在サマーワ連絡事務所より
サマーワ「キャプテン翼」大作戦
-給水車が配る夢と希望-
その3
平成16年12月
在サマーワ外務省事務所
江端康行
1.供与式
10月22日、キャプテン翼の給水車を供与する式典が行われました。この給水車を真っ先に子供たちに見せてあげたかったので、サマーワ・サッカー・スクールという以前私たちとも試合をしたことのある少年クラブチームを招待しました。宿営地に設けられた会場には大きな布で覆われた給水車が一台置かれ、序幕式を待っています。実は除幕式に使う大きな布がなかったので、この布は、前日に他の所員とも協力してシーツをホチキスで張り合わせた間に合わせのものでしたが、仕上がりは上々でした。あいにく、その日は朝からの強風。幕は急遽ロープで繋ぎ止められ、吹き飛ぶのを必至で堪えなければなりません。
さて、いよいよ除幕式の開始です。少年チームの代表アリ君が日本語とアラビア語を混ぜて、「3、2、1、アルファ(開け)!」と掛け声をかけると、白い布はスルスルと落ち、そこからキャプテン翼が現れました。この瞬間、子供たちの顔が一斉に輝き、会場は歓声で包まれました。その声を聞きながら、あぁ、良かったなぁと何ともいえない充実感を覚えました。
式典の後、少年チームとの試合が行われ、4対4の引き分けという非常に良い結果で無事全ての行事が終わりました。
2.これからの翼
今後、これから来年の1月までにかけ給水車26台全てにキャプテン翼が施され、それらの給水車によってムサンナー県全域に水が配られます。既にサマーワの町では元気よく水を運ぶ「翼君」の姿を見ることが出来ます。これら1台1台の給水車がムサンナー県の人々に水を届けることは勿論なのですが、水だけではなく、キャプテン翼を通じて、子供たちに夢や希望を運んでくれるものと期待しています。キャプテン翼が多くの子供たちを励まし、元気づけることが出来れば、こんなにうれしいことはありません。一日も早くイラクが復興し、ムサンナー県を始め、イラク中の子供たちに笑顔が戻ること、そして、その子供たちが素晴らしいイラクの将来を担ってくれることを祈っております。そのためにも微力ではありますが、これからも私に今出来ることを一つずつ丁寧にやっていきたいと思います。
(おわり)
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