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日EU規制改革対話 ブリュッセル会合
(概要)


平成16年2月20日


1.日程・出席者 

(1) 日時:2月20日(金)10:00~17:30 於:ブリュッセル
 (18日、19日には、環境規制、貿易関税、電気通信、滞在許可・運転免許等に関する専門家・課長級協議も実施)

(2)
出席者: (日本側) 佐々江外務省経済局長(議長)他、関係省庁(経産、総務、法務)代表
(EU側) バレンスエラ欧州委員会対外関係総局次長(議長)他
欧州委員会関係総局代表、加盟国政府・新規加盟国代表
 
(注) 日EU規制改革対話は、平成6年(1994年)に開始して以来、毎年数回ずつ東京とブリュッセルにおいて会合を開催。毎年双方で相手方に対する規制改革要望書を交換し、ビジネス環境改善のための日EU双方の規制のあり方について議論。平成15年度は、昨年11月14日に東京会合を行い、今回は2回目の本会合。


2.概要 

(1) 今回の会合では、日本の対EU要望を中心に議論が行われ、数年来にわたる要望事項  (商法・商慣行、貿易・関税、法律サービス等)に加え、目論見書指令・透明性指令(金融サービス)等新たな項目についても取りあげられた。

(イ)規制改革に関する日本の対EU優先要望(要望項目一覧別添1)

(ロ)規制改革に関するEUの対日本優先要望(要望項目一覧別添2)

(2) 今回の会合では、特に以下の日本側の要望について活発に議論。

(イ) 新たな化学品規則案を始めとする環境関連の規制
 EUが導入を準備している新たな化学品の規則案(REACH)」について、EU域外の製造業者や輸入業者が実質的に域内業者より不利な立場におかれるのではないかといった日本側の懸念について申し入れ、これに対しEUは、本件は政治的にも重要な規制であるが、今後とも透明性のある形で実施に移していきたい、とした。この他、「廃電気・電子機器指令(WEEE)」、「特定有害物質使用禁止指令(ROHS)」の実施に向けた手続等について有益な意見交換を行った。

(ロ) 国際会計基準(目論見書指令・透明性指令)

 EUの目論見書指令及び透明性指令(案)により、EU域内で証券公募または上場を既に行っている、もしくは今後行う非EU発行者には、国際会計基準(IAS)または、IASと同等の会計基準に従った財務諸表等の作成が義務づけられるが、日本の会計基準を、IASと同等の会計基準として認めるように要望、これに対し、ECは同等性の判定手続を今後確立する必要がある、日本の会計基準についての情報交換を密にしていきたい、とした。

(ハ) 一部電子機器の関税分類

 我が国が対EU輸出に関心を有する一部電子機器の関税分類について、EUの解釈(実質的な分類変更)により、又は不適切な分類により、我が国業者が不利益を受けている状況の是正を申し入れ、これに対しEUは分類問題はWCO(世界関税機構)で技術的に議論、関税引き下げはWTOで交渉すべし、との立場。

(ニ) 滞在・労働許可、運転免許証

 我が国関係企業の従業員の滞在労働許可の円滑な取得について要望、またEU加盟国内で運転免許証を切り替えた日本人が日本に一時帰国する際に日本免許証を携帯できるような建設的解決策等を見出すことを要望、今後EUの提案及び、各加盟国における状況も踏まえ、具体的方法を更に詰めていくこととなった。

(ホ) その他

 電気通信について、双方の規制におけるベスト・プラクティスについて情報交換を進めていくこと、法律サービスについて、独・仏における外弁制度の導入に対し改善を今後とも求めていくこと、欧州におけるパブリック・コメント制度について、日EU間の更なる協力のあり方を検討していくとともに、EUのみならず加盟国の情報も求めていくこと、などを議論した。


3.成果 

 今回の会合では、以下の諸点につきEU側より一定の成果又は前向きな回答があった。

(イ) 共同体特許制度の早期実施
(共同体特許及び共同体特許裁判所の創設に係る理事会決定の採択につき、2004年中の進展を期待)

(ロ) 商標に関するマドリッド協定議定書へのECの加盟
(2004年10月の協定実施に向けた作業目標の提示)

(ハ) 個人情報保護指令の下で標準契約条項
(在欧日系ビジネス協議会(JBCE)作成の標準契約条項代替案の認定に向け、EUにてミニマムの改善策を検討中)

(ニ) アンチダンピング(AD)規制の運用
(AD税の適用除外決定を受けた機器について、既徴収分の業者への返納)

