外務省 English リンクページ よくある質問集 検索 サイトマップ
外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
トップページ 各国・地域情勢 アフリカ
アフリカ
世界地図
アジア 北米 中南米 欧州(NIS諸国を含む) 大洋州 中東 アフリカ


第3回アフリカ開発会議(TICAD III)(意義と目的)


平成15年4月


1.TICADプロセス:その意義

 アフリカ開発会議(Tokyo International Conference on African Development:TICAD)は1993年の第一回会合(TICAD・)開催以来、今年で10周年を迎える。TICADは、アフリカ開発の推進に向けた我が国独自のイニシアティブであり、アフリカ諸国、G8諸国、OECD/DAC諸国、アジア諸国、国際機関、地域機関、民間セクター、NGOをはじめとする市民社会といった多様な開発主体を巻き込み、アフリカ諸国のみならず広く国際社会に認知・評価されている包括的な枠組みである。

(国際社会の関心喚起)
 TICADプロセスは国際社会におけるアフリカ開発への関心喚起に大きな役割を果たした。アフリカ開発への関心が低下した冷戦直後に開催されたTICAD I は、我が国による時宜を得たイニシアティブとしてアフリカ諸国をはじめとする国際社会に広く歓迎され、アフリカ開発への関心を高める契機となった。TICAD II やTICAD閣僚レベル会合の開催を通じ、90年代後半以降のアフリカ開発推進に向けた国際的気運の高まりにも、TICADプロセスは大きく貢献してきている。

(アフリカ開発哲学の確立)

 TICADプロセスはアフリカ開発におけるアフリカ諸国のオーナーシップの重要性と国際社会によるパートナーシップの重要性を提唱してきた。この開発哲学は国際社会に共有されアフリカ諸国にも浸透し、アフリカ自身の手になる初の包括的な開発計画である「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」を産み出す思想的基盤となった。

TICADプロセス (アジア・アフリカ協力の推進)
 TICADプロセスは、アフリカ開発の推進にむけて開発パートナーを動員し、アフリカ諸国に開発上の選択肢を提示する触媒としての機能を果たしている。特に、80年代以降の急速な経済発展により広い関心を集めたアジア諸国の開発経験をアフリカ諸国に移転するべく、アジア・アフリカ協力を多面的に推進する枠組みとして働いてきている。

 この10年間、TICADプロセスはアフリカ開発の推進に向けて重要な役割を果たし、アフリカ諸国をはじめとする国際社会より高く評価されてきた。こうした経緯を踏まえ、アフリカ開発推進への国際的気運が高まりを見せる中、我が国は本年9月末にTICAD III を開催する。


2.TICAD III:その目的

TICAD III (アフリカ開発の理念と方向性を提示)
 90年代後半以降、G8プロセスや国連プロセス等において、アフリカ開発問題が中心的な議題として取り上げられ、国際社会のアフリカ支援に向けた気運はかつてなく高まっている。また、2001年に「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」が成立、2002年にはアフリカ連合(AU)が発足するなど、開発の推進に向けたアフリカ側のオーナーシップが発揮されつつある。
 TICAD III は、こうした好ましい国際環境を捉え、これまで様々な機会に行われてきたアフリカ開発の議論を総括し、アフリカ開発に向けた国際社会のコミットメントを確認するとともに、アフリカ開発のための理念と具体的な方向性を提示することを目指す。

(NEPADへの具体的支援を結集)
 TICAD III は、アフリカのオーナーシップの発露であるNEPADが、国際社会の支持を受けてアフリカ自身の手により具体化が図られつつある機を捉えて開催される。NEPADはTICADとその理念を-にするアフリカ自身の開発イニシアティブであり、TICAD III においては、国際社会の支援を結集しTICADプロセスを通じてNEPADをいかに具体化していくかにつき幅広い議論を行う。

(パートナーシップを拡大)
 様々な課題を抱えるアフリカ開発の推進には、幅広い開発主体を巻き込み、各々が有する多様な開発経験を活用することが望ましい。TICAD III では、OECD/DAC加盟国といった主要ドナー国や国連、世界銀行といった主要国際機関のみならず、TICADプロセスが推進してきたアジア・アフリカ協力に基づくアジア諸国の参画やアフリカ域内諸国の協力、更にはNGOをはじめとする市民社会や民間セクターの積極的な参画を得ることにより、アフリカ開発の推進に向けた国際社会のパートナーシップの拡大を図る。

(TICADプロセスの将来像を議論)
 10周年を迎えるTICADプロセスがアフリカの開発に果たした政治上・開発上の役割をTICAD II の「東京行動計画」等の評価を通じて検証するとともに、アフリカ開発のより一層の推進に向けたTICADプロセスの将来像につき議論を行い、TICAD III 以降のアフリカ開発の推進に向けた方途を探る。


3.開発上の重点分野

 TICAD III では、昨今のアフリカ開発に関する国際場裡の議論を踏まえつつ、個別の重点分野・アプローチにおける優先課題を特定した行動志向的な具体的議論を、主として次のような分野で行う予定である。

<人間中心の開発> HIV/AIDSと感染症、水、人的資源開発、ICT
<経済成長を通じた貧困削減> 農業開発、民間セクター開発、インフラストラクチャー
<開発の基盤> 平和の定着、ガバナンス
<開発アプローチ> アジア・アフリカ協力、アフリカ域内協力・地域協力

TICAD III
4.期待される成果

(1) アフリカ開発への政治的なコミットメントの表明:TICADプロセスの10年間を振り返り、多様な開発主体を含めた国際社会全体としてオーナーシップとパートナーシップの開発哲学に立脚したアフリカ開発へのコミットメントを改めて確認する。また、アフリカ開発推進のフレームワークの一つとしてこれからのTICADプロセスのビジョンを提示する。

(2) 開発推進に向けた具体的政策・方向性の提示:昨今のアフリカ開発における議論を踏まえつつ、アフリカ開発の重点分野においてTICADプロセスとして推進していくべき具体的政策・方向性を提示する。

(3) TICADプロセスを通じたNEPADへの支援:アフリカの開発はアフリカ自身のオーナーシップを尊重して推進されなければならないという原則に基づき、NEPAD支援へのコミットメントを打ち出すとともに、TICADプロセスを通じたNEPAD支援の具体的ありかたをうちだす。

(4) アフリカ開発のパートナー拡大:アフリカ開発の直面するニーズの多様化を踏まえて、伝統的なドナーに加えて、アジア諸国、アフリカ域内諸国及びその他の途上国による南南協力の推進といった開発資源の一層の動員を図るとともに、近年開発における重要性が増大している市民社会及び民間セクターの役割を積極的に提示する。



目次


外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
外務省