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ウルーム・イラク統治評議会議長一行の訪日
(結果概要)


平成16年3月25日


 3月23日(火)~25日(木)、ウルーム・イラク統治評議会議長一行が来日し、小泉総理、川口外務大臣、石破防衛庁長官、衆議院及び参議院のイラク特別委員会と会談したところ、訪日の概要、以下のとおり。


1.小泉総理との会談

(1) ウルーム議長より、勇気ある自衛隊の派遣決定により疲れも吹っ飛んだ、自衛隊の活動には期待している旨述べた。総理より、自衛隊の派遣については国内で賛否両論あったがお言葉に勇気づけられた、今後ともイラクで歓迎される活動を行っていきたい、イラクの再建を通じて日・イラク二国間関係が発展強化されることを期待する旨述べた。

(2) ウルーム議長より、日本の戦後復興の経験に関する助言を注意深く聞きたい、経済、保健・医療、科学技術、石油等の分野における協力に関し総理の指導力を期待している旨発言。サマーワ出身のサーミー労働・社会問題大臣より、イラクにおいて日本の自衛隊がイラク国民に敵対する、あるいは自衛隊との戦闘でイラク人に犠牲者が出ると懸念している者はおらず、サマーワの住民は自衛隊の活動を高く評価しているので安心して頂きたい旨発言。

(3) 総理より、治安が回復すれば民間企業も復興に携わることが可能となり、環境が整備されればもっとやれることがあるとして治安回復への努力を要請し、また、イラクが国際社会の協力を受け入れるに当たっては国連の支援が重要であり、そうなればイラク支援に躊躇している国も協力をさしのべるであろう、更に、奥大使の活動に触れつつ、イラクの復興は国際社会の挑戦であるが、主役はあくまでもイラク人であり、我々は応援部隊である旨述べた。

(4) ウルーム議長より、イスラムはテロを許容しない、イラクにおけるテロのほとんどが外部からのものである、総理の国連支援発言に関しては、選挙に向けて国連の役割を重要と認識しており、選挙関係のチームが近くイラク入りすることが予定されている旨述べた。


2.川口大臣との会談

(1) 冒頭、大臣より、今月初めにカルバラ及びバグダッドで起きた自爆テロにより多くの犠牲者が出たことに哀悼の意が表され、イラクの復興支援に対する日本の立場を表明し、治安の改善が重要であることを述べた。ウルーム議長より、日本に支援に対する謝意が表明され、イラク国民は日本国民に対し親愛の情を示しており、自衛隊の活動はサマーワの住民から理解され、歓迎されている、今後とも自衛隊の活動の範囲が広がることを期待している、日本の敗戦からの復興の経験を是非学びたいと述べた。更に、日・イラク外務省間の関係強化を図りたいとの発言があった。

(2) 大臣より、イラク基本法の署名を歓迎、6月末の統治権限の移譲が円滑に進展するように統治評議会が役割と責任を果たすことを期待する旨発言。これに対しウルーム議長より、基本法の署名については民族、宗教等様々な問題があったが、結果的にイラクの一体性を示すことができた、国連の役割が重要であることは認識している旨述べ、サーミー労働・社会問題大臣より、自衛隊の安全はサマーワ市民の安全と等しい旨述べた。


3.石破防衛庁長官との会談

(1) 長官より、イラクにおいて着実に民主主義というものが進捗していることについて皆様方の努力に敬意を表したい、自衛隊はイラク国民とともにイラクの復興のために努力している、サマーワでは給水活動、医療活動あるいは学校の修復など様々な支援をさせて頂いている、日本としてはイラクの発展のためにできるだけ協力したいと思っている旨発言。

(2) ウルーム議長から、これまでの日本の支援に感謝、今後とも協力していきたい、日本のイラク復興支援は非常に先駆的でマドリッド国際会議でも50億ドルの資金協力を提示頂き、自分達としてはそれを復興の各種分野で役立てていきたいと考えている、石破長官をはじめ皆様にイラクに来て頂きイラクの現状を見て頂きたい、イラクの現状が如何に良くなっているかを直に見て、感じて頂きたい、イラクでは全地域において日本に対するシンパシーがある旨発言。

