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共同プレス・ステートメント (仮訳) アテネ、2003年5月1-2日
コスタス・シミティス・ギリシャ首相(欧州理事会議長)及びこれを補佐するハビエル・ソラナEU共通外交安全保障政策上級代表並びにロマーノ・プローディ欧州委員会委員長は小泉純一郎日本国内閣総理大臣とともに、2003年5月1日及び2日、アテネにおいて第12回日EU定期首脳協議を行った。 日EU首脳は、既に良好な日EU関係が、順調に進展し続けていることを認識した。このような状況において、日EU首脳は、「日EU協力のための行動計画」が積極的に実施され続けるべきであることを強調した。日EU首脳は、昨年得られた満足できる成果に留意するとともに、次回の首脳協議までに進展が図られるべき多くの具体的な優先事項を特定した(詳細は別添を参照)。 日EU首脳は、日EUの戦略的パートナーシップの発展を促進することにつき改めて決意を示した。これは、日本とEUを合わせると世界のGDPの約40%、世界の貿易量の約28%を占めるという経済的な強い結びつきによるのみならず、政治対話及び協力がより頻繁に行われていることにも基づくものである。 日EU首脳は、世界的な平和と安定の強化に貢献するため、国際的な紛争地域における民主主義、法の支配及び良い統治の構築に向けた主導的役割を発揮することなどにより、日EUの政治協力を強化し、政治的・戦略的パートナーシップをより強固にするとの決意を改めて示した。双方は、ASEMにおける対話を通じて二つの地域を近づけるという願望を共有し、政治、経済、文化及びその他の側面における日EUのパートナーシップを深めるとの意思を再確認する。これにより、今後数年間にわたってより活発な地域間の連携がもたらされ、より良い国際的仕組みへの貢献がなされるべきである。 日EU首脳は、朝鮮半島における現在の状況は、地域の重大な懸念にとどまらず、不拡散の観点から、深刻な地球的規模の影響を有していることを認識した。EUは、昨年9月の平壌訪問という小泉総理の主導的役割を賞讃するとともに、現在の状況の平和的解決を図る上で日本が引き続き積極的に関与することが重要であることを強調した。日EU首脳は、日朝平壌宣言が、拉致問題や安全保障問題を含む日朝間の懸案事項の解決を通じ、日朝関係の正常化に道を開く上で重要であることを確認した。日EU首脳は、盧武鉉韓国大統領の「平和と繁栄政策」の中核である、南北間の政治的・経済的関与を維持する努力を支援する。日EU首脳は、北朝鮮が、核兵器開発計画を、目に見えるかたちで、不可逆的かつ検証可能な方法で即時に廃棄しなければならないことを改めて述べた。日EU首脳は、この問題が多国間の枠組みの中で議論されるべきであるとの考え方を支持する旨表明した。日EU首脳は、先般北京で開催された米中朝間の政治対話が、他の関係各国のあり得べき参加も得て、そのような方向に向けた一歩となり得ることに留意した。日EU首脳は、北朝鮮が国際社会の責任ある一員として行動するとともに、現在の状況を改善し、朝鮮半島の平和と安全を保障するために、不拡散分野における国際的な約束を完全に履行するよう強く促した。EUと日本は、他のパートナーと調整しつつ、外交的解決に向けて共に取り組む。 イラクに関し、日EU両首脳は、国の新たな将来を形成し、国際社会に復帰する新たな機会を得たイラク国民に新たな展望が開けたことを歓迎した。日EU両首脳は、また、現在の段階において、国際的な連帯を強化することが必要であるとともに、人道支援なかんずく緊急医療援助並びに文化遺産及び博物館の保護のためのものを含む安全の環境を確保することが必要であるという考えを共有した。両者は、イラクの領土的一体性及び地域の安定の保全を確保する必要性についての決意を表明した。日EU両首脳は、また、イラク国民により可能な限り早期に暫定行政機構が設置されることの重要性を強調した。更に、日EU両首脳は、国連が紛争後の状況における独自の能力と経験を活かしつつ重要な役割を担わなければならないことを認識した。EUと日本は、国連事務総長によるイラクに関する特別顧問の任命を歓迎し、国連の関与、当初の段階では人道支援における調整、を更に強化することを期待する。