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中東和平多国間協議の概要


平成12年12月1日

1.多国間協議の枠組み

(1)中東和平多国間協議は、92年1月にモスクワにて開催された「地域の諸問題に関する多国間会議」において策定された、中東和平プロセスの二国間交渉を側面から支持するための枠組みである。

(2)多国間協議への参加者は、直接交渉当事者に加え、マドリード和平会議の共催国である米・露、および共同議長国であるわが国、EU、カナダの他、域内外各国。なお、直接交渉当事者のうち、シリアとレバノンは現在までのところ不参加。

(3)多国間協議は、中東地域で大きな重要性を持つ5つの分野の作業部会(軍備管理、経済開発、水資源、環境、難民)と、これら部会を監督し、多国間協議全体の推進を図るため主要国により構成される運営委員会から構成される。

(4)92年5月、多国間協議第1ラウンドとして上記5つの作業部会と運営委員会が米国、欧州及びわが国において相次いで開催された。以後ほぼ半年に1回のペースで全体会合が開催され続けてきたが、中東和平の停滞を受けて、94年頃から年1回程度となり、96年中盤以降は全体会合はしばらく行われなかった。
 99年末以降のシリア-イスラエル交渉の進展を受け、多国間協議の再活性化を図るべく、2000年2月モスクワにて運営委員会が開催されたが、シリア-イスラエル交渉が行き詰まりを見せたこと等から、これまでのところ、いずれの作業部会も再開されていない。

2.多国間協議の目的

(1)交渉当事者間の信頼醸成を通じた二国間交渉の側面的支援
 中東地域にまたがる諸問題について、域内諸国・団体の参加を得つつ多国間の枠組みで取り組むことにより、紛争当事者間の信頼関係を醸成し、直接交渉の進展を促すこと。

(2)具体的プロジェクトの発掘・推進による地域協力の基盤整備
 94年11月のイスラエル?ジョルダン間の国交正常化や95年9月のパレスチナ暫定自治拡大合意といった二国間交渉の進展を受け、多国間協議は、具体的プロジェクトの発掘・推進を通じて地域協力の基盤を整備するという現実的かつ重要な役割を果たすことが期待されている。

3.最近の我が国の支援

(1)中東淡水化研究センター事務局長の招聘
 2000年6月、中東淡水化研究センター(MEDRC:後掲)の活動を支援するため、クテイシャート事務局長を本邦招聘した。同事務局長は、わが国官民双方の関係者との意見交換を行った。

(2)中東和平支援セミナーの開催
 環境WGの枠組の下、2000年3月、「汚水処理と水の再利用」をテーマとしたセミナーを開催した。本セミナーには、パレスチナ暫定自治政府、ヨルダン、エジプト、イスラエルから汚水処理分野における政策担当者を招聘し、わが国独自の技術である小型合併浄化槽の中東地域における使用可能性についての検討を行った。

4.各WGにおける具体的活動状況

(1)環境WG(議長:我が国)
 わが国が議長を務める本WGのプロジェクトは、(a)環境行政、(b)海洋汚染、(c)砂漠化防止、(d)汚水処理、(e)危険廃棄物の5分野に分類される。わが国は、本WGの議長として、中東の地域特質を踏まえた環境保護のための共通行動規範である「バハレーン環境行動規範」の策定・採択の主導、中東への環境調査団の派遣、環境関連セミナーの開催、環境関連施設への機材供与等、積極的な支援を行ってきている。

(2)経済開発WG(議長:EU、我が国は観光分野のシェパード)
 本WGでは、貿易、金融、観光、エネルギーをはじめとする10分野についてシェパード(世話役)を設定し、各分野毎にプロジェクトを推進している。全体会合に加え、域内当事者を中心としたモニタリング・コミティーがEUによる負担で設立され、常設事務所がアンマンに設置されている。我が国がシェパードを務める観光分野では、わが国主催の観光ワークショップを開催した。その結果、中東地域の観光促進を目的とする「中東・地中海旅行観光協会(MEMTTA:本部テュニス(テュニジア))」の設立が決められ、95年10月に設立文書の署名が行われている。

(3)水資源WG(議長:米国、我が国は共同議長)
 本WGでは、(a)水データの調達、(b)水マネージメントの実務と水の節約、(c)水供給の拡大、(d)水資源マネージメントと地域協力の4分野についてプロジェクトが推進されている。我が国は、このうち水供給の拡大について、ジョルダン汽水淡水化プロジェクトの調査を完了したほか、中東地域において淡水化技術に係る情報発信機能を担う「中東淡水化研究センター(MEDRC:本部マスカット(オマーン))」に対して3百万ドルの資金拠出を行っている。

(4)難民WG(議長:カナダ、我が国は共同議長)
 本WGは、(a)難民データベース作成、(b)離散家族再開、(c)人材開発と雇用創出、(d)公衆衛生、(e)児童福祉、(f)経済・社会基盤の6つのテーマ別に活動・報告が行われている。また、会合とは別途「議長ミッション」が年1回程度実施されており、96年4月にもジョルダンに派遣され、97年5月にはレバノンへの国際ミッションが派遣された。

(5)軍備管理WG(議長:米・露)
 本WGは、「概念バスケット」と「活動バスケット」に大別され、前者においては軍備管理に関する長期目標や原則宣言の採択、後者においては海上事故防止、通信、情報交換及び事前通告といった具体的活動に関する協議が行われている。我が国は、第6回全体会合において「軍備登録制度」に関する提案を行う等の貢献を行っている。


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