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平成14年度中南米局カリブ室青年招聘事業

カリブ・バナナペーパー研修
概要と評価

平成14年5月



1.概要

 日本は、平成14年度青年招聘事業として、カリブ4カ国(ハイティ、ジャマイカ、セント・ヴィンセント、スリナム)からバナナ繊維の研究・応用に携わる若手指導者9名を5月13日(月)から5月25日(土)まで日本に招待した。一行は、滞在中、沖縄・竹富島、名古屋市立大学、美濃和紙の里会館、多摩美術大学、東京都立産業技術研究所、銀座伊東屋を訪問し、日本の製紙・製布関連技術(繊維の解織技術、伝統和紙製法、非木材のパルプ化技法)や民間企業の製紙分野での取組等をテーマとした講義への出席、実習への参加、関連施設への視察を行った。また京都を訪問し日本の歴史に触れ、ホームステイを通じて日本の文化にも親しむ機会を得た。今回の研修は、カリブ諸国に共通して重要な課題となっている産業の多角化の方法の一つとしてバナナ繊維の研究・活用をテーマとして行い、各国の経済社会の安定的な発展に寄与することを目的として日本が実施したものである。
 バナナペーパーとは名古屋市立大学の森島教授らが普及に努めている技術で、毎年実を収穫した後全て廃棄されてしまうバナナの茎及び葉を用いて紙を作るというものである。日本の伝統技法である和紙の製法を組み合わせると、木材パルプ紙に匹敵する上質なバナナ紙を製造できる。同教授によると、バナナは早生植物であるため、全世界のバナナの茎及び葉を利用すれば、世界の製紙需要のかなりの割合をまかなうことが可能である。本件プロジェクトは森林伐採抑制による環境保全に役立つほか、事業化に成功すれば各国国内における紙需要をまかなうとともに、輸出も可能となり、産業の振興、雇用増大、外貨流出の防止に資するものである。バナナ紙を用いた工芸品や、バナナの繊維を用いた衣服や靴、ランチョンマット、ランプシェード、バッグなど工芸品を製造し、生活と文化を豊かにすることも可能である。低所得国の中には、教科書やノートに用いる紙が不足している国もあるが、本件プロジェクトが軌道に乗れば、教科書、ノートを普及させ、非識字率の減少等教育分野における貢献も期待できる。


2.評価

 参加者のセミナー参加に際してのモチベーションが非常に高く意欲的であり、各講義を担当した講師、視察の受入団体も手応えを感じていた。また製紙の基礎知識を参加者全員が持っており、数人はかなり高度な知識を持っていることが見受けられ、帰国後はそれぞれの立場で強力にプロジェクトを推進してくれるものと確信できる、成果の高い招聘事業であったと言える。参加者は本研修で得たバナナ繊維に関する知識や経験を帰国後それぞれの国で活かし、カリブ諸国における貧困対策、雇用創出、環境保全、識字教育等に貢献することが期待される。今後、本研修で意見交換を行った日本の関係者、或いは参加者相互間のネットワークを利用した活動も期待される。また、研修中に京都にてホームステイを体験し、日本の歴史・文化に親しんだ参加者が、研修終了後も日・カリブ諸国間の交流・協力の促進のために活動し、カリブ諸国の安定した発展、及び日・カリブ間の緊密な関係構築の担い手となることが期待される。

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