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イラク情勢(最近の動き)

2月20日 8:30

 2月20日午前8時30分までの主な動き。

 主な動き

●18日10時30分(NY時間)、安保理非公式協議が開かれ、各国がアナン事務総長のイラク訪問に対して支持を表明。
クリントン大統領は、17日アナン事務総長と電話会談し、 イラク側が中途半端な妥協をした場合は「平和ではなく戦争 に繋がる」と警告(18日CBSテレビ報道)。
18日に行われた米政府の市民集会は、米国世論の分裂を 露呈したとの内外の報道多数。
●18日、仏大統領府は、アナン事務総長が19日夜パリに てシラク大統領と会談する旨発表。19日、仏外務省は、事 務総長は20午前10時(日本時間午後6時)にパリ南郊の 空軍基地から仏特別機でバグダッドに向け出発、同日午後到 着予定と発表(共同報道)。

1.我が国

○19日朝、小渕外務大臣は、アナン国連事務総長と電話会談。
○19日、柳井外務次官は、アリ在京イラク臨代の来訪を求め、アナン国連事務総長のイラク訪問を踏まえ、UNSCOMに対する完全な協力を再度申し入れた。

2.米国

○18日、米国務省のフォーリー報道官は、国務省当局者がイラクの反体制派「国民議会」のアハマド・チャラビー議長と近く会談する旨述べ、「我々は過去にもイラク反政府組織を支援してきたが、今後はより効率的な支援策を進める」と語った(報道)。
○カーター元大統領は、米CBSのUp to the Minuteで、イラク空爆で10万人以上のイラク民間人が犠牲になるかもしれず、逆効果であると語った(報道)。
○18日午前、安保理非公式協議後、リチャードソン国連大使は以下を表明。

  • 事務総長及び外交的努力を全面的に支持。
  • イラクに対しては取引の余地なく、以下の3点は妥協してはならない。
    (1)安保理決議の完全な履行
    (2)自由で、無条件で、無制約な査察の実施
    (3)UNSCOMの一体性が保持されること
  • 安保理は一致して口頭の助言を事務総長に与えた。
  • 事務総長のミッションはイラクにとり最後の機会。
19日、クリントン大統領は、ゴア副大統領の23日からの外遊を中止させ、国家安全保障担当の政府高官をワシントンに待機させる等、緊急体制を構える考えを明らかにした(20日報道)。

3.イラク

○米オハイオ州コロンバスの市民集会の模様をCNNで観たイラク政府関係者は、米国国民は武力行使に関する米大統領の努力を支持していないと感じた旨示唆した(19日CNN報道)。
○18日、イランを訪問中のサッハーフ外相は、イランのハラジ外相、ハタミ大統領と会談。ハラジ・イラン外相は米国による武力行使を批判し、イラクに対しては査察受入れを要求。

4.各国の動向

(1)P5

(英)18日、クック外相は声明を発出し、アナン国連事務総長のイラク訪問は危機を解決する最後の機会となろう、(英米の立場への)国際的支持が強まっており軍事的支援を申し出る国が増えている旨述べた。
(露)ロシア政府は、ワシントン・ポスト紙が報道した生物兵器転用可能高性能装置のイラクへの転売疑惑を否定。19日、ポスヴァリュク特使はフセイン・イラク大統領と会談、エリツィン大統領の親書を手交。同特使によれば、フセイン大統領は、アナン国連事務総長のイラク訪問が成功裡に終わるよう真剣な措置をとる旨述べた(19日インタファクス)。

(2)欧州諸国

(伊)18日、アンドレアッタ国防相は、訪問先のポーランドでアナン国連事務総長のイラク訪問が失敗した場合、米軍による国内基地使用を検討する旨述べた(報道)。
(デンマーク)18日、国会は賛成多数でC-130輸送機1機を湾岸に派遣するとの政府提案を承認。(国防大臣秘書官によれば、審議の過程で兵員33名を同時に派遣することも承認された由。)
(アイスランド)アスグリムソン外相は、米国からの要請がなされた場合には、イラク攻撃のためにケフラヴィーク飛行場の使用を許可する方向で検討する旨発言(16日付アイスランド・ニュース・ブリーフ報道)。
(ノールウェー)19日、国防省は、武力行使の際には米国を支援するためC-130輸送機を派遣すると発表。非戦闘員20~30人が搭乗し医療支援を行う予定(19日AFP報道)。

