平成13年度青年日本研修
中南米及びアジア大洋州諸国青年交流
概要と評価
平成13年11月20日
結果のポイント
● |
11月7日から17日の10泊11日間、日本において標記研修を実施。東アジア及び中南米27ヶ国より各国1名、計27名が参加。 |
● |
本研修の中で、「東アジア・ラテンアメリカ協力フォーラム(FEALAC)」の枠組みの下、日本のイニシアティヴで実施するナショナル・プロジェクトとして、「東アジア・ラテンアメリカ・ヤングリーダーズ・シンポジウム」を開催(14日及び15日)。「中小企業」、「貧困」及び「IT」の3つのテーマに関し議論が行われ、2002年コロンビアにて開催が予定されているFEALAC第4回高級実務者会合(SOM4)の場で報告される予定の最終レポートを採択。 |
● |
その他、日本企業視察、ホームステイを含む地方旅行等を実施。
|
|
1.今次研修の背景、目的
(1) |
近年、中南米及びアジアの間で互いの地域に対する関心が高まっており、両地域の関係は益々深まる状況にある。こうした局面で、2001年3月、チリにおいてFEALAC第一回外相会合が開催され、今後の多面的な分野における結びつきの強化に向けての端緒が開かれた。
|
(2) |
右を踏まえ、今次研修においては、東アジアと中南米の関係強化、特に経済分野をテーマとし、アジア大洋州及び中南米諸国から若手行政官を招聘した。今次研修を通じて、被招聘者が両地域相互の経済面での協力の意義、見込みについて理解を深め、今後の友好関係の構築に資することを目的とする。 |
2.今次研修の概要
(1)テーマ: |
東アジア及び中南米の経済関係強化
|
(2)参加者: |
中南米諸国 | : |
13名 | (ブラジル、アルゼンティン、ペルー、チリ、ウルグアイ、パラグァイ、ボリヴィア、メキシコ、キューバ、コスタ・リカ、ヴェネズエラ、コロンビア、エクアドル) |
アジア大洋州諸国 | : |
14名 | (韓国、中国、豪州、NZ、タイ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレイシア、カンボディア、ヴィエトナム、ブルネイ、ミャンマー、ラオス)
|
|
(3)研修日程: |
(a)「東アジア・ラテンアメリカ・ヤングリーダーズ・シンポジウム」
本シンポジウムは、FEALACの枠組みの下、両地域間の対話を支援するために日本のイニシアティヴで実施するナショナル・プロジェクトの一つとして開催された。
具体的には、「経済発展のための中小企業政策」、「経済発展と貧困」及び「IT革命と途上国」を討議テーマとし、14日午前の柳原透拓殖大学教授による基調講演の後、テーマ毎にグループに分かれ討議を行った。15日午前の全体会合では各グループよりの報告及びそれに基づく議論を行い、最終レポートを採択した。シンポジウム全体を通じ、各グループ毎に両地域より1名づつ選出されたグループリーダーを中心として、参加者は積極的に意見交換を行った。
(b)訪問、文化体験等
日本の大企業、中小企業への訪問を通じて日本の経済についての見識を深めたほか、地方旅行や染め物体験を行う等、多角的な面から日本の文化に触れることができた。特に、ホームステイにおいては、実際に日本の一般家庭において日本人の日常生活を体験することができ、参加者から非常に貴重な経験になったとのコメントがある等、参加者は日本に対し好印象を持つことが出来た。
|
3.今次研修の評価
(1) |
アジア諸国と中南米諸国よりの若手行政官が11日間に亘り行動を共にすることは前例を見ないことであり、両地域の参加者が溶け込むか否かは今次研修の当初の懸念事項であったが、結果的に特に大きな問題もなく、歴史、生活習慣、文化等の違いを乗り越え、参加者間の個人的友好関係が深まった。また、日本としても、このような地域交流の強化の場を積極的に提供することは当該地域における日本の地位向上にとり極めて有意義であるとともに、被招聘者は今次研修を通じて日本の歴史、文化、伝統等への関心を深めており、将来日本との交流を促進する役割も期待される。
|
(2) |
今次研修の焦点となっていた「ヤングリーダーズ・シンポジウム」は、以下の具体的な成果があった。
なお、今次シンポジウムでは、参加者が予想外に積極的に発言、採択文書とりまとめを行う等、参加者の間に熱意が感じられ、複数の参加者から、2002年も是非本形態での研修を日本で開催して欲しい旨、その際にはシンポジウムを少なくとも丸二日間程度行うことが望ましいと考える旨要望が寄せられた。
(イ) |
FEALACの将来像を提示するための日本の努力の一環として今次シンポジウムを開催したことを、2002年コロンビアにて開催予定のSOM4で日本のFEALACプロセスにおける成果物として報告することができる。 |
(ロ) |
FEALACの対話プロセスに対する貢献として、今次シンポジウムにて採択された最終レポートは今後両地域の関係強化を目的とするプロジェクト策定の際の参考資料となる。 |
(ハ) |
各国において将来を嘱望されている若手行政官が日本で一堂に会し両地域の協力関係強化につき意見交換を行ったことで、参加者相互の間で相互理解が深まっただけでなく、結果として、各参加者が帰国後、今後の各国の対中南米乃至対アジア政策を策定する際の参考資料を提供することができた。 |
|
|