2月10日午前0時までの主な動き。
主な動き
●8日、コーエン米国防長官はファハド・サウディ国王との会談後の記者会見で「我々はサウディに(基地使用を)要請しておらず、その必要もない」旨発言。他方、同長官はイラクへの武力行使に対するサウディ政府の強い支持を確信したことを表明。同長官は、ク
ウェイト訪問後、バハレーン、カタル、ア首連、オマーンを訪問し13日昼にワシントンに戻る予定。
●9日、アラブ連盟のメギード事務総長は、カイロ市内の記者会見で、イラク国内の重要施設68ヶ所を今後2ヶ月間国連の査察対象にするとの新提案を近く国連に提出する方針である旨発表。
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1.米国関連
○(対中国)8日、クリントン米大統領はクレティエン加首相に対し、電話にて正式に対イラク軍事行動の支援を要請。支援の内容は戦闘部隊の派遣ではなく、輸送・救援等の後方支援である由。加の参加の是非は10日議会で討議予定の由。
(対豪)ハワード首相は、クリントン米大統領が、ハワード豪首相に、豪州からの軍事援助に関する支援要請(7日に電話会談)。これを受けて、豪州は、10日の閣議で対イラク武力行使に豪州も参加することを原則的に進める方向で調整に入った。
2.イラク関連
○特使では唯一現地に残ったポスヴァリュク露外務次官が、イラク側と協議を継続中。
○イラクから帰国したアラブ連盟のメギード事務総長は、9日、カイロ市内の記者会見で、イラク国内の重要施設68ヶ所を今後2ヶ月間国連の査察対象にするとの新提案を近く国連に提出する方針と発表。この提案は、アラブ連盟とイラク、露、仏が共同で作成した由。このうち60ヶ所については無条件でUNSCOMに査察を認め、残る8ヶ所の大統領関連施設はイラクの主権に関わる重要施設のため、アナン事務総長が査察団長を任命、バトラー委員長は副団長となり、両者の指導の下で査察を行うという内容。この新提案に対し、米、英は「依然として条件付きであり、受け入れられない」と言明。
○7日、イエメンを訪問中のマーリキー・イラク大統領特使(司法相)は、サーレハ大統領に対しフセイン大統領からの親書を手交。8日、ラマダン・イラク副大統領はインタビューに答え「(米、英が武力行使に出ても)湾岸戦争を耐えた現政権が転覆されることはない」旨発言。
3.周辺諸国
(GCC)9日付報道によれば、GCC6カ国外相緊急会議がクウェイトで数日中に開催される由。
(サウディ)8日、コーエン米国防長官とスルタン国防相が共同声明を発表し、「フセイン・イラク大統領が安保理決議の遵守を拒否した場合、同大統領がその行動の全責任を負うことになる」旨指摘。
(イラン)8日、シャムハニ国防軍需相は記者会見で国際社会でのコンセンサスが出来ていない点を指摘し、現段階での武力行使に反対の立場を強調。
(エジプト)9日にムーサ外相が仏を訪問予定。
4.軍事情勢
○8日、米国防総省のベーコン報道官は、空母ニミッツがペルシャ湾を離れたことを確認した。これでペルシャ湾の米空母は、インディペンデンスとジョージ・ワシントンとなる。なお、ニミッツの艦載機の一部が今月5日にペルシャ湾に到着したインディペンデンスに引き継がれているとの報道がある。
○コーエン米国防長官は、8日、ドイツのミュンヘンでイスラエルのモルデハイ国防相と会談し、イラクがイスラエルを攻撃した際の対応について「イスラエルは明白に自衛権を持ち、適当な事態ではそれを行使するだろう」と反撃を認める姿勢を示した。
5.その他
(国連)10日から予定されていたアナン国連事務総長の中東歴訪は取りやめとなった。
6.邦人保護関連
○イラクには6日に海外危険情報危険度5「退避勧告」を再発出済。