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日インドネシア首脳会談
共同声明




 メガワティ・スカルノプトゥリ・インドネシア共和国大統領は、日本国国賓として、2003年6月22日から25日まで日本を公式訪問した。右訪問中、小泉純一郎日本国内閣総理大臣は、内閣総理大臣官邸にて、メガワティ・スカルノプトゥリ大統領との間で首脳会談を行った。


一般声明
  1. 両首脳は、「率直なパートナー」として「共に歩み共に進む」という協力の枠組みの下、日本とインドネシアの間の協力を強化することの重要性を再確認した。また、両首脳は、地域の安定と発展の達成に向け、国連、ASEAN+3(日中韓)、ASEAN地域フォーラム(ARF)、アジア欧州会合(ASEM)、アジア太平洋経済協力(APEC)等の二国間、地域的、国際的枠組みを通じ、協力を一層強化するとの意思を再確認した。インドネシアの本年7月のASEAN議長国就任並びに本年12月に日本で開催される日・ASEAN特別首脳会議は、日・ASEAN間の協力関係を更に向上させることになるであろう。

  2. 両首脳は、3つの基本的テーマ、即ち、(1)インドネシアの民主化を含む改革過程の促進及び繁栄の達成、(2)安定したアジア地域の実現、(3)将来の発展に向けた協力、に基づき両国間で二国間協力を強化すべきであるとの見解を共有した。両首脳は、こうした関係は互恵に基づく建設的パートナーシップに繋がるであろうとの両首脳の期待を改めて表明した。

改革過程の促進及び繁栄の達成
  1. メガワティ大統領は、インドネシアの改革過程及び民主化の加速化に向けた日本の援助と支援に対して謝意を表明し、インドネシアは引き続き広範な改革を実施する旨表明した。経済分野では、メガワティ大統領は、インドネシアは、特に同国のマクロ経済の安定を維持することによって、IMFプログラムからの卒業を可能とするような戦略を検討していると述べた。小泉内閣総理大臣は、インドネシアが、IMFプログラムからの円滑な卒業のための戦略を実行することを期待する旨表明するとともに、経済改革の継続の重要性に留意した。更に、小泉内閣総理大臣は、インドネシアが2004年以降も健全な形で財政政策及び経済を運営出来るように、日本はインドネシアの改革努力に対する支援の提供を継続することを改めて確認した。

  2. メガワティ大統領は、同大統領が「2003インドネシア投資年」を打ち上げたことを説明するとともに、インドネシア政府は経済成長を促進すべくインドネシアの投資環境を改善する決意であると述べた。これに対し、小泉内閣総理大臣は、両国間の経済関係を高めるに当たり民間セクターが重要な役割を担うとの見解を表明するとともに、引き続き投資環境を改善するとのインドネシアの意図を歓迎した。両首脳は、こうした努力が、日本の既存の直接投資の維持あるいは拡大さえもたらし、また、新たな投資を誘致することになるとの見解を共有した。小泉内閣総理大臣は、メガワティ大統領のリーダーシップの下、主要閣僚から成る投資促進チームが早期に設立され、また、投資環境改善のための包括的な中期的工程表が作成されることへの期待を強調した。

  3. 小泉内閣総理大臣及びメガワティ大統領は、2001年9月の両首脳間の決定を受けて設置された日本の経済政策支援チームが、インドネシア政府が行っている経済改革努力において重要な役割を演じるであろうことに留意した。

  4. 両国間の貿易及び投資並びにその他の分野における二国間協力の促進のために、両首脳は、日本及びインドネシアの間の二国間経済連携協定(EPA)の可能性を予備的に探求するよう、両政府の実務者に対し任務を与えるとの決定を行った。この関連で、両首脳は、また、投資協定に関する協議を再開する意図を表明した。

  5. メガワティ大統領は、小泉内閣総理大臣に対し、1997年から98年の通貨危機により保留となっていた、電力、石油化学、石油・ガス及び肥料工場等の分野におけるプロジェクトが成功裡に完了したことを説明した。メガワティ大統領は、これらのプロジェクトの再交渉及び再編成の過程において、様々な日本企業及び政府関係機関が果たした重要な役割につき前向きに評価した。

  6. 両首脳は、より良い統治の達成のための諸過程の一つとしての警察改革における両国間の協力が、前向きな成果を見せていること、また、両政府が引き続きこの分野で協力していくことを確認した。小泉内閣総理大臣は、日本は、インドネシアにおける司法改革への支援を継続し、強化していくと述べた。小泉内閣総理大臣は、また、インドネシアにおける民主化の一層の促進に向け、2004年に行われる選挙においてインドネシアを支援するとの日本の意図を述べた。

安定したアジア地域の実現に関する協力
  1. 両首脳は、テロ問題が国際の平和及び安全の維持にとり主要な障害の一つであることを改めて確認するとともに、国際テロとの闘いに関する共同発表に記された基本的枠組みに従い、こうした脅威の克服のために協力を継続するとの意図を表明した。小泉内閣総理大臣は、テロとの闘いにおけるインドネシアの努力及び国際社会との協力に対する評価を表明した。インドネシアにおける治安状況に関し、メガワティ大統領は、インドネシアに関する渡航情報(危険情報)のレベルを下げるとの日本政府の決定に対し、観光に対し前向きな効果をもたらし得るものとして、謝意を表明した。

