2月21日午後5時半までの主な動き。
| 主な動き
●20日午後11時50分頃(日本時間)、アナン国連事務総長はバグダッドに到着。同日夕、アジズ副首相と非公式に会談。予定を1日延長し、23日までイラクに滞在。
●アナンSGは21日午前10時(現地時間)から、イラク外務省において、アジズ副首相と会談を開始した。この後、国連イラク問題専門家と、イラク政府の担当者による合同会議に出席予定。また、同日中にフセイン大統領とも会談する見通しとの報道もあるが、右会談は確定していないとの報道もある。
●安保理は、20日、イラクの石油輸出拡大(180日間で現在の20億ドルから52億ドルに増加)を承認する決議を、全会一致で採択。
●20日、米国務省報道官は、対イラク武力行使方針に対し、これまでに20ヶ国が米国に軍事面の協力を申し出ていると発言。但し、中東諸国で名前が挙げられたのはクウェイトのみ。
●20日、米政府は、クウェイトとイスラエルの米在外公館館員の家族及び緊急要員ではない館員に対して自主的な退避を認める(authorized the voluntary departure)と発表。また、クウェイト、イスラエル、西岸・ガザ地区の米市民に国外退去検討を要請。
●20日、米大統領報道官は、アナン国連事務総長の対イラク調停外交を踏まえて、国家安全保障会議(NSC)が21日以降、連日召集される旨発言。
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1.米国
○対イラク武力行使方針に対し、これまでに20ヶ国が米国に軍事面の協力を申し出。協力を表明しているのは英、独、伊、スペイン等欧州14ヶ国の他、豪、アルゼンチン、加など。中東諸国で名前が挙げられたのはクウェイトのみ(20日、米国務省報道官発表)。
○20日、米政府は、クウェイトとイスラエルの米在外公館館員の家族及び緊急要員ではない館員に対して自主的な退避を認める(authorized the voluntary departure)と発表。また、クウェイト、イスラエル、西岸・ガザ地区の米市民に国外退去検討を要請(報道)。
○20日、ワインバーガー元国務長官等元高官や学者約40名は、イラク空爆及びイラク反政府組織支援を要請する超党派の共同書簡をクリントン大統領に送付(同日付報道)。政府は、反フセイン勢力を効果的に支持するための方途を検討中(同日国務省記者ブリーフ)。
○(トルコ国内の基地使用の質問に対し)ノーコメント(20日国務省記者ブリーフ)。
○21日、ワシントン発AFPは、米政府高官の話として、米軍が武力行使に踏み切る場合、24時間態勢で4日間にわたり空爆を行う計画であると報道。
○20日、米大統領報道官は、アナン国連事務総長の対イラク調停外交を踏まえて、国家安全保障会議(NSC)が21日以降、連日召集される旨発言。米政府は攻撃直前のクリントン大統領の国民向け演説や対イラク最後通告も計画(21日報道)。
2.イラク
○20日、アナン事務局長を出迎えたターリク・アジーズ副首相は、事務局長の楽観的な見通しを共有する、イラクはイラクの主権と尊厳及び安保理決議の実施を保全するバランスがとれた公平な解決策を求めている旨語った。
3.各国の動向
(1)P5
(英)ブレア首相は、ロンドンでコール独首相と会談し、独の支援を歓迎(18日報道)。ブレア首相は、アナン事務総長と電話会談し、「武力行使の威嚇はまやかしではない」旨述べた。(19日報道)。フェチェット外務担当相は、イラクの原油輸出拡大決議を20日、安保理に提出すると語った(19日報道)。英国政府は、パレスチナ自治区の自国民に注意を喚起(報道)。
(露)19日、バグダッドを訪問中のポスヴァリュク特使はフセイン大統領に会見。21日、ポスヴァリュク特使は、バグダッドにおいて、アナンSGとアジズ副首相らイラク政府当局者との間の協議に先立ち、同SGと会談した(報道)。
(中)19日、中国外交部は、関係方面が更に柔軟な態度をとり、事務総長の調停が積極的な成果を収めることを希望する旨声明。
(2)欧州・大洋州諸国
(豪)豪州軍SAS部隊110名がクウェイトに到着。(20日ABSラジオ)。21日、ハワード首相は、現段階で決定しているのは配備までで、軍事行動参加までは決定していない旨発言。(報道)
(ノールウェー)19日、政府は、C-130輸送機1機と右乗員20~30名を軍事行動に参加させる旨、議会の拡大外務委員会に報告した。
(EU)20日、イラク情勢に関するEU議長国声明が発出された。同声明は、(a)イラクを訪問するアナン事務総長に対する強い支持と完全なる信頼を表明するとともに、(b)イラクが関連安保理決議を履行して国際社会の要求に沿った条件で大統領関連施設へのアクセスに関する枠組みを受け入れるのであれば、外交的解決は未だ可能であるとして、(c)イラク政府に対し、今回のSG訪問の機会に関連安保理決議の履行の意思を表明するよう呼びかけている。
(3)中東諸国
(イラン)イラン国営通信は、19日、外務次官がリアドにおいてファハド・サウディ国王に会見し、イランはイラクに対する武力行使の結果に深い懸念を表明した旨報道(19日ロイター報道)。
(ジョルダン)マアン市において20日、反武力行使のデモを行った数百人の礼拝者と警察が衝突し、ジョルダン人一名が死亡した。
(4)その他
(シンガポール)20日、外務省は、いかなる結果になろうとイラク政府が責任を負うべき、との声明を発表(20日報道)
4.国連関係の動き
○20日、バグダッド発時事は、イラクの大統領関連施設8カ所を実地調査した国連専門家チームが、施設の総面積は31.5平方キロで、バグダッドに3カ所、バスラに1カ所など全国に点在、全面積の約3分の1は人口湖であったとの調査結果を発表した旨報道。
○20日夕(バグダッド時間)、アナンSGは、バグダッドに到着、アジズ副首相に迎えられた。空港で記者に対し、平和解決に楽観的である旨の短い発言を行った。同SGは、同日、アジズ副首相と非公式に会談。滞在を1日延期し、23日まで滞在する。(20日バグダッド発報道)。
○アナンSGアジズ副首相との会談に続いて、国連イラク問題専門家と、イラク政府の担当者による合同会議に出席予定(20日バグダッド発報道)。
○アナンSGは21日午前10時(現地時間)から、イラク外務省において、アジズ副首相と会談を開始した。20日の報道では、アナンSGが21日にフセイン大統領とも会談する見通しとの報道もあったが、その後、イラク側との正式協議以降の日程は未定であり、フセイン大統領との会談についても確定していないとの報道もあり(21日バグダッド発報道)。
○20日午後(NY時間)、安保理公式会合が開催され、決議986の下でのイラク産石油の限定的輸出許可(いわゆる「OIL FOR FOOD」)の限度額を現在の180日間で20億ドルから52.56億ドルまで引き上げること等を内容とする決議1153が全会一致で採択された(わが国を含む全ての国が共同提案国になる意思を表明したため、決議案は「議長テキスト」として提案され、採択された)。