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イラク情勢(最近の動き)

2月25日 11:00

 2月25日午前11時までの主な新たな動き。

 主な動き

24日午前10時半(日本時間25日0時30分)過ぎより 午後1時(日本時間午前3時)まで、アナン国連事務総長のイ ラク訪問の成果に関する非公式協議が安保理にて行われた。
非公式協議の後、同日午後3時より、同事務総長は記者会見 を行った。ポイントは以下の通り。

  • ・自分がバクダッドで署名した合意に関して、安保理理事国から一般的な承認を受け、喜ばしい。
  • ・もちろん、今後詰めなければならない詳細はある。
  • ・今次合意はこれまでの合意と異なっており、サダム・フセイン大統領自身と交渉した結果、得られたものである。大統領自身が協力を欲しているのである。
●アナン国連事務総長はCNNテレビとのインタビューで、バトラーUNSCOM委員長が3月2日にもイラクを訪問し、査察の進め方を協議することを期待すると語った(24日夕刊)。
●23日、英首相報道官は、ブレア首相がウエストン英国連大使に対し、イラクが国連決議に違反すれば直ちにあらゆる手段 で報復できる決議案をまとめるよう指示したことを明らかにした(24日夕刊)。
●23日、ヤストルジェムスキー露大統領報道官は、ロシアと 米国が新たな対イラク国連安保理決議案を共同で起草することで一致したと語った(24日夕刊)。
●24日午前、シラク仏大統領はエリツィン露大統領と電話会談し、イラクに対する新たな安保理決議案の起草で両国が協力することで一致した(24日時事)。
●23日、イラク国営通信は、アナン国連事務総長とイラク政府が合意した大統領施設への国連査察について、「査察期限は限られている」などと伝えた(24日夕刊)。

1.我が国

○24日、橋本総理は、国連とイラクの合意を米国が受け入れる意向を表明したことについて「積極的な反応だった」と歓迎する意向を示した。武力行使が回避されるかどうかについては「ほっとしてはいない。イラクが違反行為をしないという担保がどうなっているのか、今の時点では分からない。しかし希望は持っている」と述べた(24日夕刊)。
○24日午後、橋本総理は衆議院予算委員会の総括質疑にて「事務総長の外交努力を高く評価している」、「イラクが安保理決議を遵守して査察を受け入れ、協議結果を実行に移すことが大切だ」と指摘。
○24日午前、小渕外相は記者会見にて「問題の解決に向かって最終の詰めが行われていることは歓迎すべきだ。大量破壊兵器が完全に査察され、地域の平和・安定が確実となることを強く期待している」と述べた。 (24日夕刊)。
○23日、新党平和の冬柴鉄三幹事長は「米国と国連および関係各国の努力に敬意を表したい。この経験は世界の平和秩序維持が国際社会全体の意思で決定されるという新たな前例となるもので、評価したい」と述べた(報道)。

2.米国

○23日、ホワイトハウス記者ブリーフにおいて、マカリー報道官は「明日の国連安保理の協議で提起されるべき問題が幾つかある。UNSCOMへの外交官の同行はその一例。UNSCOM査察官の妨害のない無条件の査察受入れは、提案された合意の中の非常に重要な要素である」旨述べた。
○23日、国務省記者ブリーフにおいて、ルービン報道官は「我々はまだ、武力行使が必要でないと判断する段階には至っていない」、「イラクが脅威であるという現実は変わらないと思う」旨述べた。
○23日、ゲッパート民主党下院院内総務はクリントン大統領の方針について「武力行使も辞さない構えで臨んだ外交の成果であり、歓迎する。兵力を維持するという大統領の決定を支持する」と述べた(報道)。
○23日、ギングリッチ下院議長(共和党)は「我々の目的は空爆ではない。アナン国連事務総長が米国大統領の描く戦略の範囲内で行動している以上、警戒する必要はない」と語った(報道)。
○他方、23日、ロット上院院内総務(共和党)は「現政権は対イラク外交の全体像を描いていない」、「問題は解決されていない」等、クリントン大統領の方針について懐疑的な見解を示した。

