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日本・パレスチナ閣僚級政治協議及び日本・パレスチナ合同委員会のためのシャアス・パレスチナ暫定自治政府計画・国際協力庁長官訪日の機会における日本・パレスチナ共同プレス・ステイトメント
平成12年5月18日
1.序文(1) 今次訪日の目的
シャアス・パレスチナ暫定自治政府計画・国際協力庁長官は、5月17日より19日まで、日本国政府の招待により日本を訪問した。今次訪問の目的は、「日本・パレスチナ閣僚級政治協議」及び「日本・パレスチナ合同委員会」に参加し、種々の分野におけるバイの関係強化の方策を探ることであった。(2) 今次訪日の背景
本年9月のパレスチナの最終的地位合意期限に向けて交渉当事者間で必死の努力が払われている中、今次訪日は、双方のイニシアティヴで実現された。双方は、日本が和平達成に向けて積極的な支援を行っており、パレスチナへの政治的な支援姿勢を内外に示すことにより、中東和平プロセスの進展に好影響を与えることが望ましいとの見解で一致していた。また、日本・パレスチナ双方は、最近のアラファト議長の二度にわたる訪日、シャアス長官の三度にわたる訪日、高村前大臣、町村元政務次官及び東前総括政務次官のパレスチナ訪問等、双方の要人往来がとみに緊密化していることを高く評価した。(3) 今次訪日の概要
シャアス長官と河野大臣は5月18日、「日本・パレスチナ閣僚級政治協議」を行い、中東和平プロセスの最新の状況について意見交換した。シャアス長官は、また、同日、日本側関係者と「日本・パレスチナ合同委員会」を行い、政治、経済協力、財政、産業貿易、民間投資及び教育文化の6つの分野の委員会において、それぞれの分野におけるバイの関係強化について意見交換した。右合同委員会には、パレスチナ側より計画国際協力庁、財務庁、高等教育庁が、日本側より外務省、大蔵省、通産省、文部省、JICA、JETROが参加した。さらに、シャアス長官は、5月17日、伊藤宗一郎衆議院議長を表敬した。2.中東和平(閣僚級政治協議)
(1)包括的中東和平プロセスの達成
両者は、安保理決議242、338及び425並びにマドリード会議の諸原則、とりわけ「領土と平和の交換」の原則に基づき、中東における公正、永続的、かつ包括的な和平の達成を追求することの重要性を強調した。(2)シャルム合意の実施、最終的地位交渉の期限までの終了
両者は、特にシャルム合意及びパレスチナ人とイスラエル人との間で結ばれたその他全ての合意の即時かつ誠実な実施の重要性について見解が一致し、最終的地位交渉を9月13日の期日までに終結させるためにあらゆる努力を助長することが重要であることを確認した。また、両者は特に入植地問題やエルサレム問題との関連で、その最終的地位交渉の結果に予断を与えかねないいかなる一方的措置をも控えることが重要であることを強調した。(3)パレスチナ人の民族自決権、独立国家樹立権の支持
河野大臣は、パレスチナ人の独立国家樹立の権利を含む民族自決権に対する日本の継続的な支持を再確認した。日本は、この権利は何人も奪うことのできないパレスチナ人の権利であり、パレスチナ人の将来は彼ら独自の選択に委ねられていると認識した。両者は、民主的なパレスチナ独立国家が近い将来、上記諸原則に従い、平和的な手段で実効的に樹立されることを強く希望した。また、河野大臣は、パレスチナが平和裡に国家独立を宣言した場合には、日本としてその国家承認を速やかに検討する用意がある旨述べた。(4)イスラエル等の生存権の確認
両者は、「領土と平和の交換」原則に従い、中東に於いてイスラエルが平和裡に存在することを支持し、中東和平問題は関係当事者の安全保障を確保する形で解決されることが必要であることを再確認した。(5)パレスチナ難民問題
