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平成14年度 中南米諸国青年招聘
概要と評価

平成14年7月24日

7月9日から19日の日程で、日本において標記招聘を実施。アルゼンティンより3名、パラグァイより5名、ペルーより4名の計12名が参加。

今次招聘では、日本との二国間関係、各国の情勢等を勘案し、研修をより有意義なものとするため、国毎に別個の日程を用意した(地方旅行等については合同で実施:日程詳細別添)。具体的には、アルゼンティンは「社会政策」を、パラグァイは「経済社会開発」をテーマとして、ペルーについては若手議員を招聘した。

研修日程の中で、18日に清子内親王殿下御接見を行った(合同で実施)。

今次招聘を通じ、参加者が対日理解を深め、今後、対日友好関係の維持・発展に貢献することが期待される。


1.招聘の目的

 本招聘は、中南米諸国において将来各界の指導的地位に就くべき優秀な青年を招待し、これら青年の対日理解の増進を図り、もって日本と中南米諸国との友好・協力関係を一層強化するとの目的で実施されている。中南米地域については昭和55年以降実施されており、近年では地域全体で毎年60名以上を日本に招聘している。


2.今次招聘の概要

(1) 参加者:12名

内訳:アルゼンティン 3名、パラグァイ 5名、ペルー 4名

(2) 研修日程:

(イ) 各国別日程

(a) アルゼンティン

 アジア経済研究所の社会政策を専門にする研究員による導入的講義の後、厚生労働省、東京都庁、川口市高齢者総合福祉センター、日本社会事業大学等で講義を受けたり、現場を視察する日程をこなした。

(b) パラグァイ

 JICAによる講義及び古田島元EDEP(パラグァイ国経済開発調査)団長との意見交換により、パラグァイの経済・社会開発についての知識を深め、また、パラグァイの主要産業である農業に焦点を当て、農水省による講義、カゴメ那須工場視察、筑波農林研究団地視察といった日程を組んだ。

(c) ペルー

 被招聘者が日本の全体像を把握することを目的とし、日本の政治・経済・選挙制度に関する講義、科学技術関連施設への訪問を日程に入れた。また、ペルーは自然災害が多いことも考慮し、防災関連の視察や、ペルーにおいても参考となるように中小企業におけるハイテクの現状を見せる視察なども取り入れた他、議員交流促進の意味から、日本ペルー友好議員連盟会長の海部俊樹元総理への表敬もアレンジした。

(ロ) 地方旅行、清子内親王殿下御接見等

 今次招聘中、合同で広島、京都、名古屋への地方旅行及び清子内親王殿下御接見等を行った。地方旅行では、広島平和記念資料館における被爆者の講話の拝聴、宮島見学の他、京都でのホームステイ(含:京都の史跡観光)を体験するなど、多角的な側面から日本の文化に触れることができた。また、清子内親王殿下御接見では、御接見前に皇居内見学を行った。


3.今次招聘の評価

(1) 全体

 今次招聘においては、国毎に別個の研修日程を用意したことにより、各国毎のニーズに沿った研修を実施することが出来た(これまでは、複数国よりの参加者に対し1つのテーマで研修を実施していた)。右により、例えば同テーマの講義を行う場合でも、各国毎に異なる事情を踏まえ、従来よりもより踏み込んだ議論を行うことが出来たといえる。また、合同で行った地方旅行においても、参加者より、広島平和記念資料館で視たビデオを現地にて上映会をするために持ち帰りたいとの声が出たり、京都でのホームステイにおいて実際に日本人の日常生活を体験することができ、非常に貴重な経験になったとのコメントがある等、参加者は日本に対し好印象を持つことが出来た。

 参加者は本研修で得た知識、経験を活かし、本研修で意見交換を行った日本の関係者、或いは参加者相互間のネットワークを活かしつつ対日友好関係の促進に寄与しうる活動を行うことが期待される。

 ただし、課題としては、オリエンテーション、レセプション、地方旅行、清子内親王殿下御接見など合同で実施する日程において、従来の招聘と比べ国別にグループが分かれる傾向が強かったという点が挙げられる。本招聘の意義を相手国のニーズに適した研修の実施に求めるのであれば、今次招聘は相当程度有意義であったと言えるが、翻って本研修の意義を「日本」をキーワードとした参加者相互間のネットワークの創出に求めるのであれば、テーマを一つに絞り、参加者全員が同日程で研修を行うという選択肢もあったであろう。

(2) 各国別

(イ) アルゼンティン

 講義、視察などバランスを考えた日程を作成したが、アルゼンティンの場合のテーマ「社会政策」は高齢者対策、雇用・失業対策、低所得者層対策等、幅が広いため、もう少しテーマを絞った方がより具体的な成果が挙げられたかもしれない。しかし、参加者は自国とは異なった状況にある社会政策の一端を知ったことは良い経験であったと述べており、一定の成果があったと評価できる。

(ロ) パラグァイ

 講義や視察といった受動的な日程だけでなく、事前レポート及び事後レポートの提出といった課題を出した他、研修中に講師との意見交換の場を設け、参加者が研修に能動的に参加するよう努めたことにより、参加者自身の意識を高めるという初期の目的は達成できた。また、従来パラグァイは中南米随一の親日国であるが、今次招聘参加者も一様に日本に対し好印象を抱いたようであり、その意味でも有意義であったと評価できる。

(ハ) ペルー

 フジモリ元大統領の日本滞在を巡り二国間関係が停滞する中、参加者が一様に「来てよかった」「今後も日本との関係は強化させなければいけない」とコメントしていた。今後は、こうした日本の好印象や「対日関係を強化すべき」との思いを帰国後、国内で広く伝播してもらい、フジモリ元大統領問題以外にも両国間でなすべきことが多々あることをより多くの人に理解してもらうことが期待される。また、被招聘者の滞在中に発生したペルーでの寒波被害について、歓送レセプションで緊急援助を発表できたのは良いタイミングであった。


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