双方は、この地域全体の一層の安定のために協力することを決意した。 日EU首脳は、「中東和平プロセス」の状況と見通しについて協議した。日EU首脳は、マフムード・アッバース・パレスチナ暫定自治政府首相候補が提示した新政府に対するパレスチナ立法評議会による正式承認を、紛争緩和及び交渉再開に向けた重要な一歩として歓迎した。恐怖、暴力及び対立は、交渉と妥協へと変わらなければならない。国際社会は、平和と安全のうちに併存するイスラエルとパレスチナという二つの国家という考え方を共有している。この観点から、双方は、「四者」の「行程表(ロードマップ)」を遅延なく実施し、その実施において協力することの必要性を強調した。日EU首脳は、EUと日本がこのプロセスにおける重要な貢献者であるが故に一層、この問題について緊密な協議を維持する必要性を認識した。 日EU首脳は、民主主義と安定を強化し、経済的発展を促進するための、西バルカン諸国の欧州統合へ向けた努力を完全に支持する。この地域の諸国は、また、これらの目的を達成するために必要な改革をたゆまず続けていかなければならない。EUは、バルカン諸国に対する最新の「安定化・連合プロセス」の報告の肯定的な成果、また、EUと西バルカン諸国の関係を一層強化する上で新しい重要な一歩である6月のテッサロニキにおけるEU・バルカン首脳協議の準備につき説明した。 日EU首脳は、国連事務総長の提案する合意案に基づく交渉を通じたキプロス問題の迅速な解決の必要性を強調した。 現在の国際状況に照らし、EUと日本は、アフガニスタン復興の重要な貢献者として、ボン合意の完全な実施、新憲法の起草及び承認、自由且つ公正な選挙の実施、有効な国軍の創設、DDR(元兵士の武装解除、動員解除、社会復帰)関連作業の促進及び麻薬の非合法製造・密輸との闘いに対するアフガニスタン移行行政機構の努力を支持することにつき改めて強く決意を表明した。双方は、女性、子供及び少数民族の権利を含む実効的な人権保護の憲法的枠組みの設置を奨励した。 日EU首脳は、スリランカにおける情勢につき協議し、EUは、日本のスリランカにおける平和の定着に関する主導的役割を歓迎した。ノルウェー王国及び米国とともに2003年6月のスリランカ復興開発に関する東京会議における共同議長として、日EU首脳は、この会議の成功に向けた最大限の努力を行うことを確認した。 インドネシア及び中国関係などの双方が関心を有する地域情勢についても取り上げられた。EUはミャンマーに関する新たな「EU共通の立場」について説明し、日本は新たな「包括的アプローチ」について説明した。 日EU首脳は、双方向の貿易及び投資について、依然として相当の潜在的成長の可能性があることを認識した。EU側は、本年1月に小泉総理が施政方針演説において、今後5年間で対日直接投資残高を倍増させることを目標として表明したことを歓迎した。この関連で、両首脳は、より多くの欧州企業が日本に投資し、より多くの日本企業が欧州に投資することを奨励するために共に努力することの必要性を認識し、「日EU投資イニシアティブ」に関する声明を発出した。EU側は、日本において構造改革の進展が続いていること、特にビジネス及び投資環境の改善や、ビジネス関連サービスの自由化での改革の進展が続いていることを評価する旨述べた。これに対し、日本は、金融、製品及びサービス市場の改革を促進するために「リスボン・プロセス」の枠組みにおいてEUが努力を行っていることを歓迎した。 日EU首脳は、2003年4月16日にEU拡大に関する条約が署名されたことを歓迎した。2007年のEU加盟という目標が達成されるようブルガリアとルーマニアを支援することや、欧州に対するトルコの進展についても話し合われた。EU拡大は、欧州に安定性を高めるという政治的な利益をもたらすのみならず、より広い単一市場が創出され、また、新規加盟国における成長力の強化を通じて経済的にも利益をもたらすことが指摘された。これによって日本からの進出企業を含むEUとビジネスを行う外国企業に利益をもたらす環境が造りだされることとなる。日本側は、EU拡大は日EU関係、特に経済関係に重要な影響を及ぼすことを強調した。日本はこうした影響が利益をもたらすと固く信じる一方で、EU拡大による経済的効果の一部は複雑になり得る。両首脳は、これらの問題について協議する必要性を認識した。