(3)中東諸国

(クウェイト)17日付報道によれば、サウード情報相はクウェイトとGCC同盟国は今次軍備増強に要した経費の支払いを要請されていない旨発言。19日付報道によれば、サーレム副首相兼国防相は、18日、イラク攻撃はクウェイトからは開始されない旨述べた。首長家の一員であるアハマド・アジアオリンピック委員会委員長は、18日、米軍の駐留は予防的な措置で、クウェイト領土がイラクへの地上攻撃のための一役を担うことはない旨述べた(19日クウェイト紙報道)。
(ア首連)17日、ザーイド大統領はムバラク・エジプト大統領と電話会談。また、クリントン米大統領よりの親書を受領(報道)。
(エジプト)17日、ムバラク大統領は、クリントン米大統領、アナン国連事務総長、ザーイド・ア首連大統領より電話を受け協議。
(サウディ)アブダッラ皇太子は協議のためカイロを短期間訪問した(18日ロイター報道)。
(シリア)18日、アサド大統領は、ムバラク・エジプト大統領、アブダッラ・サウディ皇太子から電話を受けた。(18日ロイター報道)。
(ジョルダン)18日、数百人の学生がジョルダン大学の学内で親イラク・デモ行進を実施(18日ロイター報道)。
(パレスチナ)ハマスの軍事部門(イッザッ・ディーン・アル・カッサーム)は、もし米国がイラクに軍事行動を起こすならイスラエルでテロを実行する旨声明を発出。パレスチナ暫定自治政府は、親イラク活動を抑える一環で、16、17日、民間ラジオ局及びベツレヘムの民間TV局1社を閉鎖。(いずれも18日付エルサレム・ポスト紙報道)
(イスラエル)2日以内に数十発のペトリオット・ミサイルや対生物兵器用防護装置及び探査装置が米国の緊急事態支援ファンドに基づき到着する。国防軍(IDF)情報局長は、「米国の攻撃はより大規模なものとなり、イラクが米軍を攻撃する可能性は増しているがイスラエルへの攻撃の可能性はほぼゼロである」と述べた(いずれも19日イスラエル紙報道)。

(4)その他

(インド)18日、グジュラル首相は訪印中のボジャール仏特使と会談し、シラク大統領からの親書を受領。同首相は仏特使に、インドは武力行使に反対する旨伝えた(報道)

5.軍事情勢

○米軍としては、イラクにおける攻撃目標及び武器使用については特定しておらず、軍事作戦前に注意深く再考する意向であり、一般市民の安全にも十分な考慮を払うことを明言。(米国防部広報部)
○18日、NZ国防大臣は、議会において「NZ空軍要員60人及び陸軍特殊部隊20人及び対潜哨戒機2機(うち1機は21日に出発)が19日朝豪州経由でクウェイトに向けて出発する予定」と発表(19日付NZ紙)

6.国連関係の動き

イラク駐在の国連職員29名がジョルダンに出国し、2名は北イラクへの出発を準備中。他のグループも20日出国を予定している(19日報道)。
○18日、安保理非公式協議に続き、安保理議長(ガボン)は、安保理は事務総長のイラク訪問を歓迎し、完全な支持を与え、打開策を見いだしうることに完全な信頼をおいている旨表明。
○アナン事務総長のイラク訪問にはブラーヒーミー元アルジェリア外相等が同行予定(報道)
○19日付NY発共同は、アナン事務総長の調停案の概要として、事務総長任命の外交官が大統領官邸の住居部分を視察する、査察の期限は無制限とする等報じている。



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