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日本海呼称問題
(大英図書館及びケンブリッジ大学所蔵の地図に関する調査)
概要


平成15年9月

1.外務省は、昨年10月から本年6月にかけて、大英図書館及びケンブリッジ大学が所蔵する古地図のうち、1801年から1861年の間にヨーロッパで発行された地図において、日本海域の名称が如何に記載されているかについて実地調査を行った。これは、「『日本海』という名称は18世紀末から19世紀初頭にかけてヨーロッパの地図において定着してきた」という我が国の主張を確認するためのものであった。

2.この調査の背景には、韓国側が「『日本海』の名称が支配的になったのは20世紀前半の日本の帝国主義、植民地主義の結果である」と主張していることがある。韓国側は、その根拠として独自に行った大英図書館及びケンブリッジ大学所蔵古地図調査をあげており、その調査によれば、1801年から1861年の間に発行された地図については、大英図書館には日本海周辺を含むものが1枚も所蔵されておらず(注1)、また、ケンブリッジ大学には、6枚のみ(うち5枚が「朝鮮海」、1枚が「日本海」)である(注2)こととなっていた。

注1 Lee Ki-suk, Kim Shin, Soh Jung-chul, "East Sea in World Maps", The Society for East Sea, (Seoul:2002)pp.95-112
注2 ibid.pp.113-126


3.しかし、我が方が今回実施した両図書館に対する調査の結果、韓国側の調査は全く不十分であることが判明した。すなわち、実際には、1801年から1861年の間にヨーロッパで発行された地図のうち、大英図書館には日本海周辺を含むものが37枚保存されており、そのうち「日本海」と表記されているものは32枚、「朝鮮海」と表記されているものは5枚であることが判明した。また、同時期に発行された地図のうち、ケンブリッジ大学には日本海周辺を含むものが21枚保存されており、そのうち「日本海」と表記されているものは18枚、「朝鮮海」と表記されているものは3枚であることが判明した。

大英図書館所蔵古地図


4.今回の日本側調査を踏まえた結論は、以下のとおりである。

(1) 日本側学者の研究によれば、18世紀末以前のヨーロッパの地図では、日本海海域の名称として、「日本海」、「朝鮮海」、「東洋(オリエント)海」(注3)など様々な名称が使用されていた(外務省作成のパンフレット「Sea of Japan」参照)。

(2) 今回の日本側調査では、18世紀末以降のヨーロッパで作成された地図においては、「日本海」という名称が圧倒的に多く使用されていることが確認された(大英図書館所蔵古地図では86%に当たる32枚が、ケンブリッジ大学所蔵古地図では同じく86%に当たる18枚が「日本海」と記載していた)。

(3) したがって、「『日本海』という名称は、我が国が鎖国下にあって国際的影響力を行使できなかった18世紀末から19世紀初めにかけてヨーロッパにおいて定着したものである」という日本側の主張が確認された。また、「『日本海』の名称が支配的になったのは20世紀前半の日本の帝国主義、植民地主義の結果である」とする韓国側の主張には根拠がないことが明らかとなった。

注3 これらの地図に使用されている「東洋(オリエント)海」という名称は、「西洋の海」に対する「東洋の海」という意味であって、これを「東海」と同義とする韓国側の主張は合理的でない。


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