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在サマーワ連絡事務所より
平成16年4月
イラク南部のサマーワ郊外、陸上自衛隊宿営地の中に、「外務省在サマーワ連絡事務所」という貼り紙を看板代わりに掲げた、小さな仮設の建物があります。気温が連日40度を超え、高温と砂塵のため自家発電機が頻繁に故障する度にエアコンが止まって蒸し風呂状態になる、この事務所の中では、東京の外務本省や各国の日本大使館等から派遣されてきた数名の外務省員が、今日も文字通り汗を流しつつ働いています。 <外務省員はサマーワで何をやっているの?> サマーワを中心とするムサンナー県内では、自衛隊が給水、医療、施設復旧等の人道復興支援活動を実施しています。 外務省連絡事務所では、アラブ地域や対外関係の処理に関する外務省の知見を活かして、自衛隊の活動の円滑な実施のために通訳のお手伝いや情報提供などの支援を行っています。また、自衛隊の活動と連携しつつ、更には、政治・治安情勢の把握・情報収集、県知事や評議会議長、宗教指導者等、サマーワの様々な人々との交流を行うとともに、これらの交流を通じてなされるODAに関する要望について外務本省への伝達等を行っています。 ODAについては、これらの要望を踏まえ、自衛隊と緊密に連携しつつ、これまでも、給水車供与、サマーワ総合病院や母子病院への医療機材等の供与、医療関係者の日本招聘、国際機関を通じた学校再建事業や雇用拡大に資する事業などを実施しています。これらの事業を通して、1日あたり1500人近く、延べ8万人以上の雇用拡大に貢献しています。これらの経済協力は、自衛隊の給水活動、医療支援活動、学校修復活動などと相互に補完しあう関係にあり、両者は「車の両輪」と呼ばれることもあります。 <なぜNGOでなく自衛隊と外務省?> イラクの復興支援は我が国にとっても重要な課題であり、政府が一体となって取り組んでいます。本来であれば政府のみならず民間企業やNGOなど様々な関係者の活躍が期待されているところなのですが、残念ながら、現在のイラクの治安情勢は極めて不安定であり、外務省による邦人援護活動も極めて困難な状況にあるため、イラク全土を対象に退避勧告を発出している状況で、日本の民間人が自由に活動できる状況にはありません。 そのため、唯一自己完結的な組織である自衛隊が、サマーワに隊員を派遣して自らの安全と生活基盤を確保しつつ人道復興支援活動を実施しています。そして数名の外務省員も、隊員と生活を共にしつつ活動しています。将来的には、一日も早くイラク国内の治安が安定して様々な関係者が直接自由に活躍できるようになる日がくることを期待しています。 <サマーワではどんな生活をしているの?> 在サマーワ連絡事務所員は自衛隊宿営地の中で隊員と生活を共にしています。食事も隊員の皆さんと同じ食堂で文字通り「同じ釜の飯」を頂いています。おかずは日本から持ち込んだ缶詰やレトルト食品が中心ですが、クウェートで調達した野菜や果物が出されることもあります。風呂とシャワーはありますが、水が貴重なのでトイレは汲み取り式で、手を洗う代わりに消毒液を擦り込んでいます。 日中は主に市内で地元(ムサンナー県やサマーワ市など)の関係者、あるいは各国(アメリカ、イギリス、オランダなど)や国際機関の関係者と様々なレベルや分野別の会合を行って、情報交換を行ったり、経済協力案件の調整を行ったり、現地視察や支援活動の立ち会いを行ったりします。日没後は宿営地内で自衛隊関係者と情報交換や今後の作業の取りすすめ方につき協議し、その日の出来事をまとめて東京に報告します。その他にも内外の種々の事件に対する対応など様々な仕事をしています。 在サマーワ連絡事務所は大使館や総領事館のような在外公館ではなく、安全上の観点よりその活動には種々の制約を伴いますが、イラクの復興支援のため、事務所員は自衛隊員と共に今日もサマーワの空の下で活動しています。 (この記事は平成16年4月現在の状況を元に紹介しています。最新の状況は若干異なっていることもあります。) |
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