(ホ) 廃電池指令の下でのニカド電池の取扱い
(規制対象からの除外)

(ヘ) 各国の滞在労働許可制度の運用の改善
(5つの加盟国から取り組みにつき説明、他の国からも書面による情報提供)

(ト) 日本の運転免許証の取扱い
(日本人が一時帰国する際の日本免許証返還の方法について、今後具体的に協議。)

(チ) EU域内複数加盟国間での損益通算国境を越えた合併を可能とする法的枠組み
(これに向けたイニシアティブや今後の予定を説明。)


4.対話の方式の改善点 

(1) 日本側の要望に対して、原則として事前に書面回答を得ることにより、本会合での議論をより自由・率直かつ実質的なものとした。

(2) 専門性・技術性の高いテーマについては、事前に専門家会合(貿易・関税、環境、法律サ-ビス、電気通信、政府調達)及び課長級会合(滞在労働許可、EUのパブリック・コメント、雇用・社会保障、税制、新規加盟国関係)を開催し、詳細に議論を行い、本会合での議題を絞り込み、各議題ごとの議論の時間を十分に確保。

(3) 対話の双方向性の観点から、EU側の対日要望(ジャーナリズム(外国人記者の会見へのアクセス)、政府調達植物検疫ホルムアルデヒト簡保等)について、東京会合後の進捗状況について説明を行った。


別添1

平成15年度 日本の対EU優先要望リスト


平成16年2月


(★は新規要望)
総論:規制改革対話全般


A. 分野横断的規制

1.商法・競争
(1) EU域内の複数加盟国間での損益通算を認める指令の早期成立
(2) 国境を越えた合併を可能にするEUレベルの法的枠組み★

2.貿易・関税
(1) デジタル・ビデオ・カメラ(カムコーダ)の関税分類変更及び遡及課税
(2) デジタル複合機の関税分類★
(3) アンチダンピング規則の運用
(4) 欧州委員会による「通関24時間前の申告義務付け」に関する提案★

3.情報・知的財産
(1)共同体特許制度の早期実施★
(2)マドリッド協定議定書への加盟
(3)個人情報保護指令

【付論】雇用

B. 業種別規制

1.法律サービス
【総論】
(1) フランスにおける外国弁護士の母国の法律サービスに関する業務従事の許可
(2) ドイツにおける外国弁護士のいわゆる第三国法に関する法律事務の許容

2.電気通信
(1) 新指令(テレコム・パッケージ)に関する手続の透明性★
(2) 相互接続
(3) 加入者回線基本料金の値上げについて★
(4) 政府による通信事業者の経営への関与★


3.金融サービス
【総論】
(1)目論見書指令・透明性指令★
【個別国における事項】
 独における日系企業取引に関する親会社の決算信用分析★

4.自動車
(1) 歩行者保護に関する国際基準調和に向けた日・EU間の協力
(2) ECE規則第94号及び95号の採用★

C. 環境規制

【総論】
(1) 「欧州における新たな化学品規制」:REACH(Registration, Evaluation and Authorisation of Chemicals)システム
(2) 「廃電気・電子機器指令案(WEEE)」「特定有害物質使用禁止指令案(ROHS)」、「廃自動車指令(ELV)」
(3) 廃電池指令

D. ビジネス環境の基盤的事項等

1.滞在労働許可制度
【総論】
(1) 就労を目的とする第三国国民の入居・居住要件に関する指
(2) 第三国国民の域内自由移動に関する指令案
(3) イタリアにおける滞在・労働査証
(4) スペインにおける労働査証
(5) フランスの商業手帳
(6) フランスの滞在・労働許可
(7) ベルギーにおける労働許可
(8) ギリシャにおける滞在・労働許可
(9) フィンランドにおける労働査証
(10) ルクセンブルグにおける労働査証
(11) ドイツにおける滞在・労働許可★
(12) ポルトガルにおける滞在・労働許可★
(13) アイルランドにおける企業内転勤者への労働許可取得免除制度★
(14) オランダにおける労働許可発行基準★
(15) オーストリアにおける労働許可発行の制限★

2.運転免許証
【総論】
 ギリシャでの実質的な免許切替停止★
【付論】社会保障
(別添1)税制
(別添2)加盟予定国における改善要望  


別添2

平成15年度 EU側の対日優先要望リスト


平成16年2月


(★は新規要望)

1.ビジネス環境の更なる改善

1.1.外国直接投資のための環境の更なる改善

1.ア.(1). ビジネスコストの低下
a.投資促進措置と構造改革特区の拡大★
b.企業再編(M&A)の容易化
c.連結納税制度の緩和
d.外形標準課税の廃止★
e.欠損金の繰り越し★
f.移転価格税制の緩和★

