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共同プレス・ステートメント (仮訳) 2002年7月8日 東京 小泉純一郎日本国内閣総理大臣、アナス・フォー・ラスムセン・デンマーク首相(欧州理事会議長)及びロマーノ・プローディ欧州委員会委員長は、2002年7月8日、東京において第11回日EU定期首脳協議を開催した。日EU首脳は、以下のメッセージを発出した。 我々は、2001年12月にブラッセルで開催された前回の定期首脳協議以降、「日EU協力のための行動計画」に掲げられているイニシアティヴの着実な実施が明らかに示すように、日EU間の対話が強化されてきていることを歓迎する。我々はまた、4月にプローディ委員長が欧州委員会委員長として初めて日本国会で演説を行ったことに留意した。「日EU行動計画」は、発表以来、7ヶ月の間に、既に多くの分野で協力のための触媒の役割を果たしている。そのような成果及び次回定期首脳協議までの我々の新たな優先事項には別添の事項が含まれる。 我々は、次回定期首脳協議までに、「日EU行動計画」に掲げられている協力を一層強化し、行動計画の4つの重点目標の下、構想力に富み且つ実質的なイニシアティヴを発展させる努力をより強化するため、協力して取り組むことを決意する。この点に関し、我々はまた、適切な形で、ビジネス界、学界、市民社会からのインプットも奨励する。日EU当局はこれらの取組をフォローアップし、次回定期首脳協議にその進捗を報告することとする。 実際、本日のビジネス・ダイアログ・ラウンドテーブル(BDRT)の代表との会合において、我々は、BDRTの提言と行動計画の重要な目的の一つである経済関係を強化するための具体的なアイデアを特定するとの意思を歓迎した。我々は、BDRTに対し、その提言を更に絞り込み、関連の全ての分野における我々の経済関係、特に貿易と投資の課題について、その将来像を追求することを奨励した。 我々はまた、前回の定期首脳協議で採択された「テロに関する日EU共同宣言」に基づき、テロ対策の分野における日EU協力の進展を再検討し、引き続き国際社会と、特に国連の枠組みにおいて、協力しつつテロと闘う決意を強調する。 我々は、昨年9月11日以降、グローバル・システムの成功にコミットし、共通の価値観を有する主要な主体である日本とEUは、国際社会の優先関心分野において、戦略的パートナーシップに基づく協力を更に深めることが以前にも増して重要であることを強く認識している。 良く機能し、ルールに基づいた多角的貿易体制が経済成長のための重要な要素であるとの確信の下、日本とEUは、WTOを強化するために緊密に協力していく。我々は、今後来年9月にメキシコで開催される第5回WTO閣僚会議に向けて、市場アクセス、ルール及びシンガポール・イシューに関する交渉プロセスの円滑化を含むドーハ開発アジェンダの全ての側面に関する交渉を加速する必要がある。我々はこの閣僚会議を成功させるため、努力を統合していく。日本とEUは、開放性及び無差別性という多国間主義の原則に対するコミットメントを再確認する。我々は、また鉄鋼分野で米国政府によってとられた措置についての懸念と保護主義の圧力に抵抗する必要性を共有する。 開発援助額の約4分の3の供与者として、我々は、持続可能な長期的発展及び貧困削減を確実にする途上国の努力を支援する決意を強調する。我々は、開発途上国がミレニアム宣言に含まれる開発目標を含む国際的に合意された開発の目標を達成するため、ODA及び他の財源の大幅な増加が必要となると認識する。 我々は、ドーハ開発アジェンダ及びモンテレイ・コンセンサスに基づき、行動指向、世界的かつ包括的な成果に到達するために、ヨハネスブルグにおける持続可能な開発に関する世界サミットの成功に向け、引き続き緊密に協力していく。気候変動に対する実効的な行動を確保するため、我々は、京都議定書の早期発効を目指して他の諸国に京都議定書締結を更に奨励し、また全ての国の参加を追求していく。 我々は、2002年9月23日~24日にコペンハーゲンで開催されるアジア欧州会合第4回首脳会合(ASEM4)の準備を積極的に行っている。我々は、我々の二つの地域を近づける他に類のないプロセスを推進し、文化と文明に関する特別な対話を行う。 