この目的のため、既存の協議の枠組みが最大限活用され、必要に応じ行動計画運営グループの特別会合が開催される。また、EUも日本の一般国民やビジネスに関わる人々にEU拡大の詳細を説明するために、広範囲にわたる一連の行事の日本開催に着手する。 日EU首脳は独占禁止協力協定が可能な限り早期に署名されることを期待する。 日EU首脳は地球的規模問題について協議した。WTO(世界貿易機関)については、両首脳は、「ドーハ開発アジェンダ(DDA)」で決められた交渉を一層加速させ、また、全ての「シンガポール・イシュー」の交渉を円滑に立ち上げることも含め、幅広い成果を得るのに必要な決定的打開策を達成するため、9月にカンクン(メキシコ)で行われる閣僚会議に向けて充分に準備する必要性につき意見の一致をみた。この目的のため、両首脳は、それぞれの立場を定期的に見直し、共通の立場を探求することを通じて、日EU間の協力を強化することの重要性を強調した。 日EU首脳は、開発途上国における医薬品の入手可能性の改善に関し緊密に協力する必要性を認識した。 日EU首脳は、SARS(重症急性呼吸器症候群)の世界規模、特にアジアでの蔓延につき深刻な懸念を表明し、この病気に対処するための情報交換及び協力を強化する意思を表明した。 日EU首脳は、2001年12月のテロに関する共同宣言を想起し、この分野における最近の進展につき互いに報告した。 日EU首脳は、双方が「2005年日EU市民交流年」の成功裡の実施に向け共同で準備を開始することを確認した。 日EU投資イニシアティブ
日本とEUは、「日EU協力のための行動計画」の主たる目的の一つが双方向の直接投資の潜在的可能性を完全に実現することにあることを想起し、日EUビジネス・ダイアログ・ラウンド・テーブルからの意見をも得ながら、今後一年間にこの方向に向かって実効的な措置をとるために協力していく。 EUは、今後5年間で対日投資残高を倍増させるとの小泉総理の呼びかけを歓迎するとともに、関連するEU加盟諸国及び日本の関連諸機関と連携し、また、EUビジネスマン日本研修プログラム(ETP)や「ゲートウェー・トゥ・ジャパン」プログラムといった手段を随時活用しつつ、EUの企業に日本市場の魅力と投資先としての強みを周知するために、全力を尽くす。 日本とEUは、双方向投資に関する日EU協力イニシアティブを通して、相互の市場についての認識を高めるために追加的な手段をとる。これらには広報事業、焦点を当てた促進活動及び日本、EUにおける投資促進機関間の交流の開始が含まれる。日本とEUは、特に民間部門に対して日本と拡大EUにおける付加的な投資機会について周知するためのセミナーと会議を準備する。日EU双方は、日本及びEUのビジネス界間の投資関連の交流を促進するために日欧産業協力センターが果たしうる役割をいかに強化できるかについても検討する。双方はまた、日本とEUにおける地方での投資及びビジネス環境に影響を与える論点を扱うためにハイレベルの規制改革対話を引き続き活用していく。 日本は、並行して、国内においても重要な主導的役割を果たしている。例えば、関心を有する外国人投資家に対してワン・ストップ・ショップ・サービスを提供できるように日本貿易振興会(JETRO)を強化し、投資に関連する各省庁における単一窓口創設のような対日投資会議で決定された5本柱のプログラムを実施し、また、構造改革特区におけるものを含め様々な種類の規制緩和イニシアティブを促進している。 これらの施策を実施するに際して、日本とEUは、民間部門、特に日EUビジネス・ダイアログ・ラウンド・テーブルの緊密な関与を促していく。 別添
次回日EU定期首脳協議までに重点を置く措置
重点目標1 平和と安全の促進
重点目標2 万人のためにグローバル化の活力を活かした経済・貿易関係の強化
重点目標3 地球規模の問題及び社会的課題への挑戦
重点目標4 人的・文化的交流の促進
日EU行動計画の実施状況
重点目標1 平和と安全の促進
重点目標2 万人のためにグローバル化の活力を活かした経済・貿易関係の強化
重点目標3 地球規模の問題及び社会的課題への挑戦
重点目標4 人的・文化的交流の促進
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