3.イラク

○23日、イラク国民会議(イラク反体制派グループ)は「過去の経験から独裁者サダム・フセインはいかなる合意も守らないだろう。国際社会、周辺国は、地域、ひいては世界平和のためにこの政権を倒さなければならない」との声明を発表し、フセイン政権打倒を呼びかけた(報道)。

4.その他の国

(1)米国以外のP5

(英)22日、インデペンデント紙は、UNSCOM査察官に外交官を同行させることを許可する計画についてクック外相とオルブライト米国務長官の間に激しい意見の対立があったと報じた。なお、これについてファチェット外務担当相は、対立について否定、「英米の立場は非常に近い」と述べた。

○23日、ロバートソン国防相は「イラクのサッダーム・フセイン大統領が、アナン国連事務総長との合意及び国連安保理決議を履行するのを確実にするために必要な間、我々は湾岸に英軍を残留させる」と語った(報道)。

(仏)23日夜、シラク大統領はクリントン米大統領と30分にわたり電話会談し、「署名された合意は完全に安保理決議に合致するもの」、「できるだけ早く合意内容が実行に移されなければならない」との認識で一致した(AFP)。

○アナン国連事務総長は23日夜、バクダッドからパリに到着、シラク大統領と夕食をともにした。同事務総長はフランス・テレビに対し「イラク側と交わした合意は適切なもの」とし、合意内容が国連安保理で承認されることに自信を示した(24日夕刊)

(露)23日、ヤストルジェムスキー大統領報道官は、エリツィン大統領とクリントン米大統領がイラクと国連の合意を受けて電話で会談し、安保理での協議のため両国外相に緊密に連絡をとりあうよう指示することで合意したと語った(24日報道)。

○23日、外務省は、タラソフ情報出版局長の声明として「アナン国連事務総長とイラク政府の合意を高く評価する」、「国連安保理が右合意を決議として確定化し、国際査察団の活動が実り多いものとなるような道を開くよう希望する」、「イラク側の建設的な協力を受けて、右は最終的に、イラク国民の(生活)状況に非常に重くのしかかっていた。同国に対する国際的な制裁の解除をもたらすものでなければならない」旨発表した。

(中国)23日、朱邦造外交部スポークスマンは「国際社会の広範な支持の下、アナン国連事務総長とイラク政府との間で、イラク兵器査察問題の解決につき最終的に合意したとの報に接し、嬉しく思っている。中国政府は、このことに対し、衷心より歓迎の意を表する。我々は、事務総長がこのために行った外交努力を高く賞賛、支持し、関係各方面がこの成果を促すために表した柔軟性及び知恵を積極的に評価する」旨述べた。

(2)欧州、大洋州

(独)コール首相は「アナン国連事務総長がなした大きな、そして果敢な努力に大いに感謝しなければならない」、「この合意を無条件で貫徹することが重要である」旨発言(24日報道)。
(伊)23日、プロディ首相報道官は、同首相がイラクと国連の合意について「深く満足している」と語った旨発表(報道)。
(スペイン)24日午前の西独首脳会談後の記者会見では、イラク問題については両首脳とも「アナン国連事務総長が達成した「合意」につき満足の意と同事務総長に祝意」を表明するにとどまった(24日報道)。
(バチカン)23日、ローマ法王庁は査察合意について「イラク国民の大きな苦痛となっている制裁・禁輸の解決の前提となることが期待される」とした声明を発表(24日夕刊)。
(ギリシャ)23日、レパス政府報道官は、今回の合意は好ましい展開である旨述べた。
(サイプラス)23日、フリストフィーディス政府報道官は「平和にとって計り知れない貢献となる今回の合意に関し、アナン国連事務総長に祝意を述べたい」旨述べた。
(加)政府は、今次アナン国連事務総長のイラクとの合意を前向きな発展として勇気づけられている。他方、アックスワージー外相は、この合意を安保理が詳細に検討する前に加政府の承認を与えることは出来ないと述べた(23日CTV報道)

○国防相スポークスマンは、加軍を湾岸地域から即時撤退することはないと述べた。フリゲート艦「トロント」は引き続き同地域へ向け航行を続け、ハーキュリース空中給油機2機も同地域で待機を続けている(CP電)。