中東和平プロセスに関し、国際社会は、国際法、関連する国連安保理決議及びマドリード合意の枠組みである「土地と平和の交換」の原則に基づき、治安の回復、政治交渉の加速化、及び責任が明確で民主的かつ市場指向の将来のパレスチナ国家の基盤造りのための復興支援により、和平プロセスを促進すべきである。我々はまた、2002年3月のアラブ首脳会議の宣言を歓迎する。我々は、政治的解決に向けた指標を再確認する一手段として、政治面、安全保障面及び経済面を取り上げる国際会議の早期開催に引き続き取り組む。 アフガニスタンに関し、我々は、カルザイ氏の下での新たな移行政権を支持する。我々は、アフガニスタン人がボン合意の遵守を引き続きコミットしていることを歓迎し、アフガニスタンに平和と安定を定着させる移行政権の任務を引き続き政治的、経済的に支援することを約束する。これに関連して、我々は、7月6日にカブールで起きたカディール副大統領の暗殺に関し、カルザイ大統領に対して哀悼の意を送る。我々は、全ての当事者に対し、今回の事件により過去9ヶ月の前向きなプロセスから外れることがないように呼びかける。我々は、教育、地雷除去を含む、和平プロセス、国内の治安、麻薬対策、復興・人道支援及び基本的人道ニーズといった分野への支援を行う。また、カブールの現場で協力するとともに、必要に応じ、援助政策の調整を行う。 我々は、インド・パキスタン間の緊張の緩和を歓迎する。我々は、パキスタンに対し、管理ライン越えの侵入の恒久的停止のため、キャンプの閉鎖を含む効果的な措置を講ずるよう要請する。我々は、インド、パキスタン両国に対し、外交的及び軍事的信頼醸成路線を継続し、完全な対話に向けて前進し、両国間の相違の永続的な解決を図るよう奨励する。 我々は、北朝鮮に対し、韓国、米国、日本、EUとの対話に向けより前進するよう慫慂するとともに、これが朝鮮半島及び地域における平和と安全の確保のために、具体的な成果を生み出すものとなるよう期待する。現在、安全保障、人道上の問題及び人権を含む、国際社会が懸念を有する様々な問題に関し、進展を見せることが重要である。我々は、北朝鮮における経済改革もまた、北朝鮮の国際社会への関与に一層資するものとなるとの見解を共有した。 我々は、ユーゴスラヴィア連邦共和国からセルビア・モンテネグロへの円滑な再編及び移行を確実にし、またコソヴォにおける支援協調の強化のために密接に協力することを決意した。我々は、コソヴォにおける違法な小型武器に取り組むことの重要性について共通の認識を確認する。 我々は、WTO加盟を含め、国際システムへのロシアの完全な統合を継続的に支持することを確認する。この観点から、我々は、NATOとロシアの関係強化及び米国・ロシア関係の進展、特に最近の戦略的核兵器の削減に関する合意が、世界の平和と安定に大きく貢献するものであることを確信する。 我々は、カナナスキス・サミットで発表されたG8アフリカ行動計画を歓迎する。アフリカによるアフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)における全面的なオーナーシップの発揮とその効果的な実施を支援するために、日本はアフリカ開発会議(TICAD)プロセスを、EUは同様にコトヌ協定、地中海協定及び南アフリカ協定のイニシアティヴをそれぞれ更に推進する。 我々は、安定化に向けたマクロ経済政策並びに経済成長及び金融の安定を強化するための構造改革にコミットしている。これに関連して、 EU首脳は、日本経済が底入れしたことに留意するとともに、日本における構造改革のための現在進行中の努力を奨励した。 小泉総理は、2002年末までに準備の整ったEU加盟候補国との加盟交渉を終えるとのEUの決意に留意しつつ、EUの統合と特に中・東欧への拡大が欧州全体の更なる安定と繁栄をもたらすことに期待を表明した。 科学技術の分野では、我々は、科学技術協力協定の交渉を早急に進めるよう希望する。 我々はまた、日EU間の市民レベルの交流を促進させる長期的な重要性を認識し、2005年を「日EU市民交流年」とするよう協力していくことを宣言する。本年後半に開催予定のシンポジウムは、その準備に資するべきである。
別添1
別添2
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