拡散に関する地域情勢を中心に協議が行われた。
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2.不拡散に関するG8行動計画
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当方からは、先般のシーアイランド・サミットで採択された「不拡散に関するG8行動計画」は、国際的な不拡散体制に資するものと評価している、また、濃縮・再処理の制限や拡散に対する安全保障構想(PSI)の強化、2005年NPT運用検討会議の成功に向けた取り組み、北朝鮮やイラン等の問題の対処を重視しており、これらについて今後とも日米間で緊密な協力を行っていきたいとの考えを先方に伝えた。
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シーアイランド・サミットのフォローアップとしては、IAEA追加議定書の普遍化、濃縮・再処理の制限、IAEAの強化の3点につき協議した。
IAEA追加議定書の普遍化については、当方からは、更なる努力が重要であるとの考えを述べた。他の2点については、9月のIAEA理事会や原子力供給国グループ(NSG)の場において、日米間で緊密に協力しつつ、専門家の間で意見交換を継続することにつき双方一致した。
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3.北朝鮮
北朝鮮に関しては、核問題解決に向けて日米間で協力するとともに、特に検証の問題が重要であり、今後も専門家レベルでの協議を継続していくことで双方一致した。先方は、リビアが戦略的決定を行い、大量破壊兵器計画の廃棄を決定したことを評価している、現在の北朝鮮がリビアと近い状況にあるとは思わないが、リビアのケースをモデルとして、国際社会が一致して北朝鮮に働きかけることが重要である旨述べた。
4.イラン
イランに関しては、IAEA理事会決議で認められた全ての要求事項をイランが遵守するよう、日米が引き続き協力していくとの認識で一致した。
5.2005年NPT運用検討会議へのプロセス
当方からは包括的核実験禁止条約(CTBT)早期発効、核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の早期交渉開始、IAEA追加議定書の普遍化を重視していることを伝えた。これに対し先方からは、現在NPT体制は困難な状況にあるが、日米双方が協力することが重要との意見が表明され、双方一致した。
6.その他
当方からは、CTBTやいわゆる小型核研究再開に関する我が国の従来の考えを伝えるとともに、対人地雷禁止条約(オタワ条約)への米の加入を求めた。
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