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平成16年日EU規制改革対話ブリュッセル会合の概要


平成17年3月7日


1.日程・出席者

(1) 日時:3月4日(金)10:00~17:30 於:ブリュッセル欧州委員会本部

(2) 日本側出席者:中富外務省経済局審議官(議長)、市川経済統合体課長他、6省庁の関係者

(3) EU側出席者:ライト欧州委員会対外関係総局局長(議長)、ギレスピー同日本課長他、欧州委員会及び加盟国政府関係者、駐日欧州委員会代表部関係者。

(4) 前日の3日に、環境、貿易関税、電気通信等に関する専門家会合及び課長級会合が開催された。また、2月末に医療医薬品に関するテレビ会議を開催。

(参考1)
 今回の会合では、日本側の全要望に関し、欧州委関係部局の担当者が出席・対応したのに加え、加盟国の権限に属する要望についても、仏、伊、白、希の各政府から関係者が参加した。なお、関連要望はなかったが、西、スロベニア、スロバキア、フィンランド政府からもオブザーバー参加した。

(参考2)
 日EU規制改革対話は、平成6年(1994年)に開始。近年は東京とブリュッセルにおいて会合を開催している。毎年双方で相手方に対する規制改革要望書を交換し、ビジネス環境改善のための日・EU双方の規制のあり方について議論を行っている。平成16年度は、平成16年11月の東京会合に続いて今回が2回目の会合。


2.概要

 今回の会合では、日本側の対EU要望(項目リスト別添)を中心に協議が行われ、以下の分野において実質的な議論が行われた。

(1) 金融サービス
 日本の会計基準の国際会計基準との同等性について、日本側より最大懸念事項の一つと指摘。EU側は、日本の関心は十分承知しており、引き続き技術的観点からオープンに議論していきたい等応答。

(2) 商法・商慣行
 EU域内の複数加盟国での損益通算を認める指令の早期成立、国境を越えた合併を可能にするEUレベルの法的枠組み、欧州非公開会社法等の要望に対し、EU側より今後の見通しについての説明がなされた。

(3) 貿易・関税
 フラットパネルディスプレイの関税分類の変更について、EU側は実際的な解決方法を模索していきたい旨回答。カムコーダの関税分類変更及び遡及課税については、EU側は従来からの立場を繰り返すに留まった。また、通関24時間前の申告義務づけの措置については、安全保障上の要請がある中で可能な限り短時間の申告が可能となるよう留意する旨EU側から説明があった。

(4) 情報・知的財産
 EU側より、共同体特許制度については加盟国の判断如何に委ねられている、また自動車用補修部品の意匠保護の廃止反対については、今後も議論を続けていきたい旨応答。

(5) 法律サービス
 EU側より、外弁にかかる要望については、仏、独政府と直接交渉することが適当との見解が示された。

(6) 電気通信・放送サービス
 ローカルループアンバンドリングの促進についてはアンバンドル回線数の増加が確認される等具体的進展が見られ、無線LANに関する周波数割当ての調和については、調和に向けての具体的動きがEU側より示された。政府による競争中立性の確保及び放送サービス分野でのコンテンツの国際交流の充実(放送時間の5割以上を欧州製作品とする旨の指令の改善)については、引き続き議論を継続することとなった。

(7) 運輸・自動車
 歩行者保護に関する国際基準の調和、ECE規則第94号及び95号の採用について、いずれもEU側より前向きな姿勢と具体的進捗状況について説明がなされた。

(8) 建設
 ベルギーにおいて、税として工事額の15%、社会保障費として15%の予納と発注者による右30%の債務保証を課すことは、実質的に日本企業のベルギー建設市場参入を不可能としているので制度の改善をすべきとの日本側の主張に対し、EU及びベルギー政府は、全ての税の徴収について内国民待遇の例外扱いが認められていると反論。日本側から、ベルギー政府との間で引き続き議論したいとした。

(9) 医療・医薬品
 EU域内の医薬品の並行輸入問題にかかる議論の現状を照会したのに対し、EU側より、日本だけでなくEU企業にとっても問題である旨説明。日本側から、利益率に関する英薬価制度と独における強制リベート制度の見直しについて、我が国業界との緊密な協議を要望したのに対し、EU側はこれに留意した。

(10) 観光
 イタリアにおいて、3ヶ月以内の観光目的滞在の場合、入国後8日以内に警察署での滞在許可証の取得手続きが義務づけられていた点に関し、イタリア政府より、観光査免国国民が30日を超えない期間観光目的で滞在する場合には、入国時に国境で滞在許可手続きができるよう法改正され、今後早急に所要の手続きを進めていく旨表明。

(11) 環境
 日本側の最大懸念項目の一つであるREACH(欧州における新たな化学品規制)のほか、WEEE(廃電気・電子機器指令)、ROHS(特定有害物質使用禁止指令)の各指令について、日本側より具体的な懸念事項を伝達し、今後も議論を継続していくこととなった。EuP指令(エネルギー使用製品に対するエコデザイン要求設定枠組み指令)については、EU側より、各製品ごとの決定が必要である旨の説明がなされ、協議を継続することとなった。

(12) 滞在労働許可
 日本側より、各国の滞在労働許可取得の容易化・迅速化は在欧日系企業関係者の最大の要望であるとして引き続いて善処を要請。就労を目的とする第三国国民の入居・居住要件に関する指令案について、経済移民にかかるグリーンペーパーに、日本からもコメントしたい旨伝達。

(13) 運転免許
 各加盟国から日本大使館に返却可能となった点に関し、日本側より謝意を伝達し、各国政府との協議を進めていく旨伝達。ギリシャにおける免許証書き換えに際し要求されている公文書証明について、ギリシャ政府より日本のみに差別的に適用されている措置ではない旨の説明があり、日本側より、かかる措置を要求されているのはギリシャのみである旨述べ、更なる二国間協議への対応を求め、先方も了承した。

 なお、EU側からは、国境を越えたM&Aの円滑化等日本の投資環境、郵政民営化、食品添加物・香料、政府調達及び周波数割当問題に関する対日要望をとり上げ、日本側から各々現状を説明した。

(注)  日本側の対EU要望に関し、昨年度対話以降の主な具体的成果としては、個人情報保護に関する標準契約条項の代替案、運転免許証の返還問題等がある。運転免許証の返還問題については、これまで日本の免許証がEU加盟国の免許証への書き換えの際に加盟国当局にとり上げられていたものが、EU指令との関係上、加盟国当局より日本大使館に返却しても問題ないとの解釈が示されたもので、今後具体的返還の態様等について、二国間協議に委ねられることとなった。



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