両者は、国連の諸決議に従ったパレスチナ難民問題の公正な解決が、包括的中東和平の実現にとり最重要問題の一つであり、国際社会が、ジョルダン川西岸及びガザ地域はもちろんのこと、ジョルダン、シリア及びレバノンにおけるパレスチナ難民のニーズに対応していくべきであることを確認した。また、両者は、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動を引き続き支援していくことの重要性を再確認した。(6)パレスチナ支援への感謝、国造り支援の継続
シャアス長官は、過去6年間で5億ドルを越える日本の対パレスチナ支援に対する感謝の意を表明し、右支援がパレスチナ人の社会的経済的開発に大きく貢献し、中東和平プロセスの進展を下支えしていることを確認した。河野大臣は、パレスチナの人造り、国造りに資する経済支援を今後とも継続することを表明した。両者は、和平交渉が成功裡に終結した後においても、国際社会がパレスチナ人の莫大な開発ニーズに応えるよう呼びかけた。
シャアス長官は、パレスチナ人が独立宣言後に国造りや、特に難民や避難民に関連するものを含む最終的地位合意の必要事項を実施することに対する国際社会の協調した支援努力においても、日本が指導的役割を果たすことへの期待を表明した。(7)パレスチナ支援調整会議(AHLC)の重要性の確認
両者は、昨年10月、東京で行われたパレスチナ支援調整会議(AHLC)が中東和平プロセスに政治的な弾みを与えたことを評価し、6月7日及び8日に開催予定のAHLCリスボン会議も同様の効果を与えることができるよう最大限努力することにコミットした。両者はまた、AHLC東京会議にてアラファト議長より表明されたパレスチナの行財政改革が今後のパレスチナの持続的自立的発展の鍵であり、次回AHLC会議にて右改革をレビューしていくことを確認した。(8)シリア・トラック、レバノン・トラック
両者は、包括的な和平が中東地域全体の永続的な安定と個々の国の安全保障を確保するものであるとの認識で一致した。かかる観点より、両者は、シリア・トラック及びレバノン・トラックの進展及び早期の解決に向けた関係当事者の更なる努力を促した。両者は、イスラエルが国連決議425に基づき、本年7月までに南レバノンからのイスラエル軍の撤退を決定したことを歓迎した。河野大臣は、右撤退が円滑に実施され、抵抗勢力が撤退後にイスラエルを越境攻撃しないことを強く希望した。(9)多国間協議
両者は、本年2月のモスクワ会合にて再活性化された多国間協議の実施に適切な環境作りを二国間交渉の進展を通じて行うことの重要性を強調した。3.バイの関係(合同委員会)
(1) 政治
双方は、最新の中東和平情勢をレビューした。双方は、パレスチナ国家独立問題、エルサレム問題、パレスチナ難民問題、水問題、在京パレスチナ事務所再開、イラン情勢及びイラク情勢につき意見交換した。(2) 経済協力
シャアス長官は、日本のパレスチナ人に対する経済協力、特に学校建設や上水道整備などを始めとした無償資金協力に対する感謝の意を表明した。またシャアス長官は、UNDP日本・パレスチナ開発基金を通ずる日本の支援プロジェクトが、パレスチナ人の生活の向上や緊急雇用の創出に大きく貢献していることを評価した。(3) 財政
パレスチナ側より、高等開発評議会における活動を含むパレスチナの財政改革の現状につき説明した。今後とも、財政収入及び支出の透明性の確保を継続し、財務庁による歳入及び歳出の把握力の強化することを表明した。(4) 産業貿易
日本・パレスチナ双方は、両者間の経済・通商関係の促進方法について意見交換した。また、日本側はパレスチナ通商関係者の来日を歓迎した。(5) 民間投資
日本・パレスチナ双方は、両者間の民間投資の促進方法について意見交換した。その第一歩として、パレスチナ側は、経済投資関係の法整備に全力を尽くす。(6) 教育文化
日本・パレスチナ双方は、ジョルダン川西岸及びガザ地域における日本文化紹介事業や学生及び教師の交流を含む両者間の文化交流を進めることで意見が一致した。(7) その他
日本側は、本年4月から、ジョルダン川西岸及びガザ地域に対し、特恵関税の供与等の措置をとった。
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