(豪)ダウナー外相は、イラクとアナン国連事務総長の合意を歓迎すると述べるとともに、「合意内容が国連安保理メンバーに受け入れられるものかどうか注視しなければならない」と述べた。同外相はまた、湾岸に派遣した豪部隊について危機がなくなるまで引き揚げないとの見通しを明らかにした。一方、ハワード首相は、合意について歓迎の意向を示したが、合意が満足されるものかどうかよく見なければならないと述べた。同首相は「サッダーム・フセインは言うこととやることが異なる」と語った(23日報道)。

(3)中近東

(エジプト)23日、ムバラク大統領は記者会見にて、「(アナン国連事務総長とアジズ・イラク副首相との間の)合意は自分に希望を与えるものであった。右合意が安保理で承認されることを望む。安保理が右合意を承認した後はイラクが右合意の全ての条項を履行することを望む」旨述べた。
(シリア)アサド大統領は、シラク仏大統領から電話連絡を受けた際、今次合意により軍事衝突の可能性は遠のいた旨発言(24日報道)。
(サウディ)23日、ファーリシ情報相は定例閣議後、「閣議はアナン国連事務総長がイラク・国連間で合意署名に達し、この合意は関連安保理決議に沿うものであると発表したことに満足する」、「サウディは、国連安保理が本件合意を承認した上で、地域の安全と安定が継続するよう、合法的な諸決議とこれまでに署名された合意に従って中東和平プロセスを進めるために即座に、同様の手段を講じることを望む」旨述べた。
(クウェイト)サアド皇太子は「今回の問題は全て国連とイラクの間のものである。今回の合意は更に深く検討する必要がある。我々は、静かに眼光紙背に徹し、合意内容について更にはっきりと明確化させる必要がある」と述べた(24日報道)。

○クウェイトの人権運動家、ファーティマ・アブダリーはイラクと国連との間の合意について「合意は世界を安堵させるかもしれないが、クウェイトを安堵させることにはならない。我々は彼を信頼しない」と語った(22日クウェイト発ロイター)。

(オマーン)23日、外務省スポークスマンは「オマーンは、事務総長の努力を評価するとともに、平和達成及び関連安保理決議の履行の機会強化のため、また、イラク国民が更なる困難を被らないように、この合意が安保理理事国の受け入れるところとなることを望む」旨述べた。
(イエメン)イリヤーニー副首相兼外相は「イエメン政府は、23日アナン国連事務総長とイラク政府との間で達成された現下の危機を終結させる合意を歓迎し、本合意の達成に満足している」、「イエメン政府は、今次合意が遵守されることによって、1990年以来続いている経済制裁が解除され、イラク国民の困窮が終結することを希望する」旨の声明を発表(24日報道)。
(バハレーン)23日、外務省は「イラクとアナン国連事務総長との間で達成された合意を歓迎すると共に、かかる合意の達成のために払われた同事務総長の尽力を賞賛する」旨の声明を発表。
(ア首連)ザーイド大統領は、イラク・国連間の合意を歓迎する、合意堅持のための努力の継続及び全障害の除去を要請する、国連制裁解除のため国連武器査察チームが出来るだけ早く作業を終了するよう希望する、との声明を発出(24日報道)。
(テュニジア)23日、外務省は「テュニジア政府は今回のイラク問題に関し、これまでの平和的解決の枠組みでイラク政府と国連の間で達成された合意を歓迎する」、「危機解決に向けたこれまでの関係当事者及び国連事務総長の努力を多とし、本合意がイラク国民の救済と経済制裁の解除、そして中東のみならず世界の紛争解決における国連の役割を強化するための大きな一歩となることを期待する」旨の声明を発表。
(パレスチナ)アラファト議長はイラクと国連の合意について「いいニュースを聞いて、非常に嬉しい」と語った(23日報道)。
(OIC)OICアゼディン・ララキ事務総長は、「アラブニュース」紙に対し「国連とイラクの合意調印に満足しており、これがイラクに対する武力行使という危機を終結させ、イラク国民への近い将来での禁輸解禁に導くことを希望する」旨の記者発表を行った(24日報道)。





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