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米州自由貿易地域(FTAA)概要
(FTAA : Free Trade Area of the Americas)


平成18年8月


1.ポイント

1994年12月にマイアミで開催された第1回米州首脳会議(米州地域34ヶ国首脳(キューバを除く南北米大陸諸国)が出席して開催)で、南北米州全域を含む自由貿易地域を創設する構想が初めて提唱された。

同首脳会議においては、2005年までに域内の貿易や投資の障壁を取り除き、米州全体を一つの自由貿易圏に統合していくことで合意がなされ、2001年4月に行われた第3回米州首脳会議において、2005年1月までに交渉妥結、12月までに右協定を発効させる旨確認された。

しかし、交渉分野によっては米国とブラジル等の意見の相違が大きく、決定的な対立を回避するため、2003年11月の第8回貿易大臣会合(マイアミ)では、全締約国に共通して適用される各分野の最低限の義務を定め、それ以上のことについては締約国間で個別に交渉できるとする、いわゆる「FTAAライト」(軽量版のFTAA)を目指す方向が打ち出されたが、交渉は事実上中断されており、依然として妥結に至っていない。

なお、FTAAが創設された場合、人口約8億5千万人、域内国内総生産(GDP)合計が14兆6千5百億ドルの世界最大の自由貿易圏が誕生する。


2.FTAA交渉の基本機構

(1) 貿易大臣会合
  • 実務者レベルによる交渉の最終チェック及び管理を実行。
  • 議長国は貿易大臣会合を一区切りとして交替。カナダ、アルゼンチン、エクアドルと続いた後、2002年11月よりブラジルと米が共同議長国を務めている。

(2) 貿易交渉委員会(TNC)
  • 貿易副大臣により構成され、交渉グループ並びに他の委員会に対して指示や助言を与え、さらにFTAA協定の全体構成及び法制度に関して様々な決定を行う等、FTAA交渉の管理において中心的な役割を担う。
  • 同委員会は毎年最低2回、必要に応じて追加的会合を開く。

(3) FTAA交渉グループ
  • 貿易大臣会合及びTNCから指示・助言を受け、各テキストについて交渉を行う。
  • (イ)市場アクセス、(ロ)投資、(ハ)サービス、(ニ)政府調達、(ホ)紛争解決、(ヘ)農業、(ト)知的所有権、(チ)補助金・アンチダンピング・相殺措置、(リ)競争政策、の9グループがある。

FTAA事務局
  • FTAA交渉グループ開催国(ホスト国)(注)に設けられ、各国交渉代表団に対して事務及びロジ面でのサポートを行い、正式な交渉ファイルの管理並びに通訳及び翻訳サービス等を提供する。協定発効後は、事務局は1ヶ所に常設されることになっており、現在、マイアミ、アトランタ、ポート・オブ・スペイン、パナマ・シティなどが立候補している。
  • 現在、事務局はホスト国並びに米州開発銀行(IDB)、米州機構(OAS)、国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)の3国際機関から構成される3機関委員会からの基金により運営されている。

(注) FTAA交渉グループのホスト国(事務局設置都市)
  • 1998年5月~2001年2月:米国(マイアミ)
  • 2001年3月~2003年2月:パナマ(パナマ・シティー)
  • 2003年3月~交渉妥結まで:メキシコ(プエブラ)


3.最近の動き

(1) 第8回貿易大臣会合(2003年11月、マイアミ)
  • FTAA交渉において、サービス、政府調達、知的所有権、投資ルール等の問題も扱いたいとする米国に対し、ブラジルはこれらのWTOでの扱いを望み、ブラジルが農業補助金問題等をFTAA交渉で扱いたいとするのに対し、米国はこれをWTOで扱いたいとする姿勢が、FTAA交渉における最大の対立点となっていた。
  • このような対立のため、2003年11月の第8回貿易大臣会合は決裂するのではないかとの見方も一部にあったが、第5回WTO閣僚会合(カンクン)の轍を踏まないよう双方が妥協し、全締約国に共通して適用される各分野の最低限の義務を定め、それ以上のことについては参加国間で個別に交渉できるとする方針(いわゆる軽量化したという意味での「FTAAライト」)が打ち出された。
  • また、2005年1月までの交渉妥結にコミットすることを再表明した。

(2) 米州特別首脳会議(2004年1月、モンテレイ)
  • FTAAに関しては、「モンテレイ宣言」において、第8回米州貿易大臣会合の結果を満足をもって留意する旨の表現にとどまった(米は2005年の期限を再確認するとの文言を主張するも、伯、ベネズエラの反対により実現せず)。

(3) 第17回貿易交渉委員会(2004年2月、プエブラ)
  • FTAA加盟国全てが参加する「共通部分」と特定国が参加するプルリの交渉方法につき議論。交渉が膠着状態に陥り一旦休会、3月に再開予定であったが、関係諸国の合意が成立せず、再び4月22,23日に延期になった。更に、3月31日-4月1日にブエノスアイレスで、米、メルコスール、加、墨、チリ、エクアドル参加の下、FTAA非公式会合が開催され、プエブラでの会合開催を無期限延期することが決定された。米側説明によれば、主原因は米とメルコスール諸国(農業輸出補助金の撤廃、全ての工業品の関税撤廃等要求)の立場の乖離。

(4) 第4回米州首脳会議(2005年11月、マルデルプラタ)
  • FTAA推進を主張する29か国に対し、交渉再開に慎重な南米南部共同市場(メルコスール)4か国及びFTAAそのものに反対するベネズエラの意見が対立。


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