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- 1999年12月8日、日本の小渕恵三前首相とシンガポールのゴー・チョクトン首相とは、日本とシンガポールとの間のあり得べき自由貿易協定に関する諸方策を検討する共同研究を行うことに決定した。
- それを受けて、日本・シンガポール両国の政府関係者、著名な学者及び産業界の指導者で構成される25名の日本・シンガポール自由貿易協定(「日・シンガポール自由貿易協定」)共同検討会合が結成された。共同検討会合に付託された事項は、以下のとおりである。
a.共同検討会合は、日本とシンガポールの間のあり得べき自由貿易協定に関する諸方策を検討する。
b.共同検討会合は、以下の問題を検討する。
- 自由貿易協定が対象とする範囲その他全体の構成。共同検討会合は、自由貿易協定の対象範囲についての議論において、「新時代」の自由貿易協定を創設するとの観点から、物品及びサービスの貿易の自由化並びに投資の自由化という伝統的な分野に加え、その他の分野における二国間協力についても検討する。
- 自由貿易協定を世界貿易機関(WTO)のルールに整合的なものとするための要件。
- 農林水産といった分野のセンシティブな品目を除外する可能性を含め、センシティブな分野及び他の困難を考慮に入れる上で、双方の国に求められる柔軟性。
- 日本とシンガポールの双方が自由貿易協定の創設から得られる戦略上及び経済上の利益。
c.共同検討会合は、シンガポールと日本とで交互に会合を開く。開催国は、会議の事務局上の支援を行う。会合と会合の間においても、共同検討会合は、通信手段を用いて継続して検討を進展させる。
d.共同検討会合は、第1回会合から6ヶ月以内に作業を完了する。共同検討会合は、検討を終了した時点で両国の首相に共同報告書を提出する。共同報告書には、両国が自由貿易協定の交渉に進むべきか否かに関する提言を含める。
e.また、共同検討会合は、検討の結果に関し、対外的に共同声明を発出する。
- 共同検討会合は、2000年3月から9月まで、5回の会合を開催した。各会合は、暖かく、かつ、友好的雰囲気の中で行われた。議論は率直で、識見に富み、かつ、建設的に進められ、双方の経済面での諸施策や慣行についての相互理解に大きく貢献した。更に重要なことは、両国が現在の経済的連携や経済統合を深める相互に有益な新しい方策を模索するための場を提供した。
共同検討会合の参加者
日本 シンガポール 政府関係者 共同議長兼総合調整
宮川 眞喜雄
外務省経済局開発途上地域課長共同議長兼総合調整
ウン・ラン(2000年3月から6月)
外務省第3局長
スデシュ・マニアール
外務省経済局次長共同議長
梅原 克彦
通商産業省通商政策局経済協力部
地域協力課長共同議長
パン・キンキョン
貿易産業省貿易局長共同議長
御厨 邦雄
大蔵省関税局国際調査課長シー・シューポー
(2000年3月から6月)
通貨監督庁国際局長
ラム・サン・リン
通貨監督庁国際局長高橋 徹
農林水産省経済局国際部
貿易関税課長ウン・ビーキム
貿易開発庁貿易政策局長波多野 肇
(2000年3月から7月)
運輸省国際企画課長
園田 良一
運輸省運輸政策局国際企画課長タン・タックウェン
通信情報技術省海運航空局長山田 俊之
(2000年3月から7月)
郵政省大臣官房国際部
国際協力課長
田中 謙治
郵政省大臣官房国際部
国際協力課長バレリー・ドゥコスタ
情報通信開発庁国際局長宮崎 修二
経済企画庁調整局経済協力第二課長アンナ・チャン
経済開発委員会企画局長河野 正道
金融庁長官官房総務企画部国際課長学界 伊藤 元重
東京大学経済学部教授タン・コンヤム
シンガポール国立大学教授浦田 秀次郎
早稲田大学社会科学部教授サイモン・テー
シンガポール国際問題研究所長小川 英治
一橋大学商学部教授リンダ・ロー
シンガポール国立大学助教授産業界 篠原 興
預金保険機構理事アーネスト・ウォン
シンガポール銀行協会会長長谷川 康司
トヨタ自動車株式会社常務取締役リム・ホウテック
ネプチューン・オリエント・ライン副社長
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