  2. 両首脳は、東南アジア海域において増大する海賊問題の克服を重視した。両首脳は、海賊行為の増加が、日本を含む近隣諸国の海上輸送の安全に対し深刻な脅威をもたらすとともに、地域の社会的及び経済的発展に対し悪影響を与えることを認識した。この関連で、両首脳は、「アジア海賊対策地域協力協定」の早期採択を含め、海賊行為の予防及び防止に関する協力を両国が強化する緊急の必要性があるとの見解を共有した。

  3. 両首脳は、森林の違法伐採及び関連する違法取引の問題に対処することの重要性に留意した。この関連で、両首脳は、2003年6月24日、東京において署名された「違法伐採及び違法に伐採された木材と木製品の国際貿易に取り組むための協力に関する共同発表及び行動計画」に記されているとおり、また、ヨハネスブルグにおける「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)」の際に日本及びインドネシアの主導により発足した「アジア森林パートナーシップ」に沿って、両国間の協力に向けた包括的な措置を講じていくとの意図を表明した。

  4. 両首脳は、朝鮮半島情勢に対する懸念を述べ、特に北朝鮮の核問題につき、朝鮮半島における平和と安定に対してのみならず、アジア地域及び国際的な核不拡散体制に対する最大の懸念であると表明するとともに、事態の悪化に繋がる如何なる行動もとられるべきでない旨及び核問題を含む諸問題の解決に向けた責任ある措置がとられるべきである旨強調した。両首脳は、良い出発点となった4月に北京において開催された三者協議を含め、核問題の解決を助ける方途を探求する様々な関係国による努力を賞賛するとともに、より強化された対話が北朝鮮を巡る諸問題の包括的解決をもたらし得るとの期待を表明した。両首脳は、核問題の平和的かつ外交的解決を探求するに当たり、両国間及び他の関係諸国との協力をさらに強化するとの意図を表明した。メガワティ大統領は、日朝平壌宣言に基づき核問題、ミサイル問題及び拉致問題等の諸問題を解決し、北東アジアの平和と安定に資する形で日朝国交正常化を実現するという日本の立場の元にある懸念を共有した。

  5. アチェ情勢に関し、小泉内閣総理大臣は、日本としてインドネシアの主権及び領土の一体性を完全に支持することを改めて確認した。アチェ問題につき、小泉内閣総理大臣は、対話を通じた平和的解決を探求してきたインドネシア政府の努力を賞賛し、また、対話を通じた平和的解決が本紛争の解決に向けた最善の方法であることを再確認しつつ、関係者間の対話の再開により、2003年6月19日に発出されたARF議長声明で述べられている通り、最終的解決策として、特別自治に基づく政治的解決が達成可能となるとの希望を表明した。この関連で、小泉内閣総理大臣は、状況が許せば、このような対話のための会合開催について、東京で行うことも含め、日本としてインドネシアと協力する用意がある旨述べた。また、小泉内閣総理大臣は、人的被害及びアチェにおける統合作戦の行き過ぎが最小限のものとされることへの希望を表明した。

     メガワティ大統領は、インドネシア共和国の主権と領土の一体性に対する日本政府の継続的な支持に対する深い謝意を表明した。メガワティ大統領は、ナングロ・アチェ・ダルサラーム州における最近の情勢を小泉内閣総理大臣に対し詳細に説明するとともに、インドネシア政府は、喫緊の必要である人道的援助をアチェ住民に供与し、法を執行し、平和と安全を回復し、全ての地方政府の機能を完全に確保するために、集中的な統合作戦により同国の主権及び領土の一体性を維持する責任を果たすために必要な全ての措置を講ずることを余儀なくされていると述べた。また、メガワティ大統領は、対話の扉は依然として開かれていると述べ、両首脳は、アチェ問題の最終的な解決策として、特別自治に基づいた平和的解決策が見出されるよう希望した。また、メガワティ大統領は、日本政府のこのような対話に対する支援の申し出に対して謝意を表明した。

将来の発展に向けた協力
  1. 両首脳は、「日本ASEAN交流年2003」を成功させること、広範な分野における協力を強化すること、また、政府及びコミュニティの両レベルで経済的及び社会的活動並びに文化的及び知的交流を促進することの重要性を強調した。

  2. 両国間の社会的、経済的及び異文化間の関係の発展に向け観光の果たす役割につき高く評価した上で、両首脳は、「観光協力に関する日・インドネシア共同発表」に基づき協力を推進する旨確認した。

  3. 両首脳は、国際協力を通じたアフリカ地域の経済発展を促進することの重要性を認識する。両首脳は、インドネシア及び南アフリカ共和国が共同で立ち上げ、間もなく開催されるアジア・アフリカ準地域機関会合(AASROC)、及び、日本、国連、アフリカのためのグローバル連合及び世銀が共催する第3回アフリカ開発会議(TICAD III)は、相互に補完的であるとの認識で一致している。更に、両首脳は、これら2つのフォーラムへの支援における日本とインドネシアの協力が、グローバルな課題におけるアジアとアフリカとの間のより良い地域間協力を促進することを希望した。これにより、両首脳は、インドネシアが行っている南々協力プログラムの支援に当たり、日本がより重要な役割を果たすことを可能とするパートナーシップ・プログラムを、両政府が立ち上げるとの見解を共有した。



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