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イラク再建に向けた動き


1.CPAによる施政

(1) 2003年5月22日に採択された安保理決議1438は、安保占領軍としての米英の特別の権限を認識し、「当局」(米英の統合された司令部)は国際的に承認された代表政府がイラク国民により樹立され、「当局」の責務を引き継ぐまでの間、権限を行使するとした。同決議は「当局」に対し、安全で安定した状態の回復及びイラク国民が自らの政治的将来を自由に決定できる状態の創出に向けて努力することを含め、領土の実効的な施政を通じてイラク国民の福祉を増進することを要請した。

(2) 現在、連合暫定施政当局(CPA:Coalition Provisional Authority)が同決議に言及されている「当局」を構成する機関として活動している。CPAのブレマー行政官は、イラク統治評議会の設立後すぐに、イラクの新憲法を起草するプロセスを開始する、新憲法が承認された時点でイラクの新政府がイラクの初めての民主的、自由且つ公正な選挙により選ばれることとなると発言している。

2.政治プロセスの進展

(1) 2003年7月13日、イラクの主要各派指導者とその他の有力部族指導者、女性の計25人から構成されるイラク統治評議会が発足。同評議会は、安保理決議1483に言及されるイラク暫定行政機構の主要な一部であり、各省庁の閣僚の指名・罷免、予算承認、憲法準備委員会の設立等の権限を有している。8月11日には憲法準備委員会が設置され新憲法制定に向けた取り組みが開始されたほか、9月1日には統治評議会が暫定閣僚25名の選定を発表した。

(2) 国連安保理決議1511(2003年10月採択)は、統治評議会及び暫定閣僚がイラクの国家の主権を体現するイラク暫定行政機構の主要な機関である旨決定。憲法制定及び民主的選挙実施のための日程表を同年12月15日までに安保理に提出するよう要請。

(3) 2003年11月15日、イラク統治評議会とCPAは、イラク人への統治権限の委譲を早期に行うことを目的として、以下の日程の政治プロセスに合意した。24日、統治評議会はこれに関する書簡を安保理議長に提出した。

2004年 2月末まで 移行期間のための「基本法」の制定
3月末まで 統治評議会とCPAによる治安に関する協定の承認
5月末まで 暫定議会の選出(基本法が選出手続きを既定)
6月末まで 移行行政機構選出・承認(CPA解体、統治評議会任務終了。)
2005年 3月15日まで 憲法会議選挙
(基本法で日程設定) 恒久憲法の制定
2005年末まで 新政府の選出、「基本法」の失効


3. 国際社会における動向

(1) 国連の動向

(イ) 2003年5月22日、安保理決議1483が大多数の賛成を得て採択され、加盟国にイラクにおける人道、復旧・復興支援、並びに安定及び安全の回復への貢献を要請。
 8月14日、国連イラク支援ミッション(UNAMI)が安保理決議により設立されたが、同19日、国連本部へのテロによりデ・メロ国連事務総長特別代表他が死亡。9月には国連の職員が縮小され、その後、10月30日に国連は、バグダッドに残留している国際職員を一時的に国外(キプロス)に出国させる旨発表。
(ロ) 10月16日、イラクにおける政治プロセス及び国連の役割の明確化、多国籍軍の設置を内容とする安保理決議1511を全会一致で採択。
(ハ) 12月1日、アナン事務総長はイラクの近隣7カ国(イラク隣接6カ国及びエジプト)とP5を含む安保リメンバー10カ国からなる諮問グループと協議。
(ニ) 12月1日、安保理の下にある対タリバン・アルカーイダ制裁委員会監視グループは、アルカーイダとイラクのテロとの関係等について言及した報告書を発表。
(ホ) 12月8日、安保理は、イラクにおいて、日本、スペイン等各国の人々に繰り返されている攻撃を非難し、こうした犠牲者、家族等への哀悼の意を表し、犯人処罰への協力を関係国に要請し、安保理決議1511の完全な履行の必要性をすべての国にあらためて訴える内容の安保理議長の声明を発出。
(ヘ) 12月10日、アナン国連事務総長は、イラクに対する今後の国連の役割やイラク国内の治安状況などに関する報告書を安保理に提出。

(2) 支援国会合

 2003年10月23日~24日、イラク復興国際会議がマドリッドで開催。73カ国、20国際機関、13のNGOが出席。2007年末までの期間を対象に有償及び無償で総額330億ドル以上のプレッジが、また、多くのドナーから資金供与に加え輸出信用、研修、技術協力、物資協力等の携帯による支援も表明された。イラクを破綻国家にしてはならないとする国際社会の一致した強力なメッセージを発出出来た。更に、ドナーからの資金のチャネルの一つとなる国連・世銀が管理する信託基金が可能な限り早期に設立される方向となった。

<会議で表明されたプレッジ>

  • 米国:203億ドルを議会に要求中(注:11月6日、イラク復興のため186億ドルを認める歳出法が成立)
  • EU全体:2004年末までに共同体予算からの2億ユーロを含め7億ユーロ。2007年末まででは13億ユーロ。
  • 湾岸諸国:約28億ドル(輸出信用等を含む)。
  • 我が国:当面の支援として15億ドルの無償資金協力。中期的支援に対応して円借款を基本として35億ドルまでの支援。総額50億ドル。

【参考】復興ニーズの全体像
 356億ドル(世銀・国連による。2004年~2007年。ただし、2004年は92.7億ドル)。このほかCPAは上記に含まれないニーズとして別途194億ドルが必要と見積もっている(ただし、2004年は82.4億ドル)。


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