2.ア.(1)透明性と予測可能性
a.パブリックコメント制度の改善
b.ノーアクションレター(国税庁の回答文書制度)の変更
c.国税庁の行政慣行の変更★
d.競争法の執行状況の改良

3.ア.(1)人的資源
a.解雇規定の明確化★
b.年金制度の改善★
c.職業紹介及び人材派遣事業の制限の撤廃
d.入国と在留資格の規制の緩和★

1.2.政府調達
入札資格基準の透明性と予測可能性の向上

1.3.ジャーナリズム
a.外務省記者証による外国人記者の報道行事へのアクセス拡大
b.記者クラブ制度の廃止

1.4.情報社会
a.電気通信規制当局の公正さの確保
b.接続料におけるLRIC方式の見直し★
c.固定及び携帯電話市場における中立的な規制枠組みの確立
d.支配的事業者の指定に関する中立性の確保
e.共同支配の概念の考慮
f.第I種事業者への卸・小売り料金告知要件の廃止
d.ユニバーサルサービス規定の透明性、非差別、競争的中立の実現

1.5.金融サービス
 1.5.1. 保険セクター
a.届出制への移行完了と商品及び料率の認可制の廃止
b.国際基準に準ずる規制システムへの移行
c.簡保と共済に関する規制上及び税制上の特典の廃止★
d.金融機関による残存販売制限の撤廃
e.ブローカー業務に関する法律及び関連規則の改正 

 1.5.2. 銀行業及び証券
a.銀行及び証券業務の統合経営禁止に関する証券取引法65条の廃止
b.保険商品販売禁止の制限の廃止
c.より合理化された規制レジームの創設★

 1.5.3. 資産運用
a.投資顧問会社の郵貯・簡保資金運用の公開性と透明性の確保★
b.資産運用部門向けの簡略で明確な規制枠組みの創設★

1.6.郵便サービス
a.郵政分野の改革における規制機関の独立性の確保
b.郵便配達業務へのサービス業務と資格に関する競争の確保

 
1.7.運輸
 1.7.1. 航空運輸
a.国際航空運賃の公式価格の更なる自由化
b.成田空港滑走路利用割当の手続の簡素化
c.成田空港のスロット割当の改善
d.空港のスロット割当のIATAガイドラインへの準拠
e.空港着陸料、航行施設利用料、共用スペース使用料の引き下げ

 1.7.2. 海上運輸(国際海運)
a.港湾に関する事前協議手続の透明性、公平性、迅速化の確保
b.船舶運航変更に関する日本港運協会の役割のレビュー

2.規制に伴う企業負担の軽減

2.1.医薬品及び化粧品マーケットの規制
 2.1.1.医薬品
a.新薬適用認可のレビュー及び相談プロセスの質と効率性の改善
b.ICH E5ガイドラインの科学的根拠に基づく実施の保証
c.適切な薬価政策の確立と同政策を基礎とする薬価の見直し★
d.新薬の適用認可における知的財産の保護★

 2.1.2.医療装置
a.国際的に承認された企画の早期採用及び利用
b.法的及び賠償承認にかかる時間の短縮とアクセスの改善

 2.1.3.化粧品
a.化粧品、一般製品、医薬部外品等の分類と承認基準の明確化
b.ポジリストとネガリストの国際的調和
c.化粧品の非動物代替試験データ受入れ条件に関する情報提供
d.マーケティングの訴求標準についてのEU標準との調和

 
2.2.国際基準の促進
 2.2.1. 外国試験・検査機関の承認
a.関係省庁の規制手続の簡素化と適合評価機関承認基準の調和
b.外国の適合性評価機関の指定を認める法律に関する情報提供
 2.2.2. 基準の創設―建築物品に関するホルムアルデヒド規制
大臣認定のための時間の短縮とJASマーク取得手続簡素化
 2.2.3. 自動車―UN-ECE協定の順守
照明等のECE規則の早期採択

2.3.食品安全及び農産物
 2.3.1.食品添加物及び香料
認可食品添加物リストの近代化
 2.3.2.切り花、鉢植物、果実、野菜の輸入
迅速な承認を考慮する旨公示された38品目の添加物及び香料の採用
 2.3.3.承認
非検疫生物リストの拡大
 2.3.4.生鮮果実及び野菜の規制手続
WTO報告書に照らしたEUの一部果実及び野菜の輸入承認


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