中南米諸国青年日本研修“治安・警察研修”
(概要と評価)
平成13年2月27日
1.研修の目的と概要
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目 的
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中南米地域全体においては、90年代に民主化を達成し、経済回復を遂げたもの、貧富の差や都市のスラム化、麻薬、治安問題等様々な社会問題は依然として改善されていない。特に近年著しい治安の悪化は社会不安をもたらしているが、この問題は、日本企業の中南米進出を妨げる一因ともなっており、また在外邦人や日本人旅行者等のトラブルの多発等により経済的、人的交流の面でネガティヴな影響が少なくなく、日本・ラテンアメリカ地域間の交流拡大の阻害要因となっていることは否定できない |
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右を踏まえ、本研修においては中南米諸国から若手の警察官を招聘し、研修を実施した。研修の目的としては、日本の治安、警察行政につき知識を深め、各国で業務を行う上での参考としてもらう他、在外邦人の安全確保の観点から、在外公館や外務省が中南米地域の警察関係者と人脈を作り、今後の邦人保護活動に役立てていくことも期待される。 |
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概 要
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テーマ |
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治安・警察 |
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対象者 |
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中南米第一課所轄の国から警察官13名(ブラジル6名、ペルー2名、アルゼンティン、ウルグァイ、パラグァイ、ボリヴィア、チリから1名ずつ) |
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期間 |
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平成13年2月14日から24日の10泊11日間 |
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研修日程 |
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警察庁による講義、警察学校、交番、刑務所等関連施設の視察、ホームステイを含む地方視察等 |
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2.研修日程評価
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警察関連の講義・視察
基本的に中南米地域と日本とでは治安状況が非常に異なっているため、日本での警察と市民社会の信頼関係や治安状況について、研修初日に警察庁デスクの記者による講義を行ったが、この予備知識は、参加者がその後の講義、視察における日本の制度や機能、その運営について理解を深める上で非常に参考となったようである。警察関連の講義や視察において参加者は日本の治安情勢や警察制度、制度の運営に大きな関心を示し、自国と日本とを比較して意見や質問が多くなされ、いずれのプログラムについても時間が大幅に超過する結果となった。特に参加者の関心が特に高かったのは交番制度であり、講義及び京都における交番視察では、参加者の態度は大変熱心であった。しかし、帰国後、業務の参考とするために訪問先の施設についての詳細な資料(パンフレット、ビデオ等)につき入手可能なものが少なかったことから、参加者には物足りなさも残ったようだ。
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文化体験等
ホームステイを含む地方視察や茶道体験では、職業を離れて日本人との交流を深めることで、日本の歴史、生活習慣、文化等を垣間見ることができ、多角的な面から日本の文化に触れることができたため、参加者は強い印象を受けていた。 |
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