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近年の日露間のハイレベル政治対話


・ 鈴木宗男総理特使とプーチン次期大統領との会談

・ 小渕総理よりプーチン新大統領宛親書の骨子




鈴木宗男総理特使とプーチン次期大統領との会談

平成12年4月4日

 4月4日、鈴木総理特使は、クレムリンにて約1時間にわたりプーチン次期大統領と会談するとともに、小渕総理の親書(骨子)を手交した。概要次のとおり。

1.冒頭発言

(1)プーチン次期大統領より、小渕総理に対する真摯なるお見舞いの念の表明と、早期の回復を心より祈念する旨の表明があった。

(2)鈴木特使よりは、小渕総理のプーチン次期大統領宛親書には、日露関係を動かしたいという小渕総理の気持ちが溢れていることを伝達した。

2.今後の首脳間対話

(1)プーチン次期大統領より、プーチン次期大統領が招待する形で、4月28日から30日の間、モスクワ以外の地方都市で非公式首脳会談を行いたいという話があった。これに対し、鈴木特使は原則的に同意し、細かい段取りについては外交ルートを通じて今後調整することとなった。

(2)また、鈴木特使より、非公式首脳会談では、サミットでの協力についての意見交換、及び21世紀に向けた日露協力の在り方の2つが主要な課題になる旨指摘があった。

(3)プーチン次期大統領より、九州・沖縄サミットの後、日本側が受け入れ可能であれば公式に日本を訪問したい、具体的にはサミット終了後そのまま東京に残って会談をしてもよいし、秋までに再来日してもよいとの発言があった。いずれの時期に実施するかについては、今後外交ルートを通じて調整していくことで一致した。

3.日露関係

(1)鈴木特使より、新内閣における対露外交の継続性は完全に確認されると考えられると述べたのに対し、プーチン時期大統領はこれを高く評価した。

(2)平和条約交渉については、鈴木特使より、日露間では平和条約の問題を除いてはほとんど問題はないことを指摘しつつ、東京宣言に基づき今後も鋭意交渉を進めていくことが日露の了解をなっているとの趣旨を、プーチン次期大統領から小渕総理に宛てられた親書に言及しつつ述べたのに対し、プーチン次期大統領も基本的にこれに賛成する様子であった。




小渕総理よりプーチン新大統領宛親書の骨子


●改めて大統領選挙における勝利をお祝い申し上げる。貴方の指導の下、強く、安定し、豊かで偉大な国としてロシアが一層の発展を遂げられることを心から期待し、貴大統領の登場により日露関係が疑いなく新しく大きな歴史の一頁を開くこととなることを確信する。
 私のこのような思いを直接貴大統領にお伝えすべく、今回、私の最も信頼する同僚議員の一人である鈴木宗男議員がモスクワを訪問する。

●私としては、貴大統領の早期の訪日をお待ちしているが、いずれにせよ、貴方と私との間で「胸襟を開いて、場合によってはネクタイ無しで」最も早い機会に懇談することが、あらゆる意味で有益であり、必要であると考えている。

●首脳会談で話し合われるべき大きな議題として先ず、九州・沖縄サミットの問題がある。東京では、21世紀に全ての人々が一層の繁栄を享受し、心の安寧を得、より安定した世界に生きられるよう明るく力強いメッセージを出すにはどうしたらよいか激しい議論が進められている。サミットへの準備を進めるにあたって日露はいかなる協力を進めるべきかについて、貴大統領との実り豊かな意見交換が心待たれる。

●首脳会談で話し合われるべきもう一つの大きな議題は、日露両国関係の問題、二十一世紀冒頭の歴史を切り開いていくにあたって日露両国が描くべき大きな連携と協力の絵姿はどのようなものなのかと言う問題である。この問題について先ず、私は「これまでに達成された諸合意を尊重しつつ、ロシアと日本国との間の創造的パートナーシップを構築するとの方針を継承していく」という、イワノフ外相来日の際貴大統領より頂いた書簡の中で述べられた貴方の言葉に完全に賛成する。

●実際、両国間の協力の分野とその深さは、近年計り知れないものになりつつある。貴方の新しい指導の下でロシアの政策が大きく展開する中で、経済をはじめとする様々な分野で日露間の協力の地平をまた大きく広げたい。最近の日露の防衛交流の進展にも目を見張るものがある。

●平和条約締結問題については、これまでに両国首脳間で達成された諸合意に基づき、今後貴大統領との間で行われるであろう一連の首脳会談において真剣な話し合いを行っていきたいと考えている。

●一月に電話でお話した最後に柔道に話しが及んだ際、貴方が「日本の文化や哲学に親しんだものとして日本を愛さずにはおられない」と言われたことを何回も思い起こしている。なんと深い感動を誘う言葉だろうか。このような精神の深さから、どのような困難をも克服し、未来に向かって真の創造力を展開する力が生まれてくると思う。二国間の相互理解、相互信頼及び相互協力は、こういう精神の深さから生まれてくるのではなかろうか。



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