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ハバード大統領経済諮問委員会委員長の議会証言
【2月5日 米上下両院合同経済委員会】

平成14年2月6日

 5日、ハバード大統領経済諮問委員会委員長は、2002年大統領経済報告の発表に合わせて米上下両院合同経済委員会において議会証言を行ったところ、概要は以下のとおり。

【ハバード委員長の証言要旨】

1.景気の現状

米国経済の成長が緩やかとなる中、2001年となったが、年間を通じて米国経済は減速し続けた。2000年第2四半期にGDPが年率5.7%を記録した後、2000年後半から景気は減速し始め、2001年を通じて景気は弱かった。いくつかの部門では完全な減速に陥った。例えば、工業生産は2000年6月にピークに達し、その後長期にわたって低迷した。全米経済研究所(NBER)は、米国経済が2001年3月から10年ぶりに景気後退入りしたと公表したが、9月11日の米同時多発テロ事件は、米国経済に対してさらなる打撃を与えた。

政府は、実質GDP成長率が2002年の早期に回復することを期待している。初期における回復のペースはゆっくりしたものとなるが、その後好転し、2002年の実質GDP成長率は、4つの四半期を通じて2.7%(第4四半期前年同期比)になると期待される。失業率は現在5.6%(2002年1月)であるが、2002年半ばにかけて6.0%近くまで上昇する見通しである。

2001年を通じた需要の減少は、在庫投資、企業の設備投資と輸出に集中していた。このような下方圧力による在庫の減少は、2002年第1四半期に在庫整理から在庫蓄積へに向けて、近いうちに急速に反転すると予測されている。従って、景気回復の初期の源泉は、在庫循環における在庫蓄積局面である。企業の設備投資と輸出の回復には時間がかかりそうである。民間設備投資は2001年に急落し、依然として下方圧力は残っている。しかしながら、引き続き設備投資を行いやすい金融情勢である。短期の実質金利は比較的低く、コンピューターの価格は下落しており、株価は2001年第4四半期にかけて上昇している。おそらくこれらの要因により、2001年第4四半期の非防衛資本財に対する新規の注文は増加しており、これは企業の設備投資の見通しに対する有望な兆候である。

2001年第4四半期、個人消費支出の大部分は自動車購入に支えられ、かなり急速(5.4%)に伸びた。自動車購入の急増は、ゼロ金利ローン等の特殊な金融情勢によるものであるかもしれないが、2001年第4四半期における家計消費の全体的な力強さは、2001年成立した減税による強い効果を示している。2002年における消費支出は、2001年第4四半期の急速なペースに比べれば減速するものの、堅調に推移する見通しである。しかしながら、テロに対する戦いによる影響のひとつは、国土防衛と安全保障に対する支出を増強しなければならないことである。例えば、2001年第4四半期に政府支出が9.0%まで上昇したように、テロ戦争のための消費支出は、短期的には需要を刺激する効果がある。しかし、一般的に政府支出の急速な増加は、経済成長に対する確固たる処方箋ではない。実際、財政規律の歪みは持続的成長に対する脅威である。テロの脅威を注意喚起することは実際必要であるが、財政規律を歪めることに対しては慎重でなければならず、支出の優先順位を見直すことに専心し、政府支出の拡大をコントロールすべきである。

インフレは抑制され、物価は安定する見通しである。GDPデフレーターによると、2001年の物価上昇率は約2.2%と安定していた。政府の見通しによると、2002年の物価上昇率は1.9%に下落する。現在、失業率は政府がインフレと整合的であると考えている水準よりも高く、産業部門における資本の利用度は過去の平均よりも著しく低い水準である。


2.短期的な景気回復に対するリスク

政府の経済見通しは、ブルーチップのような民間アナリストの見通しと同じである。しかし、足下の経済見通しがリスクにさらされていることを認識する必要がある。第一に、経済見通しに対する下振れリスクは、資本支出の回復が遅れていることである。特に、一部のエコノミストは企業の設備投資を妨げている「過剰設備」の可能性を強調している。経済における設備の総量が、企業が生産に必要としている設備の総量を上回ったときに過剰設備は発生する。過剰設備の発生は、企業の経営戦略と政府の経済政策を複雑化させる。企業は、しばしば設備投資計画の変更を余儀なくされ、ときには急速に設備投資を削減する。過剰設備の増大は、特に製造業において、経済活動が低迷している時期に景気回復を持続的なものとするであろう投資促進を意図した減税政策の刺激効果を減殺する。

2001年を通じた資本蓄積の著しい減速と統計よりも過剰投資の状態が長引いているという可能性は、経済見通しに対するリスクを示している。このことは、ブッシュ大統領が提案している景気刺激を目的とした減税案の重要性を強調している。一部の支出条項は、企業の設備投資を促進して短期的には経済活動を刺激し、長期的には力強い成長のための基礎を築くであろう。


3.長期的な経済見通し

米国経済の減速は、2000年に始まり、2001年及び2002年も続いているが、依然として経済見通しが非常に楽観的であるという事実に変わりはない。2012年までの11年間における実質GDP成長率の政府見通しは、平均で3.1%である。人口、労働力、生産性上昇や労働時間といった供給サイドを構成する要素の成長率によって、主として長期的な経済成長率は決定される。2012年までの11年間における労働生産性の成長率は、平均で2.1%である(従って、労働増加率は1.0%)。


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