(3) シャーウィース・バルザーニ議員代行より、かつてのイラク軍は敵対的存在だったがそれに代わる新しいイラク軍を作っていきたい、軍はシビリアンコントロールでなければならず、防衛庁・自衛隊のあり方が非常に参考になり日本の経験に学んでいかねばならないと思っている、防衛庁とイラク国防省と協力していきたい旨発言。

(4) サマーワ出身のサーミー労働・社会問題大臣から、サマーワに対する日本の支援に感謝したい、自衛隊の活動はサマーワでは復興の大きな助けになっている、私共は心を開いて友情をもって対応させて頂いている、サマーワは安定しており、治安も良いということを申し上げたい、これからもよろしくお願いしたい旨発言。


4.ウルーム議長による記者会見 (於:日本記者クラブ)

(イ) 冒頭発言(概要)
  • 日本政府・国民からの対イラク支援に感謝。
  • マドリッド会議において米国に次ぐ大きな支援表明に謝意。
  • 先日の「基本法」署名等、民主主義誕生のための政治プロセスの進展が見られる。
  • 政治プロセの進展が、治安の安定・改善に繋がる。これにより、アル・カーイダ、フセイン残党といったテロ勢力に対抗することとなる。
  • 人道復興支援のための自衛隊の派遣を評価。
  • 自衛隊の派遣地域は安全であり、派遣先で歓迎されている。また、自衛隊の任務に対する理解が高い。我々も自衛隊がその任務を果たせるようできる限りのことを行う。
  • 将来的には、イラクは日本企業にとっても経済チャンスが多い。

(ロ) 質疑応答
  • (シスターニ氏との調整は不調に終わったのか)「基本法」については種々異なった意見があり、これは民主主義の一つの兆し。今後恒久的な憲法の制定に向け、各方面の指摘を踏まえ問題解決していきたい。
  • (国連の役割如何)国連が今後選挙プロセスに大きく関与していってほしい。
  • (内戦か)内戦の危機はない。テロ分子は、外から入ってきたものであり、国民を代表するものではない。
  • (米はいつまで駐留するか)7月1日に暫定政府が誕生し統治権限が移譲されるので、その後の連合軍の役割につき協議に入ることとなる。将来的には、多国籍軍が編成され、治安の安定に貢献するという考えもあり得る。


(参考)訪日した一行
  1. 統治評議会
    1. ムハンマド・バハル・アル・ウルーム 3月期イラク統治評議会議長
    2. ナーセル・チャドルチ統治評議会議員
    3. アハマド・シュヤーア・アル・バッラーク統治評議会議員
    4. ハミード・マジード・ムーサ統治評議会議員
    5. ローシュ・シャーウィース統治評議会議員代行(バルザーニー議員の代行)
    6. サーミー・アル・アスカリー統治評議会議員代行(ムハンマド・バハル・アル・ウルーム議員の代行)
    7. ムハンマド・フセイン・バハル・アル・ウルーム顧問兼統治評議会議長秘書官(ウルーム議長子息)
    8. ハーシム・バハル・アル・ウルーム統治評議会議長秘書
    9. ハイデル・アル・ムフシン統治評議会議長議長随員
    10. ファリフ・ファハド ジャアファリー統治評議会議員秘書官
    11. カーメル・アミーン・ハーシム チャドルチ統治評議会議員秘書官
    12. フサーム・シャーキル・ハミード バッラーク統治評議会議員秘書官
    13. ハイデル・アル・サアディー ムーサ統治評議会議員秘書官
    14. ハザール・アブドゥルハミード バルザーニー統治評議会議員秘書官
    15. ジャーセム・ニアマ・ムサーウィル統治評議会事務局長

  2. 閣僚
    1. ムハンマド・タウフィーク・ラヒーム工業・鉱物大臣
    2. アブドゥルラティーフ・ジャマール・ラシード水資源大臣
    3. アブドゥルアミール・アル・ウブード農業大臣
    4. サーミー・アザーラ・アール・マアジューン労働・社会問題大臣

  3. 大使
    1. ムハンマド・ハムード・ビダン外務省大使

  4. プレス関連
    1. アスィム・ムタル統治評議会プレス担当
    2. ハミード・ジャーベル・アリー統治評議会スポークスマン



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